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イギリス菓子図鑑

NHK Eテレで放送されている『ブリティッシュ・ベイクオフ』という番組をご存知だろうか。英国BBCで放送された、イギリス全土から選ばれたアマチュアベイカー(料理家)たちがケーキやパン作りの腕を競うコンテスト番組である。2023年6月現在ではシーズン3の吹替版をやっている。

番組を見ていると、日本人にはなじみの無いイギリス特有の菓子やその材料が出てきて一体どんなものなのかと興味が湧いてきた。
そこで読んでみたのがこの一冊である。


135種もの菓子・パンが取り上げられており、メニューごとに誕生の歴史や名前の由来、使われる材料などのコラムが載っているのがいい。菓子だけでなく料理にもいえるが、伝統的な食べ物は国や地域ごとの背景が反映されていることがよくある。またその土地で生産される食材をふんだんに使うことも多く、食べ物を知ることでその場所を知ることができるのだ。

イギリス菓子は素朴で派手に飾ったものがあまりないのが特徴で、家庭の日常のものとして食べられてきたのだと分かる。老若男女問わず普段からベイキングに親しんでいるのだろうなと想像できた。これは『ブリティッシュ・ベイクオフ』を見ていても感じることである。

簡易的だがレシピも記載されているので、この本があれば日本に居てもいつでもイギリス文化を感じる菓子を作ることができる。
個人的に気になったのはバラ・ブリス、ラーディ・ケーキ、サマープディングなど。私は菓子作りをするのでレシピを見れば大体の味は想像できるが、中には慣れない材料を使っていたり今まで試したことがない方法のものがあり、創作意欲をかき立てられた。


この本を読んでいて思ったのが、日本の菓子図鑑を作るとしたら何を取り上げるだろうということ。和菓子が大部分を占めるだろうが、"日常的な"菓子という所なら和菓子屋で売っているような上生菓子はおそらく入らない。豆大福とかどら焼きとか、スーバーやコンビニでも売ってそうなものを紹介したい。それに、ホットケーキやプリンなど洋風だけど日本生まれなものもいいだろう。
イギリス菓子の写真を見ながらふとあんこが恋しくなる、そんな気持ちになっていた。


何年か前に作ったダンディー・ケーキ
マーマレードの風味がしっかりして美味。

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