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「この世界の片隅に」とはどういう作品だったか/最後に心に残るものは何かの考察(雑感?)(内容のネタバレなし)

「この世界の片隅に」を観終わった際に泣きながら、何か大きな、処理しきれないものを感じた。

そしてこの文章をご覧になっているという事はその感情を知りたい、合っているか確かめたいと感じているだろう。また身近な人間にこの時代の事を聞いたりしたのではないだろうか。

複数回足を運びながら何となく上記のような情動に関して雑感めいた物が浮かんだので残しておきたい。

予告やレビューと観賞後の感覚の乖離

 人に「この映画はどうだった?」とか逆に「この映画はこうだった。」とか会話する機会があると思う。

 その際に皆さんは何を説明するだろうか。

  ・日常の描写が細かい。

  ・戦争描写や音響が圧倒的である。

  ・声優がハマっている。

 実際その通りの映画だと思う。予告編とかも大体上記のようなものを押していると思う。

 ただ観終わった人はそれで言葉が足りているとは感じてないと私は思っている。

 映画を思い出す際には上記の事を思い出すが、テーマは?どうだった?と聞かれたらそれらが枝葉末節だと思えるからだ。

 この映画にはそういう乖離があり、そのため皆それぞれの感想を述べていると思う。

 

 ※以下は内容に関しては触れませんが、どのような手法だったかに関しては触れております。

※これは映画ではない

 いきなり暴論だが、映画は皆さんどのように観ているだろうか?

 意外なストーリー展開、壮大な伏線、自己投影を呼ぶ心理描写。全てが集約する結末。

私も冒頭はそのような事を気にしてすずの気持ちや伏線に迫るようなカメラワークがないか気にしていた。ただご覧になった方はそのような見方が野暮だと思うだろう。

もちろん全くないとはいえないが、観賞者の意識を向けるような作りをしてないため、どちらかといえば原作漫画への愛故に描かれていると感じた。

よくある映画のように観たら少し違った。

だからよくある映画のように見所を捉えたり伝えたりするのは検討が違う。

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