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静岡ブルーレヴズ観戦記・1/27vs花園近鉄ライナーズ〜My salad days・明日へ〜


1.富士の高嶺に降る雪よ

 東京駅 午前9時過ぎ
  私が乗るはずだったひかり号なのか。改札の天井は轟音を立て揺れている😢
 朝からJRのダイヤが乱れ、私は新幹線に乗り遅れてしまった😭

  この日ばかりは早く到着したかったのに、、
 
 東京駅はスーツケースを引く乗客で破裂しそうな混雑だったが、ひっそりと入線した【こだま】に乗る客は少ない。
 
 午前9時半過ぎ。
 新幹線は品川を通過、早くも【純白の頂】が目に入った⭐️⭐️

田子ノ浦ゆ打ち出て見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける(万葉集 山部赤人)

【遠征】を始めて3季目、初めて見る【雪の富士】は、崇高な美しさを湛えていた。

 1ヶ月ぶりの静岡遠征、しかも、
 久々のソロ遠征だ⭐️⭐️

2024年1月27日
ジャパンラグビーリーグワン2023/24 D1第6節 
静岡ブルーレヴズvs花園近鉄ライナーズ

 レヴズは前節終了時点で2勝3敗、順位は8位、今節でホストゲーム初勝利を目指す🔥🔥

メンバーは既に発表されていた。

   クワッガ兄さんがいない😭😭
 前節後半に負傷交代した兄さんは、チーム広報から長期離脱が発表されていた。
 
 とはいえ、今のレヴズは必ずしも兄さん頼みのチームではない。
 今節は15番にサム兄さんが先発に名を連ねた⭐️⭐️
 インパクトメンバーにブリン兄さんが、【レヴズの獅子王】リチャードさんがいるのも頼もしい⭐️⭐️
 1番には茂原さんが入り河田さんへと繋ぐ⭐️⭐️
 ゲームキャプテンはショージ・スミスこと庄司さんが務める⭐️⭐️
 
 花園近鉄ライナーズ(以下、ライナーズと表記する)もメンバーを発表していた。

ああ、小林さん😭😭❗️お久しぶり⭐️⭐️

 昨季活躍していた小林さんの移籍は衝撃だった。
 故郷のチームに移り、再び先発に名を連ねる、こんな再会もまたうれしい🥲🥲
 もちろん、このチームの【世界レベルハーフ団】、オーストラリア代表ウィル・ゲニア選手&クウェイド・クーパー選手のプレーも注目だ⭐️

 こだまは各駅でひかり&のぞみに追い抜かれながらゆるゆると西へ進む。

おそらく、小田原駅付近
  

車窓からの富士』
この姿が最も美しいのは、三島〜新富士間だろうか。 しかし、、

 三島とはどんな地形なのだろう⁉️
 あれほど晴れていた空は、三島に近づくにつれ雲が増え、あの霊峰もまた、雲の後ろに隠れてしまったのだった😢😢

ここは静岡のロンドンか⁉️

 11時過ぎに掛川に到着、東海道線に乗り換え御厨駅で降りる。
 J1昇格を果たした『あの水色チーム』の鳥が出迎えてくれる。

清水も必ず昇格するからJ1で待っててね

 ここは雲一つない青空、しかし、
 お約束の強い風😨
 この地方はこの時期毎日こうなのか⁉️

千切れるようにはためくレヴズくんのフラッグ

 風は冷たいが陽は燦燦と降り注ぐ磐田の冬。今年は余程暖かいのか、東海道線から菜の花が見えた。
 10分も歩くと汗ばむほどの陽気だ💦
 お馴染みの『赤いロゴ=YAMAHA 』がそこかしこに登場する。工場街特有の香りが漂い、規則正しい機械音が絶え間なく響く、、
 
 おや😳
 遠くになにやら『黄色い籠』らしきものが見えてきた。

 この籠がどれ程高い位置にあるか、下掲写真で確かめてほしい❗️❗️

高所恐怖症の私には失神レベルの高さ

そこには『働くクルマ』が大集合していた⭐️

 VOLVOって、マダムが乗ってる高級車のイメージだったが、『働くクルマ』も製造してるとは❗️❗️

この車種はレアものらしい

 私は階段を降りて広場に出た。
 ⭐️1ヶ月ぶりの ヤマハスタジアム⭐️

マグロの幟が景気良くはためく

 既にレヴニスタ広場は大いに盛り上がっていた。
 【マグロの解体ショー】が始まろうとしていた。
 ねじり鉢巻をキリリと巻く大将とマグロが登場、この巨大魚を大将は手際よく捌いていく⭐️⭐️
 

リッチモンド兄さんがマグロのカマを観客に披露する。
大将は背丈ほどもある包丁を一気に押し切り、身を切り分けていく

 大将の手で、一尾の大魚は真紅の『刺身』に姿を変えていった⭐️⭐️

 マグロ解体ショーに見とれているうちに時はどんどん過ぎていた。
 そう、この日のキックオフは【13時】と早いのだ❗️
 私は近くに立つ山谷拓志レヴズ社長に気づいた。
 ご挨拶しようと思ったが、、
 『新年は当に過ぎているが、年明けて初めてお会いする』方に何と言えば良いのか⁉️
 私は迷った末、モゴモゴと『新年のご挨拶』を口にしてその場を離れた。社長はキョトンとしていた。やはりあいさつが場違いだったかもしれない、、

 私はレヴニスタ広場を歩いた。この日会いたい【あの子】がいた。
湖西市の公式マスコット『うなぽん』だ⭐️⭐️
 声をかけると、ポーズまでとってくれた。

うなぽん、ありがとう⭐️⭐️

 うなぽんの裏手に黒いダウンを着た屈強な青年達が集まっていた。
 ノンメンバーの選手達がファンサービスに応じていたのだ⭐️⭐️
 グラウンドでの鬼気迫る表情とは全く違う『男の子の顔』、こんなにも屈託のない素直なものなのか。
 
 娘達はどんな子を連れてくるのだろう、、
 私はそう遠くないであろう未来を思い描きながら急いで入場口に向かった。
 もう正午をとうに過ぎていた。

快晴のヤマスタ

2.結集せよ❗️

 試合前練習は既に始まっていた。
 クワッガ兄さんのいない緊急事態をどう乗り越えるのか。兄さんの怪我は軽くない。
 今シーズンは、早くもここから総力戦だ🔥🔥

 この日は、磐田市内公立中学校2年生が学校行事の一環として試合を観戦する事になっていた。

バックスタンドの一角を中学生が占める
ブリン兄さんの華麗な動き
慎さんがアドバイスを送る

 磐田の風は相変わらず強い。

  今季のレヴズは、BK陣の突破力=パワー、スピード、スキル、全ての面に磨きが掛かっている⭐️⭐️

 有賀剛アシスタントコーチを始めとしたコーチ陣も、自ら密集に鋭く切り込んで練習を進めていく。
FW陣は好調だ

 今季のFW陣は、お家芸のスクラム、モールが更なる進化を遂げつつある。
 セットプレーの安定が、BK陣のスピーディーかつ大胆な攻撃を可能にしているのか。
 
 グラウンドでは応援練習も始まっていた。スタジアムMCとレヴズくんの先導に、中学生は朗らかに声を合わせた⭐️⭐️

Go REVS❗️

 キックオフ時間が迫り、選手達は控え室へと下がっていく。と同時に、
 青いフラッグを掲げた一団が、グラウンド中央に花道を作り始めた。

 両チーム選手が入場する。
 その前に、
 この試合で『公式戦50キャップ』を迎える桑野詠真さんがグラウンドに登場した。
 桑野さん、おめでとうございます㊗️

早稲田大学出身、大怪我も乗り越えこの日を迎えた

 続いて、両チームが同時に子供達と手を繋いで入場する。今季は『サッカー式⚽️入場スタイル』で行くようだ😳
 
 ふと顔を上げると、あの『磐田市中学生エリア』が何やら動きを見せている😳
 もしかして、、
 彼らの頭上に、赤🟥白⬜️青🟦のボードが掲げられていく⭐️⭐️

 コレオグラフィーだ⭐️⭐️
 【GO❗️ REVS】
 
彼らの創るメッセージは、青空と芝の間で、鮮やかに浮かび上がった⭐️⭐️

フラッグで花道を創ってくれたのも中学生達

 レヴズ2勝3敗、ライナーズ0勝6敗、
 両チームにとって、この試合の持つ意味は大きい。
 誰もが勝利を渇望する中で、試合が始まった。

3、前半〜若葉の頃は〜

 試合は、開始早々緊迫する。
 キックオフのボール
 ライナーズが保持したボールを庄司さんのジャッカルで見事奪取したレヴズ🔥
 しかし、
 タッチに蹴り出したボールは風に乗って飛びすぎてしまった。
 『〇〇💥❗️』
 ここでライナーズファンから手厳しい野次が飛んだ😳
 かつての藤井寺球場もこんな雰囲気だったのか、、
 蹴った地点から相手ボールのスクラムとなり、これを機にライナーズは一気に畳み掛けてきた🔥🔥
 小林さんもゴールライン寸前まで迫る🔥🔥
 遂にライナーズ6番菅原選手がトライ🔥🔥
 ゴールラインへグイと伸ばした腕は気迫に満ちていた。🔥🔥
 
  前半5分 0-5 ライナーズ 先制

 すかさずレヴズは反撃する🔥🔥
 一気にボールを左へ🔥
 サム兄さんが抜け出し、最後はマロ兄さんがゴールラインを悠々と突破した🔥🔥

鮮やかな連携プレー⭐️

 前半10分 マロ兄さんトライ⭐️⭐️家村さんのCGも成功⭐️⭐️7-5 レヴズ 逆転
 さらに、
 今度は右方向に攻め上がり、すっと庄司さんが抜け出す🔥ピウタウ兄さんに繋ぐ🔥
 ピウタウ兄さんはディフェンスをサラリと交わしゴールラインを越えた🔥🔥

巧みにディフェンスをかわす兄さん

前半15分 ピウタウ兄さんトライ 12ー5 ⭐️⭐️

 さて、
 この日のスタジアムは意外な『声』に包まれていた。
 
おおー❗️ウォー❗️
 この瞬間、特にビッグプレーが起こった訳では無い。単に両チームの選手がロングキックやハイパントを蹴ったにすぎないのだが、
 『ラグビーもボールを蹴るの⁉️🏉』
と驚いたのか、
 あるいは、
 『ラグビーボールってこんなに飛ぶの⁉️🏉』
と驚いたのか、
 中学生達はボールが宙を舞う度、この【新たな発見】への感情をそのまま口にしたのだ⭐️

 『地方の中学生っていうのは、反応が素直なんだねえ。』
 そんな声がどこからか聞こえてきた。

 この新鮮な応援を背にレヴズの攻勢は続く🔥🔥

 敵陣深くからのマイボールラインアウト、ボールは左方向へ。
 マルジーン兄さん、タヒトゥア兄さんが前進🔥ボールを持ったサム兄さんはステップを左、即右💥に切ってディフェンス網を突破🔥🔥そのまま突き抜けた。
前半32分 サム兄さんトライ⭐️⭐️ 家村さんのCG成功 19ー5
 とはいえ、

 その後レヴズが盤石だった訳ではない😢
 何度もライナーズにトライ寸前まで切り込まれ、会場はその度に悲鳴が上がり、次いで安堵の溜息に包まれた。
 しかし、遂に
 前半38分 ライナーズ パトリック選手トライ
クーパー選手のCG成功
  19ー12

前半終了 

 IトライIゴール差での折り返し、、胃がキリキリする展開だ😨
 中学生はゾロゾロと席立ち始め、連れ立って外へ出て行く。
 君たち、ラグビーのハーフタイムはサッカーより短いから、今からトイレに行くと多分後半開始には間に合わないよ、、まあ、それもいい経験か、、

My salad days,

When I was green in judgement, cold in blood.

それは私が若葉の時代、分別は青くさく、(愛の)情熱も湧き立たぬ頃の話だわ。

(ウィリアム・シェイクスピア作「アントニーとクレオパトラ』一幕五場)

小田島雄志作 『シェイクスピア名言集』(岩波ジュニア新書)より引用、括弧内は私の補足です

4、後半〜凱歌高らかに〜

 後半早々からレヴズは猛攻を仕掛けた🔥🔥
 
 敵陣ゴールライン上での攻防、日野さんがゴールライン内に持ち込んだボールは、僅かに地に届かなかったか、、おや、
 何かが現場で起こっている😳😳
 TMO が入った。
 相当エキサイトした場面だったのだろう。映像を見た観客からは『オオーッ❗️』という驚きの声が、、
 立ち上がった日野さんは顔を押さえながら歩き始めた。
 ライナーズ ゲニア選手にはシンビン🟨の判定、10分間の退場となった。
 数的優位に立ったレヴズは、ボールを左右に大きく動かし敵を揺さぶっていく。

 後半7分
 敵陣深くレヴズボールのスクラム、
 最後尾のマルジーン兄さんがボールを保持、そのまま斜め右方向へ果敢に走りこんだ🔥🔥
 マルジーン兄さんトライ⭐️⭐️家村さんのCG成功⭐️⭐️
 28ー12

 次いで後半11分、
 敵陣内ながら相手ボールのスクラムに、しかしレヴズはこの勝負に勝つ🔥
 家村さんはボールをチョンと足につけ即攻撃を開始🔥ボールは一気に右方向へ🔥🔥
 最後にボールを受けたのは山口さん、
 韋駄天
 そんな例えが相応しいスピードと巧みなステップで相手を振り切りゴールラインへ飛び込んだ❗️
 山口さんトライ⭐️⭐️
 31ー12

 その後、両チームのキャプテンがレフリーに呼ばれた。近づく庄司さんの前でレフリーはレッドカード🟥を掲げた。
 えーっ⁉️⁉️
 会場にどよめきが起こった。ショージ・スミスは何もやってないよ😭
 もちろん、庄司さんは何もやっていなかった。
 先程のゲニア選手のイエロー🟨が、映像判断の結果レッド🟥と判定された、その瞬間にたまたま前にいたのだった💦
 この試合進行、わかりにくい、、
 このまま数的優位を保つことになったレヴズは更に攻勢を強める🔥🔥

 後半15分、
 ボールは左方向へ、大外のマロ兄さんは余裕を持ってゴールラインを超えた。
マロ兄さんトライ⭐️⭐️家村さんのCGも成功⭐️⭐️
38ー12

 さらに後半22分、
 ライナーズボールのスクラム、

 なにやら家村さんに合図を送るブリン兄さん、、 
 スクラムが組まれたその刹那、
ブリン兄さんはボールを持ったライナーズの選手に飛びついた💥 
 この奇襲を機にボールを保持したレヴズは一気に敵陣に入り、マロ兄さんの巧みなキックパスをピウタウ兄さんが滑り込んでキャッチした🔥🔥

ピウタウ兄さんトライ⭐️⭐️
43ー12

 その後ライナーズの選手に更なるシンビン🟨の判定、ライナーズは13人となる。

 後半38分、
 サム兄さんのキックパスを機にレヴズはゴールラインに押し寄せる🔥敵陣内でライナーズのペナルティー、
 プリン兄さんの素早いリスタートでボールは右方向へ🔥サム兄さん、そしてピウタウ兄さんが投じた長いパスをキャッチしたのは奥村さん🔥悠々とゴールラインを突破した⭐️⭐️
奥村さんトライ⭐️⭐️
サム兄さんのCG成功⭐️
50ー12

 ここでノーサイド

 レヴズは計8トライを挙げ、勝ち点+ボーナスポイントも獲得した⭐️⭐️

 POMには、ピウタウ兄さんが選ばれた。
 相手を蹴散らすパワー、抜き去るスピード、翻弄するスキル、今やレヴズのBK陣に欠かせない存在だ⭐️⭐️

 MIP には、家村さんが選ばれた。
 22歳、サッカー日本代表久保建英選手と同世代の彼は、京産大在学中にアーリーエントリー制度で昨季デビュー、今やレヴズ司令塔としてチームを牽引する。

 選手達は時計回りに会場を回り始めた。
 バックスタンド南寄り、
 中学生達は、戦いを終えた選手達を弾けるような拍手で迎えた⭐️⭐️

 メインスタンドにも一礼した選手達は、晴れやかな笑顔でスタッフと握手を交わしながら控え室へと消えていった。


 私は席を立った。

 メインスタンドの階段を降りきったその時、
その壁の向こうは選手控室なのだと気づいた。

パンパンパンパン👏👏👏👏ハイハイハイハイ👏👏👏👏
威勢のいい手拍子と掛け声がどんどん大きくなっていく🔥🔥やがて、
  凱歌が、
 この試合の勝利を寿ぐ歌が高らかに始まった。
その張りのある声は、
突き抜ける程明るかった。

〜あとがき〜

 クワッガ兄さんの離脱、しかも長期が予想されるこの状況は、レヴズにとってまさに緊急事態です。
 しかし今節の試合は、ヒヤッとする場面は確かにあったものの8トライの快勝、ボーナス点も獲得し、順位は5位まで浮上しました❗️
 選手スタッフの皆様、おめでとうございます㊗️
 それにしても、
 中学生の感性とは美しいものです。

 オオーッという驚きの声、
 アーッという落胆の声、
 ワーッという喜びの声、
ラグビーというスポーツに揺り動かされる姿に心洗われる思いがしました。

さて、
今回の副題、【My salad days】 はシェイクスピアの戯曲より拝借しました。
 様々な訳がありますが、『私がまだ若葉だった頃』というこの表現が一番気に入っています。
 
 選手達もまだMy salad days を生きる世代、日々悔いのない選手人生を送ってほしい、そう願ってやみません。
 

昨季初めての公式戦出場を果たした際の家村さん、大役を終えてレヴズくんの胸に。
帰りの車窓からも純白の頂が見えました。念願の新富士付近より

(なお、撮影した写真については、客席部分が含まれるものについてはボカシをかけています)

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