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キッカケになりたい。

読んでいただきありがとうございますm(_ _)m
はちです😊

この記事が一つのキッカケになれたら良いなぁと思い綴らせていただきます。
先日、先輩と家庭環境について話していた。
その話から派生して、先輩の兄の思い出話をしてくれた。

兄貴の元カノの話なんだけど…。

兄が大学生の時に彼女が出来たんだって。
出会いのきっかけはインターネットのオンラインゲーム。 チャットでやりとりしながらゲーム内のミッションを達成していくうちに仲良くなったみたい。
当時 兄は群馬県、彼女は三重県で遠距離恋愛が始まった。
お互い大学生だったので夏休みや冬休みなど長期の休みには一緒に過ごせる時間が長かった為、遠距離恋愛もさほど苦じゃなかったんだわ。
大学何年生か忘れたけど、兄が次の夏休みは実家に帰って過ごそうと思う。と彼女に言った。
彼女は、私もお邪魔して良いかな?と聞いてきた。
実家の母はフランクな人で、相談すると言うより軽い感じで、夏休み彼女と一緒に実家に行くわ。と言うと、分かった。楽しみね。と言ってくれた。


こうして母と先輩と兄と彼女の4人生活の夏休みが始まった。
先輩が彼女と初めて会った時、人当たりも良いし、礼儀も正しい。そんな人が兄の彼女。こんな事もあるもんだなぁって思った。

みんなで買い物行ったり、ご飯作ったり。
夜遅くまでトランプやゲームしたり。
夏休みという約1ヶ月間、楽しい時間を過ごした。
彼女もだんだん打ち解けてきて、1ヶ月もあれば真面目に語る時も必然と生まれる。
そんな雰囲気になった夜、彼女が

彼の実家に来られて本当に楽しい。
お母さんも弟くんも、快く受け入れてくれて本当に嬉しい。 開放された気分。ずっとここに居たい。
今まで少し苦しかったの。
私の実家は開業医をしていて、小さい頃から不自由なく育ててもらった。 お勉強も習い事もたくさんやらせてくれた。 良い成績を取る、発表会が上手に出来ると母がとても喜んでくれたの。 母の喜ぶ顔が見たくて、勉強も習い事も頑張ってきた。
けど…今はそれがプレッシャー。
母の喜ぶ顔が見たくて必死に勉強したけれど、限界を感じてる。 今より良い成績を取れる気がしない。
もう母を喜ばせる事が出来ないと思ってしまう。
勉強をする事が辛い。
と話してくれた。
それを聞いた母は、その気持ちお母さんに少し話してみたら? そして辛くなった時はココに来れば良いじゃない。 私達はあなたの味方なんだから。
こんな話でその日は終わった。


楽しい時間は早いもので、あっという間に夏休みも終わり、普段の生活が始まった。
それから数ヶ月後…2人は別れてしまった。
兄は彼女の未来を考えての事だった。
彼女はきっと家業を継ぐ。 そこへ自分みたいな奴が婿に行くなんて…。
恋愛関係では無くなったが、友達として月に1度ぐらい連絡は取り合っていた。
そんなある日、兄の携帯が鳴った。
「三重県警ですが、何か事情を知っていたらお聞かせ願いたいのですが。」
急にそんな事言われても。何が何だか分からないでいると…
「お亡くなりになりました。自殺です。 彼女の携帯履歴にあなたのお名前があったので、何か知っていればと思い電話しました。」
兄は信じられなかったし、受け入れられなかった。
急いで彼女の仲間に連絡を取り現実を知った。
事実だった。
後に告別式の日を知り、兄は三重県へ向かった。
参列はしなかったが、火葬場の煙を見ながら最後のお別れをしてきた。
後日、先輩と兄と母で思い出話をしている時に聞いたそうだ。 兄貴は何で参列しなかったの?と。
実は三重県に行く前、彼女のお母さんからも電話があって…あなたのせいで…。あなたのせいで娘は…。って言われてさ。 俺ひたすら謝ったよ。謝ることしか出来なかったよ。 そんな事言われたら会場まで行けなくなるだろ。
と答えてくれたそうだ。

悲しい思い出だが、そんな事があったと先輩が話してくれた。

この話を聞いて少し泣いた。
考えた。 彼女はずっと辛かったのだと思う。
大好きな母を喜ばせる為の「良い成績」というモノを背負っている事が。 それでしか喜ばせる事が出来ないと思っていた事が。
とても真面目な人だったと思う。 逃げ道を探さなかったのだと思う。
だからお母さんにも言えなかった気がする。 伝えるキッカケがあったなら何か変わっていたかもしれない。
事実は変えられないが、亡くなった方の思いも、亡くされた方の思いも何も変わっていない。
ひとつの命が無くなったことが無意味で終わらせてはいけない様な気がしまして、この記事を書かせていただきました。

何かを変える些細なキッカケになりますように。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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