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今までに私が勤めていたことのあるブラック企業について

書こうと思ったのだけれど、別の記事では筆者の職業(業種)についてある程度開示しているから、万が一にも特定されたら怖いなあ・・・。
と、思いつつも、微妙にフェイクを入れながら書いていくことにする。

少しだけ前置きをば。
多様性が声高に歌われる昨今では、言葉の定義がとてもあやふやになってきたように感じる。輪郭がぼやけてきているというか。
一口に恋愛と言っても、愛なのか、恋なのか、打算なのか、性欲なのか、友情の延長なのか、友情とは似て非なるものなのか・・・などなど、その単語が持つ意味には幅広いグラデーションがある。
同じように、例えば「機能不全家庭」とか「毒親」とか、あるいは「いじめ」だとか「ブラック企業」だとかに関しても同じことが言える。

同じ環境にいて、同じ体験をしていても、それをつらいと感じる人もいればそうではない人もいる。
「自分はドン底にいる」と落ち込む人も、「自分なんてまだましな方だ」と感じる人もいるし、自分の状況・状態に名前を付けたい人もいれば、そうではない人もいる。

そういう意味で、これから書く内容を読んで、「そんなの全然ブラックとは言えないじゃん!」と思う読者もいると思うし、「ひどい環境で務めてきたんだね・・・」って思う読者もいると思うのだけれど。
この記事では決して、「これが普通」「この価値観が当然」ということが言いたいわけではなく、一個人の体験の記録として、ある意味備忘録のような感じで書き留めているだけである。
ケース1、と言った感じで軽く読んでいただければ幸いである。

ちなみにだが、筆者としては、今ままで務めていた会社について「あれはブラック企業だったなあ」と感じることはあるものの、ニュースやSNSで耳にするような、超絶・人権無視・クソヤバ企業だと感じたことはほとんどない。
世界中でブラック企業の統計を取った場合は、やや軽度くらいに位置するレベルであると認識してるよ。

前置きが長くなってしまったがけれど、とりあえず2例、紹介したいと思う。

その1:一族経営・お気持ち重視社


表題の通り、この会社は社長を含む上層部がみんな血縁関係者であり、その下に、上層部のお気に入りであるところの中堅社員が存在した。
その中堅社員と言うのはまあ、上層部の愛人だったり、同じ宗教に属する信者仲間であったり、そんな感じだ。

社長のご子息が代々その椅子を継いでやってきているわけだから、トップが現場を知らないぬくぬく坊ちゃんであるというよくあるパターンだ。
社長はこんなことがやりたいな~!という新規事業に手を出しては、少しだけかじり、後は現場に丸投げする。
今までに培ってきた土台があるから、多少失敗してもまあ問題はないし、成功したらお手柄だし、こっちはお気に入りを囲って楽しくやっておくから、現場のみんなは頑張ってね~!といった様相なのである。

企業としては、日本ではよくあるパターンなのではないだろうか。
ここまでは別にブラック企業というほどのことではなく、ああ腐った会社なんだなあという感じなのだが、現場の人間の働き方はまあ、当然の如くブラック寄りのものになってしまう。
末端に行けば行くほど上層部の管理が届かない(放置される)ことになるので、新入社員を雇おうが、新規事業を立ち上げようが、その教育や調整やフィードバックは現場の人間に突然丸投げされるのである。
その結果、当然のように、人材不足に陥る。

労働環境、という意味では私はまだましな方ではあったのだが、それでも最長で13連勤だった。当然代休なんてものは存在しないので、休日の買い取り(休日出勤)としてお給料で返される。
お給料はしっかりもらえていたので、本当にましなほうではあるのだが。

この会社でしんどかったのは、どちらかというと、上下関係の方だ。
上司が役職が偉ければ偉いほど、経営者である一族、ひいてはそのお気に入りたちに近いということになる。
そしてそこに近付けば近付くほど、上司同士で「お気に入りになりたい」争いがあり、「俺が一番のお気に入りだ!」という諍いがあり、そういう人たちは自分自身も、お気に入りか否かで部下の評価をつける。

仕事ができるかどうかなんてことはもうどうでもいいのだ。
好きな子には満点あげる!ボーナスもいっぱいあげる!
お前は嫌いだから最低評価な。早く辞めちまえよ。
そういう評価が繰り返され、我慢ができなくなった従業員は次々に辞めていき、最終的には残ったお気に入りだけが上司を取り囲む。上司キングダムの完成である。

うっすら前述したが、そこに宗教も絡んでくる。
宗教が絡むと、政治も絡む(わかる人にはわかると思う)。
そんなこんなで、「私は仕事をしに来てるんじゃないのか???」というような状況が続くわけである。

実際は現場は人材不足でばたばたしていたから、日々の業務でへとへとになっていることが多かったし、日付が変わる時間までの残業も普通にあったから、現場には真面目でしっかりとした人が多かった。
けれど、真面目でしっかりとした人ほど、やがて辞めていく。
そして、毎日をバタバタと必死に乗り越えていても、正当な評価が下されることはなく。

余談だが私は上司に好かれるタイプではなかったので、お気に入りから除外され、馬車馬のようにガシガシ使われるだけの日々だった。
同期の女の子が妻子持ちの上司に「今度2人きりで温泉旅行に行こうよ」と誘われている頃、私は他人の3倍くらい働き、しっかりと実績を残した上で、低めの評価を貰っていた。

クソである。

その2:権力者経営・犯罪ボケカス社


ひどい表題である。
でも実際この通りなのである。

この会社は、その土地の権力者が集まって経営をしている会社だったため、上司に逆らう=その土地で生きていけなくなるという様相であった。
なんでそんなところに入社してしまったのかというと、ひとえに情報不足である。転居直後の就職活動だったこともあり、その土地のことや、その土地での有力企業などを全くわかっていない状態で就職活動をしてしまったのだ。
とはいえ、余程の人脈がなければ、転居をする前にその土地の「やり方」の詳細を察知することは難しいので、これはもう私の運だと思っている。運というか、日頃の行いというか、何かが祟ったのかな・・・。

その土地の権力者が統治しているだけあって、そこは犯罪の温床であった。
給料未払いや労働基準法違反は当然のこと、法に触れるようなあれやこれやが大量にあった。
新型コロナが最も流行った時世では、国から休業手当てを貰った上で、従業員を出勤させ無賃労働させていた(当然交通費も支給されないので、出勤すればするほど従業員にとっては出費になる)。

もっと言えば、業種にも関連するのだが、まあ、「これはいつか人死にが出るんじゃないか」っていうような法令違反もあった。
私はめちゃくちゃ怖かった。何かが起こってしまう前に迅速に退職しなければと思った。
本当は人道的には上司に立ち向かわないといけないところだったのだけれど、私はとある事情で再転居はできない状態にあり、その土地で生きていけなくなることは避けたかったのだ。
我が身が可愛いくそやろうである。ごめん。

ついでに言うと、労働環境も最悪であった。
年間休日数も月間休日数も告げられず、毎月「今月は出勤日数が足りない」「土日もフルで出勤するか減給か選べ」と言われるのだ。
そして、ほんの少しのミス(ミスと言えない程度、ただ上司の気に入らないやり方だったというだけのこと)で「ころすぞ!!!!!!」と罵声を飛ばされる。
令和にもなってまだ、そんなことを言う人がいるの・・・?と驚いた。
ちなみに私はボイスレコーダーをちゃんと常備していました。

退職したいと告げるも当然認められず、退職届も受理してもらえず、「ここで辞めてこの土地でやっていけると思うなよ」の脅し文句までついてきた。
私は前述した事情で決定的な反抗・対立は避けたが、飼い殺しはメンタル死に即決すると思ったので、「法律に則って退職します」の姿勢を一切崩さずに出勤しなくなった。
そして実質的に退職を完遂した。

この会社にいた頃は、精神的な不安定具合がとんでもなかった。
突然全身が震え出して止まらなくなったりして、涙は不意に流れ出たし、毎朝起きることが、出勤することが嫌で嫌で、帯状疱疹が出て痛くて痛くて服を着るのも困難な状態になったこともあった。
私のストレス耐性がMAXでなければ、あるいは私の自己肯定感がMAXでなければ危ないところであった。電車の線路の寝心地は、きっと良くない。

そんなわけで、他にも勤めていたブラック企業はいくつかあるのだけれど、書いても危なくなさそうな部分だけ書き出してみました。
書いてる内容でなんとなくわかると思うのだけれど、その1は大企業で、その2は中小企業です。
こういう経験をしていると、大企業がいいのか中小企業がいいのか、という問いには「一長一短だよなあ・・・」と答えざるを得ないわけだけれども。まあ、就活を控えている読者がもしいるのならば、入社前の情報収集はほんとに可能な限り頑張ってした方がいいと思う。

大企業→放置型だから割と自由がきくけど評価もされにくい、中小企業→人間関係がべったりなのでハズレを引くと絶対に逃げられない、みたいなある程度の特徴はあるけれど、実際どうかっていうのは、そこで働く人にしかわからないものだからね・・・。
今はネットという便利なものがあるから、知り合いにその会社勤めの人を見つけるのが難しそうな場合は、ネットでクチコミとかをいっぱい探してみることをおすすめするよ。

ちなみに私は、現在は大企業と中小企業の中間みたいな会社で働いているよ。
みんなめちゃくちゃいい人たちばっかりなので、とても平和。
クソ会社にいた頃は、出会う人出会う人みんなクソなことが多くて、「まともな人間は一体どこに消えていってるの~!?」って感じだったのだけれど。
まともな人間は、まともな会社にまとまって居るんだなって実感したよ。
当然の帰結ではある。

まあ、そういう会社に入れるかどうかっていうのは、基本的に運だからね。
私が偉いからいい会社に入れたとは1ミリも思わないよ。
逆に、ブラック企業にいたころも、自分がダメ人間なせいだ、というふうには全く思わなかったし。
つまりは、ぶっちゃけ、いい会社を見つけるまで転職するのが吉だと思うよ。ガチャを回すのだ、ガチャを。

もちろん、情報収集とか、自分に合った会社の考察(つまり自己分析)とかも大切だとは思うけれどね。
それだけじゃどうにもならない部分は、完全に運だからね。

以上、半年で3回転職した経験のある筆者より、でした。
ではでは、今回はこのへんで。


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