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静岡ブルーレヴズ観戦記☆プレシーズンマッチvsクリタウォーターガッシュ昭島〜その教えは『海』を越えて〜

1.野分迫る

やはり季節のせいか、単なる歳のせいか、はたまた愛する清水エスパルスがアビスパ福岡に敗れたせいか、それは定かではない。かかりつけ医は一言『ストレスですね』と発していたが。

久々に私は『ぶっ倒れて』いた。ようやく動けるようになったのは水曜日のことだが、祝日の金曜日に再び寝込み、『この試合』は翌日から公式YouTube『ハイライト映像』で視聴する事となった。

2022年9月23日
静岡ブルーレヴズvsクリタウォーターガッシュ昭島@ヤマハ大久保グラウンド

昨年のプレシーズンマッチでも対戦し、レヴズはウォーターガッシュを無得点に抑え快勝していた。

メンバーは既に発表されていた。

昨季の公式戦レギュラー、リザーブ、メンバー外、新戦力外国人、大卒新人、、
あらゆる境遇に置かれた選手達が顔を揃えた。

ウォーターガッシュは今季もD3所属、いわば明らかに格下の相手ではある。とはいえ、徐々に対戦相手のレベルが上がるプレシーズンマッチ、さらに12月のシーズン開幕に向けて、この試合では是が非でも『アピール』しなければ❗️

この日の静岡県の天気予報は雨。突如日本列島付近に出現した台風は、刻々と東海地方に迫っていた。

2、ツツジ咲く丘から


東名高速磐田ICからほど近い大久保グラウンド。屋外スポーツに適した天候でないのは画面からも明らかだった。空いた座席にはすでに水溜りができている💦💦

しかし驚いたことに、観客席はほぼ埋まっていた🔥🔥連なる青いレインポンチョが、降りしきる雨に容赦なく打たれている、、これは観戦というより『修行』、いやもはや【荒行】に近い。

YouTube画面の右上にはピンクと水色の円に縁取られた『WE LIVE』の文字が映る。

この画像はウォーターガッシュさんの映像だ🌟

実況席には、昨年に続きウォーターガッシュの定期配信でもMCを勤める夏目真紀子さん、さらに、

おお😳😳もしや、あなたはMr.ガッシュ⁉️

昨季の試合でも絶妙な解説で試合を盛り上げたチームの【マネージメント統括】石橋信一さんの姿があった。私は当時お名前が分からず、勝手に『Mr.ガッシュ』とお呼びして観戦記を書いている。

そしてMr.ガッシュの右隣には、昨季ホーム試合での場内実況『レヴラジ』を担当されたレヴズ三角公志さん、さらに松本力哉選手の姿があった。

昨季も組まれたこのカード、その際もMCを担当された夏目さんは、変わらずプロの腕前を見せる。聞きやすい発声、穏やかな語り口で試合前実況はテンポ良く進んでいく。まるでFMラジオでも聴いている様に心地よい🌟🌟

この日の会場である『大久保グラウンド』は、レヴズの練習場だ。
グラウンド脇に建つ茶色の建物には、『ヤマハ発動機』のお馴染み『赤い音叉のロゴ』の下に、レヴズの青いロゴがあしらわれていた。去年の今頃は、まだ水色の『ジュビロ』ロゴだった。
今このチームは、当たり前に『レヴズ』であり、集まるファンは『レヴニスタ』と呼ばれる、一年という歳月は、このチームを大きく変貌させていた。

さて、この建物2階に人影は見えるが、そこが実況席、という訳ではなかった。実況席もなぜか屋外にあり、容赦なく吹き込む雨風で既に全員かなり濡れているらしい💦

さて、
対戦相手ウォーターガッシュは東京都昭島市をホームタウンとしている。

昭島=あきしま
この聴き慣れない地名、東京都民なら
『昭和記念公園があります。横田米軍基地も近くです。』といえば、大体その位置を把握できるだろうか。

東京駅から『特別快速青梅線直通=青梅特快』で最速47分。東京西部の基幹都市『立川=たちかわ』に隣接する東京のベッドタウンだ。
レヴズ山谷社長の生まれ故郷でもある。この夏目さんのコメントに、三角さんは本気で驚いていた💦

えっ、まさか知らなかったんですか😅

ちなみにMr.ガッシュは、レヴズ堀川隆延HC(=タッキー)と同世代、とのこと。ご経歴を確認して驚いた。Mr.ガッシュとタッキーは同窓=早稲田大学ご出身だった😳

実況席では、やはりこの二チームの『架け橋』となった1人の男性に話が及んだ。

山村亮さん

ヤマハ発動機ジュビロのレジェンド的存在でもある山村さんは、昨季からウォーターガッシュのコーチとして、自らの技を選手達に伝授している。

『変わりましたよねえ。スクラムを教えられる人あまりいませんから。選手も彼を信頼していますし、、』
Mr.ガッシュは、山村さんがチームにもたらした『変化』を口にした。

東名高速磐田ICから一路東へ、八王子ICで高速を降りるとまもなく昭島市内に入る。車ならおよそ3時間程だろうか。

鉄道なら東海道新幹線で東へ、新横浜から進路を北へ向け、横浜線と中央線経由で最短約3時間半。
 『スクラムの伝道師』として『昭島』の地を踏んだ山村さんの教えが、どこまで『本家』に通じるのか、この試合の注目はそこにもあった。

雨は一向に弱まる気配を見せない。ポールの旗は千切れんばかりに揺れ、グラウンドをぐるりと取り囲む木立は、カミーユ・コローの絵の如く深い緑が白く煙っていた。

カミーユ・コロー作『 ボッロメーオ諸島の浴女たち」
クラーク・コレクション蔵

『この後、レギュラー番組の収録があるので、、』
なんと、実況を牽引していた夏目さんは、突如ここで席を立った😨😨
そして半分途方に暮れた男3人が、雨の降り込む実況席に取り残されたのだった、、

いわば『副音声』であるレヴラジと違い、ここからは、ホストチームの実況担当三角さんが喋らなければ、映像は『無音』になる😨😨
かといって、『試合が緊迫すると何も喋らなくなるJスポーツのけーすけ』的路線を採る訳にもいかない💦

ここからは、文字通り『手探り』の実況が始まった😅
試合前に円陣を組むウォーターガッシュの選手達。黒地に鮮やかなピンクの差し色が映える。
立ち去る前の夏目さん曰く、

昭島市の市花『ツツジ』に因んだらしい。
知らなかった、昭島って躑躅の名所なのか😳

『ラグビーは雨でも嵐でもやりますから』
吹き込む雨に濡れながら、三角さんは自らを奮い立たせるかの様に、この言葉を何度か口にした。ふと思う。ラグビー草創期の日本人は何か勘違いしていたかもしれない💦
イングランドは、一年の半分、ほぼ毎日糸を引く様な雨が降ったりやんだりする。しかし、日本みたいに『土砂降り』になることは滅多にない。だから雨でも試合を『する』し、『できる』のだ、、、
降りしきる雨は、画面からも判別できるほど空からくっきりと白い糸を引き、何度も煉瓦色のタオルが画面上に現れ、グルグルと円を描いてレンズの水滴を拭っていた。

試合が始まった。

3.前半〜アメニモマケズ〜

それにしても、、ラグビーは格闘技だ😳😳
昨晩見たサッカー日本代表の試合⚽️
何度も『デュエル』なる選手同士のボールを巡る格闘にヒヤリ😨としたが、ラグビーのコンタクトはその比ではない🔥🔥
サッカーよりむしろ大相撲に近い位だ🔥🔥

レヴズはパワーで早くもウォーターガッシュをゴールライン際まで追い詰めトライを狙う。

『簡単には取らせないよ❗️』

Mr.ガッシュが思わず声を上げた。しかしレヴズは、スクラムで押し込んでからボールを右に回し、最後は大外右で待っていたキーガン・ファリア選手が余裕を持ってゴールラインを越えた。

前半早々 早くもレヴズトライ🌟🌟

とはいえ、勢いを増す風雨にレヴズ選手も手こずっていた。ラインアウトのボールがまっすぐ入らない。スクラムもまだ相手との間合いを読みきれていないのか、この雨では手も相当滑るだろう。

ウォーターガッシュも負けていない。果敢な飛び出しを見せレヴズ陣内ゴールラインに迫る。
 実は、ここからがこのチームの課題らしい。『トライを取り切る決定力』をMr.ガッシュは課題として挙げた上で

『今日はトライを二つ』
という目標を口にした。いや、早くも一つ達成しそうな勢いだ😳😳

しかしレヴズのパワーに屈し、結局ここでは得点ならず、逆に清原選手の絶妙なキックもあり再びレヴズは陣地を回復、得点のチャンスを得る。

 ラインアウトからパスは左へ、最後は白井選手が1人2人と次々相手を振り切りトライを決めてみせた🌟

その後ウォーターガッシュはFW最前列を交代、次第にスクラムが安定してくる。

レヴズ陣内でのスクラム、その前に飲水タイムが入ったようだ。選手達に声をかける山村さんの姿があった。

『組んだ時の形から綺麗ですよね』

実況陣の松本選手はそんな趣旨の一言を口にして、ウォーターガッシュの組むスクラムに感心していた。このスクラム、勝負自体は本家レヴズが勝ったが、山村さんによるチームの進化を実況陣はしみじみと感じているようだ。

気がつくと0ー14のまま前半30分が経過しようとしていた。
『そこ、空いてる❗️』
Mr.ガッシュの指摘を待つまでもなく、ウォーターガッシュFB菅沼選手は絶妙な位置にボールを蹴り出し50/22なる新ルールを引き出してみせた🌟🌟

しかし、敵陣でのマイボールラインアウトという好機を活かせない。レヴズのパワーに屈しペナルティー、再びレヴズは陣地を挽回する。
 そしてマイボールのラインアウトから田上選手を経てボールをもらったツイタマ選手は、矢のように敵をすり抜け左ライン際を激走❗️そのままトライを決めてきた🌟🌟

清原選手も、ここまでCGを三本全て成功させた。

ここでなぜか画像が静止した。その後レヴズはさらに得点したらしいが、、

0-28  で前半終了。

未だMr.ガッシュの『目標』は達成されていない。『昭島の三苫』は後半現れるだろうか。

4.後半〜朝日が昇る前に〜

雨と風は激しくなるばかりだった。
選手達のエネルギーは普段以上に消耗していたのだろう。
先に大きくメンバー交代を行なっていたウォーターガッシュは一気呵成に攻勢に出た。
後半早々、フィジカルの強いファカイ選手が飛び出す、そのまま行くか、と思いきやキックでボールを前にだした。

『まさか、まさかのファカイのチョン蹴り出ましたね。』
Mr.ガッシュは意外なプレー選択に驚いた様だった。
ラグビーには、『孤立』『サポート』という用語がよく飛び出す。サッカー日本代表伊東純也の如く1人で飛び出すのは、必ずしも得策ではないらしい。
 しかし、ウォーターガッシュはさらなる攻勢に出る。前に前にでるウォーターガッシュ🔥🔥レヴズは止め切れるか🔥🔥
レフリーの手が上がった😳
クリタウォーターガッシュ昭島 初トライ🌟

『やったぜ❗️』
Mr.ガッシュもご満悦の様子だ。
しかし、好事魔多し。
『あー、危ない❗️❗️』 
画面上からはよくわからなかったが、リスタートのボールをウォーターガッシュは取り損ねたらしい。あっという間にレヴズにチャンスが訪れた。
 なんのペナルティーがあったか定かではないが、柔らかく蹴られたボールをキャッチしたツイタマ選手のトライは認められず、粘りのディフェンスを見せたウォーターガッシュは窮地を脱した。
 雨はゲリラ豪雨並みに激しくなり、選手達の姿が飛沫でぼんやりしてくるほどだ💦💦
実況陣も雨の勢いに呆然とするばかり、そもそもこの日の天気予報で野外実況を決行したことに無理がありすぎたが💦

しかし、この後3人の目が覚める様な出来事が起こる。
ペナルティーを続け攻め込まれたレヴズ。レヴズ陣内からのウォーターガッシュボールのラインアウトから、『黒とピンクの一団』は、あれよあれよと前進し、呆気ないほどスムーズにゴールライン内へとなだれこんだ🔥🔥

ウォーターガッシュ 二つ目のトライ🌟🌟

『こういう時のBKって、祈るしかないんですよね。』
三角さんはため息混じりにぼやいた。伊東選手は落胆の色を隠せず、言葉少なだ。

14ー28

これで逆に火がついたのか、レヴズは時を置かず岡崎選手のオフロードパスを受けたツイタマ選手がそのまま走り抜けトライを決めた🌟🌟

14ー35

ここからしばらく試合は膠着し、実況陣は
『今では考えられないラグビー昔話』を語り出した。
Mr.ガッシュの現役時代、ボールは皮製でなんと『牛乳』で磨くのがルールだった、との事。
『それ、臭いですよねえ😨😨』
『臭いです』
いや、ボールにカビが生えたんじゃないか😨😨
さらに、一口飲めばなんでも治る『魔法のやかん』にも話が及んだ。伊東さんは幸運にも『やかん世代』ではないとの事。

理不尽と非常識が崇められていたスポーツ界の黒歴史、この国でスポーツが『文化』になるには、あの過去を美化せず変革を決意する事が必要なのだ、おそらくは。

そんな昔話に花が咲いている間にも、ツイタマ選手はスルスルと抜け出し、この日3つ目のトライを決めた🌟🌟

その後、ウォーターガッシュの猛反撃を受けるが、高橋在人選手【渾身のタックル】でこのピンチを逃れた💦
 さらに、レヴズは自陣に攻め込まれながらも、ファウアリ選手のタックルでこぼれたボールをツイタマ選手が獲得、そのまま一気に持っていった🌟🌟

14ー49
時間はもう残り少なかった。
最後のスクラム、レヴズとウォーターガッシュはガッチリ組み合った。ジリジリと動きやがてレヴズが押される様に回り出した、、
 スクラムに組み勝ったウォーターガッシュではあったが、レヴズがトライを許すことはなかった。
そしてノーサイド

レヴズの勝利🌟🌟

豪雨の中、にもかかわらず、ボールをポロポロ取り落とす事もなく、試合は終始締まっていた。
両チームの選手達は、選手同様全身雨に打たれながらも観戦を続けたレヴニスタ、そして遥々昭島から駆けつけたであろうウォーターガッシュファンに感謝の一礼を送っていた。観客数はなんと500人近かったという。

 あの試合を襲った雲が今東京に到来したのだろうか。リビングの窓の外は滝の様に雨が落ち、雷光が轟音を立て始めていた。

〜あとがき〜

まずは今回の台風で被害に遭われた静岡県の皆様に心からお見舞い申し上げます。レヴニスタの皆様、ウォーターガッシュの選手スタッフ、ファンの皆様、無事ご自宅にお帰りになれたでしょうか。
 
ヤマハのレジェンド山村さんが日々伝えるスクラムの極意、試合を静かに見つめる山村さんと黙々とスクラムを組む選手達。試合後、主将の発した【亮さん】の一言に、チーム内での温かい繋がりを感じました。

シーズン開幕を前に、レヴズは勝ち切る強さを、ウォーターガッシュは昇格に向けての勝利そのものを渇望しています。
小見出しに使用した【朝日】とは、新シーズン開幕、さらには来年のW杯2023後に『程度の差』はあれ必ず訪れるであろう『ラグビーブーム』を指しています。

あの熱狂を自分達のものにできるか、それは『今』を積み重ねた『明日』の成果にかかっています。
両チームの更なる躍進を心からお祈りしています。

なお、トップ画に使用した写真は、ポルトガルの首都リスボンの人気スポット『発見のモニュメント』を撮影したもの。
 群像の最後尾で静かに手を合わせ祈る1人の男性がいます。
 大西洋を渡り、東洋へのキリスト教伝道に力を尽くした『聖フランシスコ・ザビエル』です。日本史の教科書でもお馴染みですね。

最後になりますが、
『聞かせるプロ』の見事な腕前を今回も披露してくださった夏目真紀子さん、
選手目線からの深いコメントを聞かせてくださった松本選手、伊東選手、
手探り、と言いつつも、実に楽しく、かつ節度ある実況を届けてくださった三角公志さん、
Jスポーツ並みの鋭いアングルと、見やすいリプレイ映像で、クオリティー高い配信を実現してくださったウォーターガッシュスタッフの皆様、
そして、
温かさと厳しさを交えたコメントで試合実況をまとめてくださったMr.ガッシュ事石橋信一さん、
楽しい試合観戦でした。心から御礼申し上げます。
























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