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【第48回】「コロナ時代の僕らの場づくり」

第一線で活躍しているクリエイターをゲストに迎え、クリエイティブのヒントを探るトークセミナーシリーズ「CREATORS FILE」。

第48回 クリエイティブナイト
ゲスト:横石崇氏(&Co.,Ltd.代表取締役/Tokyo Work Design Weekオーガナイザー)

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今回は、国内最大規模の働き方の祭典「Tokyo Work Design Week」のオーガナイザーを務めるなど、新しい働き方の創出を軸に活躍されている&Co.,Ltd.代表の横石崇氏を迎えて、「コロナ時代の僕らの場づくり」をテーマにその思考法や仕事術を紐解きます。

1,000万人から1人へ

西澤:横石さん、今日はよろしくお願いします。まずは自己紹介を交えたプレゼンテーションをお願いいたします。

横石:僕は「&Co.,Ltd.(株式会社アンドコー)」という会社を2016年に立ち上げました。「Tiffany&Co.」の後ろの「&Co.」は、「ティファニーさんと仲間たち」という「カンパニー」の略です。だから僕は「誰かの1人目の仲間になりたい」という思いを込めて、その後ろの部分を採用しました。主体性のない名前だとよく言われますが、そういう意味も含めて活動しています。ところが、これだけ話しても「何の仕事してんねん」とたくさんの方に言われます(笑)。『自己紹介2.0』という自己紹介の本も書いていますが、未だに自分の自己紹介で満足したことはありません。

西澤:著者なのに(笑)。

横石:自己紹介が苦手だから研究して書籍化したんですけどね。それはさておき、自己紹介で一番やっちゃいけないスライドがこれですね。


〈当日のスライド画像より〉自己紹介

西澤:略歴が長い(爆笑)

横石:見づらいし頭に入ってこないですよね。あと、先日の西澤さんとの事前打ち合わせのときに「いつも使っている自己紹介スライドを見せてほしいねん」って言われたのでお見せしたんですよ。そしたら「横石さん、こんなんやったらあかーん」って言われて。

西澤:スライドが極端に少なかったんですよ。

横石:3枚でしたからね。やっぱり自己紹介するの苦手なんですよね。「ちゃんと今までの経緯含めて教えて」と言われたので、こしらえて持ってきました。

横石:まずは略歴です。多摩美術大学を卒業していますが、美大のなかでも絵が描けない「芸術学部」の出身なんです。

西澤:ええっ、絵が描けないんですか。

横石:芸術学部は展覧会をつくるキュレーターや批評家を育成する学部です。なので、クリエイターかどうかと言われると定かではありませんね……。学生時代は、学園祭『芸術祭』の実行委員長をしていました。お祭りや展覧会がそうですが、自分がつくるんじゃなくて、点と点を線にして面にしていくようなことができたらいいなと、当時から考えていました。

西澤:なるほど。

横石:そして、20代で会社経営をすることになったんですよね。Yahoo!JAPANと制作した「X BRANDS(エックスブランド)」というサービス運営です。2008年に立ち上げたもので、雑誌30誌ぐらいをデジタルコンテンツ化していました。当時の閲覧者数で月間1,000万人、PVは月1億回を記録した大規模なサイトの立ち上げと運営です。羽振りがよかったせいか、当時は“ヤンエグ(ヤングエグゼクティブの略称)”というあだ名をつけられていて……。

西澤:「青年実業家です」って感じですね(笑)。

横石:嫌なヤツだったかもしれません。でも「月に1,000万人がサイトを見にきているんだ」「月1億PVある」と自慢していたのですが、2011年の東日本大震災を機に人生観が変わりました。大災害が起きても、目の前で困っている人の役に立つことができない。顔も知らない1,000万人に何かを届けることよりも、もっと大事にすべきものがあると思い至って「&Co.,Ltd.」を立ち上げました。目の前の1人の人生を変えるために、もっと寄り添いたい。「1,000万人から1人」を考えるようになったのです。今までの自分のものさしが変わったタイミングでした。

働き方のフジロック〜Tokyo Work Design Week〜

横石:東日本大震災を機に、「Tokyo Work Design Week」という働き方の祭典をスタートし、2012年から7年間で、合計3万人の方にご来場いただきました。「働き方のフジロックフェスティバルをやりたいんだ!」と、いろんな人に話していました。

〈当日のスライド画像より〉

西澤:わかりやすいですね。
横石:今でこそそう言っていただけますが、当時の世間の反応は冷たいものでしたよ。
西澤:「働き方はフジロックじゃないよね」で、終わりですね(笑)。
横石:そうなんです。当時は雇用不足などの暗い話題が多かったので、よりポジティブになれる働き方の出会いや地図を作れないかなと思っていました。
西澤:始めたきっかけはあったのでしょうか。
横石:僕自身は1978年生まれで、超がつく就職氷河期世代です。仕事やキャリアについてはどの世代よりも悩んできた世代だと思います。どんだけ努力しても報われない地代ですから。会社を辞めたタイミングでまわりを見渡してみたら、「日本仕事百貨」のナカムラケンタくんや「NPO greenz」の兼松佳宏くんなど、おもしろい働き方を実践している同世代がいっぱいいて、僕らの世代で何かできることはないかと声をかけて立ち上げたのでした。おかげさまで、今は世代を問わず20代から60代までたくさんの方に来ていただけるイベントに成長しました。渋谷から始まり、大阪、熊本など日本全国へと展開し、一昨年からは韓国・ソウルで「Seoul Work Design Week」を開催しています。
西澤:世界ですか!
横石:新しい働き方の波が世界的に広がっているのはおもしろい現象ですね。

現代の百姓になりたい

西澤:今はご自宅でお仕事されているんですか。
横石:そうですね。「ワークライフバランス」と言われていたものが、今「ワークライフブレンド」になっていて、ワークもライフも境目がなくなった。もっと混ぜこぜになっていると思うんです。自宅を仕事場のひとつにするのは今までできそうで、できなかったので、すごく楽しんでやっています。


\ 引き続き、横石さんのコロナ時代の場づくりに迫ります /
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「CREATORS FILE」をまとめて見るには、こちら(外部サイト)



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