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競馬

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2022年9月の記事一覧

【競馬コラム】光と闇の登竜門

昨日この話題について書くつもりだったんですけど将棋ウォーズやりすぎて気がつけば日付が変わってた..調子が良くない時ほど「取り返そう」とムキになってしまうのは勝負の世界の共通項ですね。そして待ち受ける結果は後悔ばかりなり。 早くからファントムシーフが参戦を表明し、待ち遠しかった野路菊S。そこに札幌2歳Sをソエで回避したカルロヴェローチェがスライドしてくるというし、さらに小倉の未勝利を勝った栗東坂路の弾丸ライナーことネアセリーニも出てきてさあ大変。勝った馬がそのままクラシック有

【競馬コラム】あっと言わせた敗者たち

2週連続三連休のゆるゆる日程の反動で来週を乗り切れるか不安しかないハシスポです、こんばんは。この週末は天気にも恵まれたんですけど、これといった活動はなく娘とプリキュアの映画に行ったくらいでしたかね特記事項は。例によって競馬はまったりROMしてるだけなんですけど、神戸新聞杯もオールカマーも荒れましたねえ。 神戸新聞杯といえば歴代の勝ち馬にスターホースがずらりと並ぶ由緒正しき大正義レースなんですけど、今年は春のクラシックで上位を争った馬が軒並み不在。2戦2勝とはいえ重賞初挑戦の

【競馬コラム】ダンシングキイは終わらない

90年代後半を代表する名繁殖牝馬ダンシングキイ。オークス馬ダンスパートナー、菊花賞馬ダンスインザダークを続けて世に送り出したことでその地位を不動のものとし、その後も歳の離れた妹ダンスインザムードが桜花賞を制覇。3頭のきょうだいがクラシックホースとなる快挙を成し遂げた実績は、日本競馬の歴史の中でも輝いている。 個人的にもちょうど彼らが活躍していた時期に競馬を見始めたこともあり、「ダンスパートナーとダンスインザダークは姉弟」という入門編の知識を学ぶ絶好の教材となってくれた恩がある

【競馬コラム】大物は見えざるところに潜む

ハーツコンチェルト強え~。 日曜中京の2000m戦で8馬身差の圧勝。中団やや後方からの追走から早めにポジションを押し上げ、直線では後続を引き離すワンサイド勝ち。上がり3F33.9秒は次位より1.6秒も速いずば抜けた数字で、大物誕生を予感させるには十分なパフォーマンスだった。 恥ずかしながらPOGドラフト段階では全くのノーマーク。入厩してからいい動きを見せていたというのも知らなかった。ハーツクライ×アンブライドルズソングといえばスワーヴリチャードでおなじみの組み合わせ。まあ

【競馬コラム】夏期講習をサボったツケ

例年であれば春のタイトルホースをはじめとする実績馬が多く名を連ねるローズS。しかし今年は二冠馬スターズオンアースが骨折の影響で秋華賞に直行することもあってビッグネームが不在に。他にもフラワーCの勝ち馬スタニングローズが紫苑Sに回ったこともあって、重賞勝ち馬が不在という事態に。 なかなかこういう年もめずらしいよなあと思っていたのだが、改めて近年の出走メンバーを見るとそうでもないなとw その年の春にG1を勝った馬がローズSに出走したのは17年のレーヌミノルが最後だった。こういう競

【競馬コラム】信頼されること、信頼に応えること

今季ここまで57勝を挙げ、すでにキャリアハイの勝ち星をマークしている坂井瑠星。ちょくちょく海外遠征を挟みながらの数字だけに価値も余計に高く、ジョッキーとして充実期に突入しつつある。 しかし、これまでコンスタントに勝っていた重賞のタイトルにはなかなか手が届かず(まあゴドルフィンマイル勝ってるんですけど)。秋のG1でチャンスをつかむためにも、そろそろ存在感をアピールする勝利がほしいところで巡ってきたのが、紫苑Sのスタニングローズだった。 2月のこぶし賞で手綱を取って以来のコンビ。

【競馬コラム】ずっとメイケイエールのことが嫌いだった

人気者であることを承知の上で言わせてもらうと、ずっとメイケイエールのことが嫌いだった。一人でガイガイやってるうちはともかく、昨年の桜花賞以降、スタート直後から制御不能になって他馬にタックルして迷惑かけまくる所作はとても擁護できるものではなかった。 にもかかわらず武英智調教師から聞かれるコメントは「気性が悪いんじゃない。一生懸命に走ってしまうだけ」みたいに悪びれる様子は一切なく、それどころか「まともに走れれば能力は一番」みたいに吹いて回る言動はとても好意的に捉えられるものではな

【競馬】二匹目のドジョウと上毛かるた/先週の2歳戦

ジョッキーも厩舎も、父も馬主も。そして小倉芝1800mデビューも。2022年日本ダービー馬ドウデュースの「弟分」ドウフォルスが初陣を迎えたが、4角手前でズルズルと失速。全くいいところなく9着に終わった。 ここまで大きく負けるとは思っていなかったが、追い切りの動きは平凡で陣営のジャッジも「新馬としては水準以上」とゴニョゴニョしたニュアンスだった時点でお察しである。さすがにそうあっさりと「二匹目のドジョウ」は見つからないということだろう。 先週は他にもアヘッドやレッドマグヌスな

【競馬コラム】崖っぷち未勝利戦にドラマあり

夏競馬の終わりは3歳未勝利馬の戦いを終える瞬間でもある。もちろん地方転出や格上挑戦など現役を続ける方法は残されているが、どうあがいても望みのなさそうな馬にとってはひとつの区切りとなるシーズンだ。 J1残留争いなんかを見ていてもそうだが、崖っぷちの戦いには常にドラマがある。今週はその中からネタを二つ取り上げたい。まずは土曜札幌で勝ち上がったスコールユニバンス。デビューから14戦して2着が6回3着が2回。いつでも勝てそうなレースが続きながら、あと一歩が届かずにいた。先々週に札幌

【競馬コラム】24年後も続く夢の架け橋/小倉2歳S

「ロンドン逃げる! ロンドン逃げる! 夢の架け橋ロンドンブリッジー!」 こんなもん競馬実況イントロクイズ初級編ですよね。98年桜花賞、ハイペースの逃げで後続を振り切りにかかった場面で、関テレ馬場鉄志アナが放った名実況。結果的にファレノプシスに差されたことで「迷実況」としての爪痕も残すことになってしまったが、その小気味よいフレーズは24年が経った今も全く色褪せることなく心に刻まれている。 残念ながらロンドンブリッジは次のオークスが現役最後のレースとなり、G1制覇の「夢」は叶