黒詩ロク

黒詩ロク

最近の記事

†リクシタイの憂鬱†

 ──ハイ、ぼく、リクシタイ。偉大なゲイジュツカ。作品は、まだ、発表していない。無数の完成された作品と、無数の発表されていない作品があるだけだ。つまり、古代より、その力は失われてしまった。しかし、宇宙は認知している。天と地を指差す。そんなことよりも、気になることが、あるのだ。生まれる前から、ぼくには記憶があった。そして、生まれたときから、すでに、ぼくには、悪意すなわち、人や社会に対する嫌悪が明確にあった。最初に発した言葉は、「ゴミ箱じゃねぇか。ちっくしょう」だった。そう、これ

    • 虚構の大喜利大会(詩)

      本当の意味で創造性のない人間がいた 宣伝のために つまり利益のために 生きている人間がいた 八千かそこら それが毎日 間抜けなピストン運動から生まれた 私たちをただ通りすぎていく どろっとした無味無臭の風は 新たな養分を探している令和のマダニだ いつからだったか 人間が材料に成り下がった日は 資本家に生まれなかった人間が 資本家になろうとして 支配者に生まれなかった人間が 支配者になろうとして うるさい足音を音楽と勘違いして ボリュームを上げていく 虚構の大喜利大

      • 君たちはどうカエルを食べるか(詩)

        あお向けで ただ あお向けで 焼かれていた カエル 中火で熱せられた アスファルト だれも食べないのか だれも食べやしない 衝撃で死んだのか 焦熱で死んだのか おまえを癒やすのは冷たい雨だけ 田んぼ にゃんぼ 田んぼ ふやけた友だちに涙する

        • 紺白鳥

           ぼくは、忍者の暗殺刀を持っていて、屠ろうと思っている、人物がいた。人が近づいてくるたび、悟られないように、土から生えていた、クリスタルの新芽を、ぽそぽそと、ペンチではさんで、引っこ抜いていた。  ふと、何者かに、荒らされたような、花壇が目にはいる。そこら中に、羽根が、落ちていた。よく見ると、先端から半分ほどが、紺色で、残りは、白地に、紺色の斑点模様がある。この量で、散らかっていると、遠目で見たときに、汚らしく見える。  丸い茶色のプランターの近くに、その羽根の持ち主と思

        †リクシタイの憂鬱†

          人形からっぽ(掌編小説)

           日曜日の公園は、フリーマーケットで賑わっていた。クオリティの高いクラフト作品を出展している人もいる。  ぼくは、ふと、古そうなものが置いてある、ブースが気になった。  ──こんな、無くても良いような、手にしたら、部屋に飾りでもしたら、呪われそうな品々を高額で売りつけている心理がわからない。はっきり言ってゴミだし、病んでるよなあ。でも、古いものを見るのは、嫌いじゃないんだよね。  そこには、洋書や宗教関連のオブジェ、ガラスの瓶などが、置いてあった。古い人形も少しあったが

          人形からっぽ(掌編小説)

          わたしのパンダたち(詩)

            潰れた英会話教室   誰も遊ばない公園   誰も知らぬ矢車菊   踏んでいく人々は   生活一辺倒でした      マコちゃんにもらった   ジャンガリアンハムスター   動かなくなったキーホルダーみたい   パンダスミレ植えた畑には   パンダウサギ埋まってる   なぜわたしは生きているのか   おいしくないラーメン屋   消えたコリドラスパンダ   わたしの心は充たされることなく   夏にひどい災厄が起きた   盆地の人々は勇敢に死んでいった   わたしは無感

          わたしのパンダたち(詩)

          わたしがぼくがライターになったわけの歌(詩)

          昔から本を読むことが好きでした。 自然と文章を書くことが日課になりましたよ。 気がついたら、なっていた。という感じですね。 はい。気がついたら、なってました。ライター。 歌います! わたしはライター HSPのライター 何やってるか わからないけど なんかすごい なんかいいきぶん 何やってるか よくわからないんだけど フォロワーがたくさんいて やっぱすごいんだって気になれるから 足で「ぷちっ」て虫がつぶれる音が聞こえても やめられないの 攻略法なんかも出ていて なんかすごいん

          わたしがぼくがライターになったわけの歌(詩)