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梅雨がくると思い出す

梅雨ですね。次女が、もうすぐ「秋」なのかと聞いてきました。

こんばんは。みつばです。

「春」がいつの間にか終わってた!?と、今更驚いている次女に、私が驚きました。

今年は「春」の間、巣ごもりしていたしね。桜なんて、ロクに見てないしね。「春」を感じれなかったよね。

けど「秋」ってなに!「夏」はどこいった!

「梅雨」は季節じゃなくて、季語、というか、時期というか。うーん。8歳にどう説明したら良いのか。

「1年でいちばん、たくさん雨が降る季節」


だよね。「じゃあ、今、夏なん?」

まぁ、夏の始まりで、一般的には「初夏」って言うんだけど...モニョモニョ

季節の境目なんて、ハッキリしてないから気になるところです。暑かったり寒かったりする梅雨は、どっちなんだろう?

ここから先は、小説風に書きます。みつば家、ノンフィクションのドラマです。お見逃しなく!(笑)

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梅雨がくると思い出す

6年前の梅雨。長女がまだ小学1年生のときのことです。今住んでいるところとは別の、小高い山の中腹あたりの一軒家を借りて、住んでいました。お隣の家は、木造の壁が剥がれたりして、傷んでおり、誰も住んでいない、一軒家。逆隣は空き地で、その向こうには、瓦の屋根にポッカリ穴が空いているほどの、古い一軒家です。こちらも、誰も住んではいません。

そんな空き家ばかりの、山の中ですが、2軒隣には、ちゃんと人が住んでいる家もあり、山を少し下れば、アパートや住宅街がありました。

なんと、小学校は、徒歩1分程度の距離にありましたが、残念ながら、子どもたちはいつも数分、遅刻していました。

そんな小さな町には、町内会という自治体のしきたりがあります。町内会長のMさんは、とても気さくで子どもたちがお好きなようです。我が子たちもMさんを慕っていました。

そんな町のしきたりの1つを紹介します。それは、月にいちどの草むしりです。9時から始まるはずなのに、ご近所さんは朝早くから張り切って、準備をしていました。

自治体の多くは、お年寄りの住むご家庭です。成人部門の最年少は30代前半の私で、子ども部門の最年少は、うちの4人の兄弟姉妹の末っ子でした。

まだ幼い子どもたちは、危ないので草むしりに参加できません。私も、子どもたちを置いて家を出るのは気が引けるので、なかなか参加できずにいました。

そんな中、隣の空き地を抜け、屋根に穴の空いた家の前までの小道が、大量の草に覆われてしまっていることに気づきました。

そこの道が使えるようになれば、きっとご近所さんも喜ぶことでしょう。

ちょうど、玄関横の小窓からも、2階に上がれば、階段横と、その先の部屋から、私の姿は確認できます。窓を開ければ、声も聞こえます。

家の安全を確認して、下の子どもたちの面倒を、長女にお願いしました。何かあれば、呼んでね!と。

私は、草むしりをしよう!と張り切って、外に出ました。そして、私は黙々と草むしりを始めました。たまに小さなクワを使って、諦めの悪い草を根こそぎ、抜きました。

そんな中、雨が、ポツリポツリと降り出してきたのです。これは、雨が激しくなるかもしれない。けれど、ここで辞めてしまったら、次はいつできるのだろう、と考え、私は少しの雨くらいなら大丈夫!と、自慢の集中力で乗り切ろうとしました。

「雨あめ降れふれ♪」

突然、長女が窓を開けて、歌い出しました。そして、私は次の瞬間、脱力しました。

「もっと降れ~♪」

ちょっと待って。私!今!外で!草むしり!してるよね?!

「それはひどいよー。ママまだ、草むしり終わってないー」

私が長女の顔が見える窓に向かって言います。

すると、大きな笑い声と共に、さらに大きな声で、

「雨あめ降れふれ、もっと降れ~!」

楽しそうです。そして、長女による、母の扱いが酷いです。

そんな歌声に乗せるように、雨は降り続きます。そして、さらに雨が強くなった気さえしました。

何とか、草むしりを終えて、すぐにシャワーを浴びて身体を温め、2階の窓から空き地を見ると、綺麗な小道が1本、出来上がっていました。その時の達成感は、何とも表現しきれません。とにかく嬉しかったです。

そして、大変、喜んでくださったのは、2軒隣のご主人でした。通勤の際に、駐車場への近道に使ってくださいました。

子どもたちも、いつもの道を下って、ぐるっと回って、私の作った道から登ってきては、一周できると喜んで、お散歩していました。

実は、町内会の草むしりは、参加すると特典がもらえます。私が、草むしりをしている間に、いつの間にか、長女が受け取っていました。

それは、パンとジュースです。なぜか、子どもたちの分を含めて、家族分いただきました。子どもたちは先に食べてしまっていて、袋だけが取り残され、私の分のジュースまで飲まれていました。残念です。

山を下るとアスファルトの道があります。その一角に集められた草が、専用のビニール袋に詰め込まれ、一箇所にまとめられている様は圧巻です。

毎年、紫陽花の咲き誇る、梅雨になると、どこかからともなく、聞こえてくる気がします。

(雨あめ降れふれ、もっと降れ~♪♪)

おしまい。

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