醸し屋カズマ@福司酒造 日本酒

福司酒造株式会社 製造部長 北海道の東側(東北海道や道東と呼ばれる)にある釧路で酒造り…

醸し屋カズマ@福司酒造 日本酒

福司酒造株式会社 製造部長 北海道の東側(東北海道や道東と呼ばれる)にある釧路で酒造りをしてます。北海道の酒造りってあまり知られていないと思うので、四月でも雪の降る地域の蔵の話に耳を傾けていただけたら嬉しいです。

最近の記事

セカンドブランドを立ち上げるまで

山廃未完成の「その先」 昨年Noteを新しく始め、今まで行ってきた白麹の取り組みや、山廃の取り組みについて書かせていただきました。「フクツカサ、山廃仕込み、未完成。」という商品名で発売した初めて仕込んだ山廃のお酒は、初年度という事もあり、話題性も高く多くの方々から高評価を頂き無事に完売。本当にありがとうございます。 「フクツカサ、山廃仕込み、未完成。」 元々この商品を発売する前から、セカンドブランドを立ち上げるというプロジェクトがあり、そのプロトタイプとして市場の開拓や社

    • シーズンの始まり。

       「今シーズンも仕込みが始まります!」というSNS発信を多く目にしますが、実際に何から始まっているのかはあまり知られていないと思います。どのような気持ちで仕込みが始まりどのようなリズムで仕事が行われているのか。特に福司の蔵ではどうなのかを伝えられたら面白いかなと思い今回は書かせていただきます。  2022年10月24日、今シーズンの新米の洗米から始まりました。仕込みの始まり人それぞれあると思いますが、個人的には《初めての洗米》からかと思っています。その洗米を始める前の「準備

      • 仕込み準備って何するの?

        令和4酒造年度が始まる。  令和3酒造年度(R3BYとも書く)から令和4酒造年度(R4BY)は2022年7月1日より変わりましたが、酒造りとしてはその年度で始めて洗米する日から酒造年度が「始まる」という認識があります。ちょうどこの記事を書き始めた今日、蔵では今シーズン初の蒸米が麹室へと引き込まれました。  蔵の在る釧路は北海道の東側ですが、この時期はまだ温かいです。とはいっても・・・朝の気温は4℃、昼間が12℃くらいでしょうか。東京の今日の最高気温が16℃、大阪20℃、那

        • 酒蔵の夏の仕事

          先日、日本酒記事を多く書かれているクリーミー大久保さんよりアンケートの依頼が来ました。それが夏の蔵のお仕事のことで、確かに「冬に仕込みしています」と答えると「夏場は何をされているのですか?」と聞かれることが多い。近年では三季醸造(秋から春まで)している蔵も多くオフシーズンの短い蔵も多いが、弊社の仕込みは10月下旬から5月上旬の約半年の仕込み。夏の間の蔵の様子をnoteで記すのも面白かと思い、書いてみようと思う。 他のお蔵さんの夏の仕事はクリーミーさんのnoteをご覧ください

          【第壱燗】OKANBAN 福司が山廃をやった理由

          福司酒造株式会社 製造部の社員が自分たちで作るフリーペーパー 自分たちの想いを視覚化し商品の案内などにご使用いただきたく作っています。 ダウンロードはこちらから

          【第壱燗】OKANBAN 福司が山廃をやった理由

          フクツカサ、山廃仕込み、未完成。

          創業以来初めての登場  7月22日発売となる福司酒造の山廃は、創業103年目にして初めての取り組みでした。前回までのnoteでは、なぜ取り組んだのかということを書いてきましたが、今回は商品の出来上がるまでを書きたいと思います。 きっかけは。  きっかけはコロナの影響だったと思います。出荷量が減ったことで仕込み本数が減少したことで、製造計画の見直しをすることになりました。北海道のお米はかなり早くから契約をするため、コロナになったその年も多くの酒蔵はコロナ前の製造計画通りで

          フクツカサ、山廃仕込み、未完成。

          福司が山廃を始めた理由②

          前回、山廃を始めた理由①の記事はこちら。白麹をきっかけに様々な学びや成長があったことなどを書かせてもらいましたが、今回はなぜ白麹から山廃になったのかの部分を書きたいと思います。 いつかは山廃を。  私が知る限り「福司酒造の創業から山廃はやっていなかった」のではないかと思います。私が現在杜氏の役割をしていますが、私が知っている中で最も古い杜氏は「力石 八十吉(リキイシ ヤソキチ)」杜氏です。私の4代前の杜氏になります。大層腕がよかったと聞いていおりますが、その時代に山廃はな

          福司が山廃を始めた理由②

          福司が山廃を始めた理由①

           noteを利用し始めて3か月目になろうとしています。月に1つは投稿するところからと始めていますがブログを2006年から初めて16年間、平日はほぼ毎日続けており、そこに書いてきたことをここに吐き出すととてつもない量になしまいます。時系列で考えてもすごいことに・・・・。興味のある方は下にリンクを貼っておくのでそこから見てください。未だにほぼ毎日更新です(笑)  何から伝えようと思っていたのですが、今シーズン初めて取り組ん山廃の仕込みの話も書きたいので、そこに行きつくために、まず

          福司が山廃を始めた理由①

          北海道 そして釧路の酒蔵です

           全国様々な地域に酒蔵がある。それぞれの地域のそれぞれの文化や歴史と共に変化する時代を生き抜いてきた酒蔵だ。私が勤めている福司酒造もその1つ。東北海道といわれる自然豊かで人口よりも動物が多いような地域です。北海道のイメージと異なり、冬は雪が少なく天候がいいし、夏は涼しい。食べ物もおいしく、空港があり、蔵の近くには大きな病院が2つ、学校も小学校、中学校、大学がある。私個人としては豊に住み暮らすには十分な地域です。あ!あと夕日がきれいなのでマジックアワーをもっと楽しめるシステムが

          北海道 そして釧路の酒蔵です

          2022年4月

          はじめまして 4月に入り、SNSでは「今年も新入社員が入りました!」とか、「花見はまだ我慢ですが桜はきれいです」といった情報が流れている。私のデスクから見える景色は・・・・雪だ。桜吹雪ではなく、リアルな吹雪。フェイクニュースいわれそうな4月1日。  私の住んでいるところは日本の東端で北海道の道東(東北海道とも言う)と呼ばれる場所に位置する釧路です。近くには人口よりも牛が多い地域など本当に自然がすぐそばにある街です。そこで私は酒つくりをしています。  創業103年。全国的に見れ