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『泣ける男』の我が息子

男は泣くな!
メソメソするな!

73歳の父は何かあると
息子に、そう言ってきました。

私の子育てには
男も女も無くて
着たい色の服を着たら良いし
見たいもの
知りたいことを知れば良いし
年齢も関係ないし
お姉ちゃんだから
弟だからって違いもない。

だから、息子は言われる度に
関係ない!と言い返し
娘も
好きで姉に生まれたんじゃないわ!と
言い返していました。

子どもたちは
何でじいじは、そんな事を言うの?と
意味がわからないようでしたが、
父たちが育った時代は
そうだったんだよと
男は泣かずに強くあれと言われ
女は家事が上手くなれ愛嬌良くしろと
そんな時代だったのだと
話しました。


ふぅんと半分分かった様な返事でしたが
ある時
息子が何かで泣いた時
また父がいつもの様に
男は泣くな!と喝を入れたそうです。

その時、息子は
ボクは泣ける男なんだ!
じいじとは違う!
羨ましいでしょ!
と父に言い返した。

じいじは泣きたくても泣けなかったから
泣き方を知らないんだね。
ボクは自分の感情に従う事が出来るんだ、
羨ましいだろう!と言い返したそう。

私は後から
この話を聞いて
ぐうの音も出なかった父を想像して
苦笑いしかなかったけど
父はどんな気持ちで彼の言葉を聞いたんだろうと考えた。

全国を飛び回る職人の祖父を父に持ち
帰ってくるのは正月だけ。
長男として
父の居ない家を守り
生まれた時、身体に少し問題があった
妹のリハビリの為に
リアカーに妹を乗せ
離れた病院まで通う母を手伝い、
歳の離れた弟の面倒を見るのは日常の事だった
父。

そりゃ、嫌でも強くならねばならぬと
時代の後押し付きで思うよね。

泣くのは恥ずかしい事じゃない。
ましてや
男だろうと
女だろうと
子どもだろうと
大人だろうと
泣きたい時は泣いていい。



我慢ばかりで
我慢強くなりました、って
今、この年になって言えるけど
それは全く喜ばしい事じゃないぞ。


押さえつけるより
上手く感情と付き合っていく方がいい。

本当は父だって泣きたいと思う時があったはずだ。
祖父が亡くなった時は
喪主である祖母を支える長男の勤めを果たし
祖母が亡くなった時は
叔母や叔父が号泣する横で
長男として喪主を務めた。

そもそも、私の母が蒸発し
幼い私だけ残された時も
泣きたいほど苦しんだはずだ。

父は多分
泣くな!と言いつつ、
心の中では、こう思ってるに違いない、


泣けるっていいことだ。



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