子どものような大人でありたいと思った本〈女子大生の読書リスト〉

今回の本はこちら。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

ほんの少しだが感じたことをまとめてみた。

内容

アイルランドの移民二世と結婚した日本人のブレイディみかこさんが、12歳の息子の日常を記したノンフィクション。人種や格差もごちゃ混ぜの「元底辺中学校」に通う息子が、アイデンティティ、差別、友情の悩みにぶつかり、筆者と共に考えていく。子どもの疑問に答え大人に考えさせる、ぜひ子どもにも大人にも読んで欲しい一冊である。

感想

舞台は英国で日本とは異なる国だが、だからこそ人種、経済格差、性と様々な問題があふれる多様性が高い社会のリアルを知ることができた。今は他人事ではないこれらの問題との向き合い方を学べるだろう。

1番印象に残っているのはエンパシーとシンパシーの話である。シンパシーは「同じ考えや境遇の人への理解や同意」という感情や行為、理解であるのに対し、エンパシーとは「他人の感情や経験などを理解する能力」だという。ホームレスに対する「善意とはなにか」という文脈で息子くんが考えていたが、このエンパシーこそ今の社会に求められている力ではないかと思った。自分とは異なる境遇の人たちにただ同情するわけでもなく、理解し受け入れるということが必要だろう。

どんどんと疑問を持ち、貧富の差も人種差別を乗り越えていじめも関係なく、自分の意思を持って自分で輪を作っていく息子くんの姿がそこにはある。私は、偏見がなく柔軟で成長し続けられる、そんな子どものような大人でありたいと思った。

最後に

この本は2019年にノンフィクション本大賞を受賞した。今は始まったばかりだが2021年である。ミーハーはカッコ悪いなんて考えは捨てて、アンテナをしっかりとはりトレンドに敏感に、新しいものにどんどん触れていきたい。


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