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花火大会が最後のデートだった(全)


[一]

(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)


(9)


(10)


(11)
(12)
(13)
(14)
(15)

ボクはフラれたのだ




[二]


高校3年の夏休みー8月の初めにボクはフラれた

何でこんなことになってしまったんだ…


日曜日
高校近くにあるJ公園(野球場やテニスコート等がある大きな公園)でテニス部先輩OBらとテニスをしたのは5月のこと

放課後、いっしょに帰って
喫茶店に寄ったり、図書館に行ったり
そんな日常は6月になっても続いていた


6月8日(木)
放課後、二人で九段下に行く。
千鳥ヶ淵のボートデート、2時間も乗りっぱなしだった。


6月18日(日)
横浜デート。朝から待ち合わせて横浜〜関内へ
山下公園、港が見える丘公園、中華街に行く。


6月30日(金)
 池袋で、お揃いのTシャツを買う(週明けにはペアルックで登校)

どう考えても上手く行ってるカップル
それが7月に入り
ボクらは ほとんど会わなくなった。
彼女は変わった。





ユキからの手紙

彼女はよく手渡しで手紙をくれた。「ユキは今、〇〇の授業中です。先週サボってたから全然わかりませ〜ん…あ、指された」とか
「今、ユキが気に入ってる曲は…」みたいな日常的なことも多かったが、面と向かって言えないような気持ちも伝えてくれていた。


会ってないと遠い存在に思える…
彼女が書いている通り
その意味がわからないボクだった


6月の終わりにもらった
これらの手紙が結果的に
彼女からの最後の手紙になった




7月の初旬に期末試験が終わって試験休み。あとは7月20日の終業式に登校するだけで夏休みになるので、実質、長い休みが始まる…そんなとき

(放課後、高校近くのJ公園)

休みの間、バイトを
きっちり入れているユキと
ボクの間で
こんな会話が交わされた


会ってないと遠い存在に思える…
手紙にそう書いていたユキの言葉

「顔 見たくなったら電話でもしてよ」




そして彼女から

電話が来ることはなかった


それからだろうか。ユキの態度が変わったのは…しばらく会わないことが続いたこの時期、実は同級生の女子からの「ユキ、クボくんのことで悩んでるよ」との声が耳に入ってきていた。それを気にしてボクが電話をしても彼女のつれない態度に逆にボクの方が(なんなんだよ)と思う始末だった…




そして
久しぶりに会った日には、
海のことで言い合いになり
花火大会のデートを最後に
ボクはフラれるのだ

当時のボクにはやっぱり
ユキがわからなかった

あの最後の花火の夜
ユキが何を考えていたのかも




クボくん…




[ 花火大会が最後のデートだった ]



今ならわかる
ボクがユキをわからなくなる前に
彼女の方が先に
ボクを見失っていたことを

そして
ユキが変わったのではなく
ボクがユキを
変えてしまったということも



マンガ・文/久保マシン(Y)




それって
電話したら来てくれるワケじゃないよね
実際、そこまで近くないし

声を聞ければいいでしょ…って感じ?

よしんば
来てくれるつもりだったとしても

それは
わたしが会いたがってるから?

わたしが電話してきたから?

クボくんはどうなの?
わたしが言わなきゃ来ないの?

「バイトで会えないなら
終わってからでも会いたい」って
クボくんからは言ってくれないの?

クボくんは
会いたいって思わないの?


クボくんは…わたしのことを
どう思ってるの?


わたしのこと…好きなの?



※ この作品は本アカ『久保マシンnote』で3回にわけてUPした記事(自伝的作品)を加筆修正してして、まとめたモノです。

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