応援は伝播する

お疲れ様です、+9んです。
今日は「応援は伝播する」というテーマでお話させていただきたいと思います。

応援の対価

新型コロナウィルスの影響で、全国のあちこちでキャッシュフローが悪化していく中、クラウドファンディングで支援を求める活動が日に日に増えています。

主だったクラウドファンディングサイトをざっと見てみると、これだけ"多くの助けを求める声"が上がっているにも関わらず、たくさんの支援金が集まっていることに、少なからず驚きと、まだまだ捨てたもんじゃないという変な安心感を抱きました。

緊急事態宣言以前より、感染拡大の視点から直接名指しで実質営業停止に追い込まれたに等しいお店や業態が多くありますが、ライブハウスもその典型例です。

実際、感染者の発生とその感染経緯が何度もニュースで取り上げられたことからもわかるように「一たびライブハウスに行けばかなりの高い確率でウィルスに感染する」とさえ思われていた時期がありました。

半分正解で半分不正解のような、白と黒では決めきれないグレーゾーンは、不明確な原因と誇張された事実によりあちこちに生じてしまいがちです。

タワーレコードが旗振りをする、国内の主なイベンターと協力して全国のライブハウスを支援するプロジェクト「LIVE FORCE, LIVE HOUSE.(通称LFLH)」では、1個3,000円のピンバッジを購入することが支援になります。

ピンバッジ購入者は自分が支援したい具体的なライブハウス名を全国から選ぶことが可能で、指名を受けたライブハウスはピンバッジ代を支援金として受け取れる仕組みです。

最終的に集まった支援金が各ライブハウスに送られるのですが、第1弾として4/27から4/30の3日間で7,300万円もの支援金が集まりました。1人1個購入したと仮定しても、24,000人が賛同したことになります。第2弾がまもなく始まりますので、億単位の支援が実現するプロジェクトになるでしょう。

このプロジェクトが成功している点を私なりに考えてみたのですが、
・支援そのものの透明性を保っている
・業界のネットワークを活かしている
・著名なアーティストの声を借りてファンに直接呼びかけている
・全国であらゆるライブイベントが開催中止/延期になっている
・ライブイベントで鉄板のイベントグッズの販売を活用している
・ピンバッジを身につけることがステータスになる(他者への誇示と承認)
など、色々と要因が考えられます。

が、一番のポイントはシンプルに

音楽が好きなファンがライブハウスを応援したいと思っている

ということです。

ソフトコンテンツとしては音楽が売れない時期が随分と長く続いており、業界そもものの低迷が危ぶまれて久しいですが、それとは裏腹にライブイベントとその周辺ビジネスがここ10年は音楽業界を支えているのが実情です。

なぜ、いわば音楽の周辺ビジネスであるライブイベントやグッズ販売がずっと好調だったのでしょうか。

それは、

音楽には人を元気にするパワーがあり
ライブはその元気を何十・何百倍にも増幅できるパワーがある

からです。

ライブもグッズも無償で提供されるサービスではありません。

会場手配に始まり、舞台設置、音響、照明、機材搬入、イベント進行といった運営から制作まで。

そして飲食の販売や物販などのホスピタリティの提供、と本番を迎えるまでに人も時間もお金もかけているのです。

その上で100%以上のパフォーマンスをやってのけています。

これには、相当パワー=元気が必要です。

一方で、ライブに参加するファンは会場までの移動費や宿泊費、チケット代、飲食代、グッズ購入費と1度のライブに参加するにあたり、こちらもそれなりのコストを覚悟して楽しんでいます。

お金のことばかり気にしていてはライブを心から楽しめませんから、やはり随分とパワー=元気がある人たちが会場には詰めかけているのでしょう。

つまり、音楽を提供する側と享受する側がお互いその日だけの特別な時間を心底楽しむ為に、皆で元気を持ち寄っている場所それがライブなのです。

元気と元気がぶつかり合うので、ライブ空間で得られるパワーはとてつもなく大きな力となって、膨れ上がったとびっきりの”元気”をお互いに得ることができるのだと思います。

音楽が好きな人たちは、きっとそんな自分たちが心地よく楽しめる"元気になれる場所"が必要なのだと思います。

自分が貰った元気を大好きなライブハウスに返したい、という気持ちを"支援=応援"という形に変えているのではないでしょうか。

応援の条件

誰かを応援することに、必要な条件などはありません。

年齢制限も、家族構成も、住む国や地域も、育った環境も、持ち合わせている価値観も、就いている仕事も、稼いでいる収入額も、SNSのフォロワー数も、何を信じているかの信仰心も、昨日の夜に何を食べたのかも、趣味も。

過去に何があったのかだとか、仕事の実績が特にないだとか、昨日恋人と別れただとか、あらゆることに関係なく人は誰かを応援することができます

応援する心は、何ら強制力も政治力も抑止力も、外圧が届かないところで、自由に生まれます。応援したいと思えば、その時点で気持ちが宿っているのです。

では、どういう時に人は誰かを応援したくなるのでしょうか。

自分の目標に向かって頑張っている人だったり、目の前の試練に立ち向かっている人だったり、何か困難と闘っている人だったり。

きっとそこには様々な姿形がありますが、"この人のこと応援したい"と思わせられる人には、共通して強いエネルギーとポジティブさを感じます。

つまり「元気な人」ほど不思議と応援したいと思われるのです。

なぜなのでしょう。

元気な人は、心が前向きです。

何事も前向きに物事を捉えることができる人は、強い自分の意志と行動で、周りの人を巻き込んでいく大きな力を発信しているのです。

たまに落ち込むこともあるでしょうが、前向きに物事を捉えることができるので、人生をポジティブに生きていける人が多いのではないかと思います。

そんな元気を発信するポジティブな人に巻き込まれた人たちは、知らず知らずその人のエネルギーに吸い寄せられるように気持ちが引き込まれていき、その人を応援したくなるのです。

元気な人に会うと、不思議と元気を貰えます

逆に、こちらに元気があれば、元気がない人に少しは元気を分けてあげることができるかもしれません。

応援されること、応援すること。

それは、元気の伝播なのではないかと思うのです。


貴重な時間を使って最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
あなたとあなたの周りの大切な人にとって、
今日も素敵な時間が訪れますように。

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