パワハラ、いじめ…前世やカルマの一言では片付けられない「深い理由」
「僕はただ、普通に仕事をして、普通に結婚して家族を作って、ってことをやりたいだけなんです。
別に大金持ちにならなくたって、有名人にならなくたっていい。そんなに特別なことじゃなくて、普通のことがしたいだけなんです」
身の上語りの中で、瑛人くんは平凡な幸せへの憧れを口にしたことがありました。
それすらも叶わない自分は呪われているのかもしれない……。
そんなことを言いながらも 女性に対してはかなり潔癖な姿勢を見せる瑛人くんでしたが、
後に私はその理由と共に、彼が激しいPTSDに苦しんでいたことを知ったのです。
今回のお話は、瑛人くんが自死を考えるに至った、とても重い内容になります。そのため後半部分は袋とじの意味で有料記事とさせて頂きました。
あまりに重すぎる内容は苦手だという方は、前半部分だけお目通し頂ければ幸いです。
男性からの暴力やストーカー行為に翻弄された私の家系の女性たち
以前、デモンストレーションの会場に花魁が現れて、クリアファイルのようなアルバムに入った「私の家系の女性たちの写真」を見せられた、という話を書きました。
この時「私の家系の女性」と聞いて真っ先に思い浮かんだのは祖母と母で、
二人ともサイキックであり、男性からの暴力や性的搾取、ストーカー行為に悩まされるという色情因縁に翻弄された人生でした。
なのでこの時は、花魁という性の奴隷、
「力ある者によって女性性を搾取されることに苦しんできた存在」が現れてメッセージを伝えてくるなんて、
いかにも相応しいシチュエーションだなという気がしました。
でも実は、これは私と瑛人くんにとっても「出会いの意味を物語る大きな伏線」だったことを、
それから十年近くを経て知ることになるのです。
誰もいないはずの隣の部屋から、ドンと大きな音がした
統合失調症の診断を受けていたという瑛人くんは、最初に私のところに来た時にこんなことを言いました。
「周りに心霊現象が起こるんです。それが本当なのかどうか、占い師に聞けば分かると思って」
「心霊現象って、例えばどんな?」
「ポルターガイストみたいなことが起きます。傘立ての中の傘が跳ねたりとか……」
そう言っている側から、誰もいないはずの隣の部屋の壁がドンと大きな音を立てました。
「ああ、全部がそうかどうかは分からないけど、今のは(壁の音は)完全にそっち系だよね」
彼のホロスコープを見ながら、私は彼が相当なサイキック(第六感の持ち主)であることを指摘しました。
「だからそういう現象を引き寄せちゃうし、自分からも発する傾向があるね。これはお母さんからの遺伝」
そんな私の言葉に深く納得した面持ちで、彼はそれから少しずつ、ずっと疑問に思っていたことを口にし始めてくれたのです。
占いを信じない彼に手を焼き、スピリットガイドに協力を仰いだ
とはいえ、根強い人間不信を抱えていた彼は、占いのクライアントとしてはとても扱いにくいタイプだと言わざるを得ませんでした。
出た結果に対しても、いつも一々根拠を求めましたし、
「タロット占いは偶然の産物なのであまり信じられない、占星術には少し納得できるものはあるけど」ということを平然と言ってのけたりもしました。
それでも「僕はいつかは死ぬつもりです」などという彼の言葉を肯定する訳にもいかず、
いささか閉口した私は、少しだけ彼のスピリットガイド(指導霊)に協力を仰ぎたいと思いました。
そこで、普段はやらないミディアムシップを例外的に行うことにしたのです。
――その時現れたのは、男性と女性の二人組のスピリットガイドでした。
私が彼らの様子を描写すると、瑛人くんは意外にもすんなりとそれを信じてくれたので、ホッとしました。
東京に戻りたいと言う彼に、隠遁生活を勧めるスピリットガイドたち
瑛人くんは、東京生活半ばで山梨にUターンしたことを、とても悔しがっていました。そして「いつかはまた東京に戻れるのか?」ということを知りたがっていました。
それに対し、彼のスピリットガイドは「隠遁生活をするように」というメッセージを伝えてきました。
人と関わらず、山梨の水に集中することで浄化ができるから、と。
「あと、銀河連合軍?……何でこんな言葉が出てくるのか分からないけど。ちょっと厨二っぽいね(笑)」
そして見せられたのは、彼の過去世と思われる場面でした。
一人で小さな子供を抱え、中世ヨーロッパで貧困に苦しむ女性。
弱い者が虐げられ、権力を持つ者が君臨することへの怒りを抱えながら、生き抜くために必死だった貧しい暮らしぶり。
「男性からの性的搾取も受けていたみたいだね。レイプとか……。今世では今の状況を乗り越えて、自分の体験を活かして、そうした弱い人々を助ける天命があるみたい」
瑛人くんはこの時、黙って私の言葉を聞いていましたが、一言だけ
「人を助けるとか、ムリって感じですね。むしろ自分の方こそ助けられたい」というようなことを口にしました。
この時はまだ会って間もない頃で、彼の置かれていた背景などは、私はほとんど知りませんでした。
でも実は、この時の鑑定内容は、彼にとってはかなり「核心に触れるもの」であったようです。
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