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【奴隷出身の哲学者】エピクテトスの幸せに生きる言葉

5代続いた古代ローマ帝国。
長く続いたこの国家の君主は、共通して皆勤勉であった事が述べられます。

皇帝は常に心の持ちようを哲学者に学ぶ。
今回はそんな皇帝の思想に影響を与えた奴隷階級出身の哲学者、エピクテトスの名言を文章化してみました。
エピクテトスは自分自身の考え方、自他の境界線との付き合い方にヒントをくれます。



“幸福への道はただ一つしかない。
意志の力でどうにもならない物事は、
悩まないことである。”

例: 交通機関や天気、天災、病気、感染症、出自、身分、といった
「自分の力ではどうにもならないトラブル」
「予測不可能な事柄が自分の目の前に立ち塞がった時」については
自分の力では解決できません。
泣いても怒っても解決にはなりません。
こういった“自分ではどうしようもない事で悩んでも「無意味」”だとエピクテトスは言います。

今日は雨が降ってる、不景気だ、
私は低収入、病を患ってしまった、友人と思っていた人が去っていってしまったといった
環境から自分のことまで、人生単位の出来事まで誰にも予測はできません。
一喜一憂して思い詰めても事態は変わらないので、
「思い悩むことは無い」とエピクテトスは背中を押してくれています。


“人生を不安にさせるのは
自分自身だ。“

例えば自分に対する指摘、あるいは悪口や批判、ネガティブなレッテルを張られた、
などを耳にしてしまったとしましょう。

この時に怒りの感情を抱いてしまった時、
あなたは一体何をしているのか。あなたの心の中で何が起こっているのか。

そう、あなたは「自分がいじめられた、辱められた、否定された」と
”解釈して“”納得した“時に
悲しみを抱き、それが怒りに転じます。

自分がそれを「自分はそうなんだ、自分は情けないんだ」と認めてしまうことが原因だとエピクテトスは分析しています。

解決策は「自分が自分のことをどう思っているか」です。
指摘が事実なら、直せば良いですが、
相手の言葉が「感情的で、相手の主観によるもの」「相手の決めつけ」であれば、それは相手の問題です。
あなたにとって関係のないことなので笑い飛ばすことだとエピクテトスはおすすめしています。
笑いはストレス発散にも良いことですから。


”君の杯が壊れた時にも、
他人の杯が壊れた時と同じ態度を
君は取らねばならない。”

ここでいう杯(さかずき)は日本のお酒を注ぐ盃、コップみたいなものです。
当時の哲学者達は水で薄めたワインで日常の雑談から哲学について語り合いました。
杯(コップ)は当時の彼らにとって一番身近なものだったのでしょう。

先程の言葉に戻りますと、「君の杯が壊れた時」=自分にとって不慮な出来事が起こっても、
他人に起こった出来事を聞くように、「客観的で冷静な態度」をとるべきだとエピクテトスはおすすめしています。

感情的に自分に起こった不幸を嘆いても、激しく当たっても、
自分の心が疲弊するだけで何一つ解決にはつながりません。
自分自身に起こった出来事に対しても、他人の話を聞いてあげている時のように
「大丈夫だよ、何とかなるよ」と声をかけてあげるのが「自然で、客観的、冷静な態度」です。
この態度を自分自身に心がけることで正しい判断ができることでしょう。



“自分自身にそう思われれば良い。
それで十分である。“

これは「他人の評価や他人の機嫌」を見て自分を満足させるのでは無く、
「自分が満足するか、納得するか」どうかに判断の軸を置く考え方です。

他人の評価や機嫌、または指示、命令に「軸を置く」のは、
他人のために生きていることになります。
感受性の高い人ほど自分の意思と乖離しているため病に陥りやすい
危険な生き方です。
エピクテトスはこの生き方は奴隷と変わらないとまで言っています。
「他人に嫌われたくない」という考えに囚われて生きるのは
自分に不幸をもたらします。


”他人と同じことをしないでいながら、
同じものを要求することはできない。“

お金持ちや出世、有名人のようになりたい!と憧れたとします。
しかし、頭の中では忙しくそうなった状態の自分を思い描いたり、
そのプランを練っていても、
現実に行動していなければお金持ちにも、有名人にも出世することもできません。

しかしエピクテトスはこうも説いています。
その地位を手に入れるために周囲に合わせて自分を曲げることで手に入れてきた人は少なくありません。
自分の好きな事をして、誰にも媚びたり諂ったり、自分を偽らずに生きる道を選んだなら、自分が本当に手に入れたい在り方を手にすることが出来るでしょう。

エピクテトスは周囲の持っているもの、恵まれているものを見る、自分と比較するのではなく、
今現在自分が持っているものを冷静に客観的に見極め、自分の納得するものを手に入れる生き方をお勧めしています。


参考動画URL 大人の学び直しTVさんより
https://youtu.be/VP3LuzL7op4

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