中国ベンチャーに学ぶ・捌「”属性”から”行動”へ」

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🔳変化するマーケティングは「”属性”から”行動”へ」

近年の中国企業の大躍進の裏には、「データ収集」が重要なキーワードとして隠れています。急成長を果たしているベンチャーや企業の多くの特徴は、いずれもIT(情報テクノロジー)からDT(データテクノロジー)へと転換を図ることで、結果的に質の高いサービスやプロダクトを提供し、ユーザーには利便性と満足度を提供することができているのです。

オンラインでの生活ログを解析することで、ユーザー個人個人が、”いつ・どこで・何を・どこから・どれぐらい・購入したのか”がデータとして蓄積されていきます。その情報を元にしたサービスやプロダクトが更に購入機会に繋がるように設計され、ユーザーへと提供されていくことで、情報としても角度としても信頼性が高く最適化されたサービス提供が可能となるのです。

昨年2月に、米国ビジネス誌『Fast Company』が毎年発表している2019年の最も革新的な企業ランキング ”(Most Innovative Companies 2019)が公開されました。

この時、一位に輝いたのが美団点評(Meituan Dianping / メイチュアン・ディアンピン)です。中国でナンバーワンシェアを誇るフードデリバリー事業で成功を収め、2020年2月6日時点の時価総額は5915億香港ドル(約8兆3750億円)となり、中国テクノロジー業界最大手3社のBATのうちBaidu(百度)を追い抜きました。ユーザー数6億人、月間アクティブユーザー2.5億人と、中国テック界で、最も勢いのある企業の一つです。今回のコロナの打撃を相当受けながらも、オンラインでのフードデリバリー加盟店の経営支援にリソースを投入し、2025年には注文件数を1日当たり1億件(!)目標としている、巨大テック企業なのです。

アリババ集団と騰訊控股(テンセント)に次ぐ中国プラットフォーマーとして存在感を高めており、柱となるフードデリバリー以外にもレストランの評価サイトや(食べログのような)、ライドシェア、ホテル・旅行サービス、映画チケット販売など、人々の生活に根差した様々なサービスを展開しているのが特徴です。実は、美団点評が提供するのはこの生活に寄り添ったプラットフォームであり、ユーザーニーズを的確にサービスとして提供し、消費者に届けることで、ユーザーと企業を「マッチング」しているのです。ITからDTへとデータ収集の転換を図ったことが、ここに大きく関わっています

ちなみに、永井竜之介さんの著書、
「リープ・マーケティング 中国ベンチャーに学ぶ新時代の「広め方」 」
フードデリバリーが盛り上がり始めた2013年当時、学生ベンチャーのウーラマが開拓した市場を「ウーラマより広範囲かつ、口コミサイトを追加したサービスとして、ウーラマのコピーをベースに飛躍させた形」が美団点評だと紹介されています。

例えコピーが原点だったとして、現在の美団点評を見れば、"それが全て良くない訳ではない"ことが証明されているのではないでしょうか。むしろ、

”本家のモデルを完全にコピーしたうえで、本家よりも充実したサービスにすることができれば、それが王道だ”(美団点評CEO王興)

という、本家を超えて尚王道になると信じて疑わない”芯の強さ”は、日本人が見倣ってでも挑戦してみるべきマインドなのではないかと思うのです。


中国のマーケティングは、これまでの「属性データをベースに考える」マーケティングから、「行動データをベースに考える」方向に変化しています。

今までは「属性」を重視した分析を行っていました。日本ではまだまだ今でも属性ベースの分析が多いのではないかと思います。

年齢、性別、住んでいる地域、職業、年収、趣味嗜好や考え方、成長過程で体験した人生イベント、どのような家族構成をしていて、どのような人間関係があるかですとか、平日は何をして週末は何をして、お金は特に何に使っていて、などあらゆるシミュレーションを通して予測したペルソナを設定し、それに合わせて最適なプロダクトやサービスを考案し、提供するスタイルです。

しかし、ICTの発展がもたらした恩恵により、今や個人情報はもっと具体的で緻密なコミュニケーションの最適化をもたらす時代となりました。個人個人の行動をベースとしたデータ解析により、最適なタイミングで最適なデジタルコミュニケーションを提供することが可能となったのです。

設問に回答するといった既出のアナログなアンケート形式ではなく、いつどこで何に接触し何に反応し何を購買したのか、どのようなアクションをとったのかが、1人ひとりの行動ログから解析することで、個々に最も良い形でコミュニケーションを促進することが出来るのです。数々の提案から最も好みの選択をさせ、アクセスさせることで更なるビジネスチャンスを広げることが容易となりました。

そうしたデジタルトランスフォーメーションが生活により浸透したことが、消費者の購買を促進することに繋がった訳ですが、そもそも多くの人がアクセスして集まる場所が軸としてなければ、これほどまでに市場が活性化することもなかったのかもしれません。

ですから、アリババ集団や騰訊控股が展開したように、美団点評のプラットフォーマー型戦略は、この上なく優れた勝つための企業戦略だったと言えます。

どれだけ多くユーザーとの接点を持ち、行動データを取得し、高頻度にアップデートできるかどうかが重要になります。逆に高頻度にユーザーとのタッチポイントを築けなければ、データとしてビジネスで活用するのが難しいと言えます。

大切なことは、あくまで顧客視点でどんな体験を提供すれば価値を創出できるのか、より顧客価値を高めるために必要なデータを考えることなのです。

マーケティングは顧客創造と市場活性ですから、「どのような提供価値をもたらすことが出来れば、欲しいデータを手に入れられるか」に繋がります。

全てのサービスは顧客のニーズがあるから存在しています。ですから、より満足してもらえる環境、商品、サービスを提供するためにも、その解決策の手段として行動データ分析とそこから購買に繋げる動線の導入、つまりOMO(Online Merges Offline)プラットフォームを展開しているのです。

<続く>

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