短歌13首

○桜(はな)の頃 店に置かれゆ 束ノート(それ)に 又
           今年の子らを 見る教師かも

○鼻歌を 歌いつ進めゆ 淡々と
           友の背休日 出勤の窓

○印象は 人によりけり 同世代
            同じを見いしも その感性がゆえ

○鮮やかに 光れし春の 鎌倉に
           尼将軍も 微笑みしかな

○「オ・レ」曰く 牛乳割りやも 大阪は
           ミックス・ジュースと 同じを指して

○使用なく 兎集目的 切手今
           アニメ使いて 得る若い人

○空泳ぐ 鯉(それ)の如くも 吹く風と
       初夏の陽射しに 有田・陶器市

○白の地に 只藍で魅(ひ)く 人の眼を
        マイセン磁器の ブルーオニオン

○「ぐちゃぐちゃのノート」も もしやと 落書きを
            そに又描(か)けり 受験生の兄

○駆け抜けし 人生(とき)の如きも 急(せ)き咲かば
            いつやら空を 彩(かざ)りゆく桜(はな)

○咲く前の 莟(つぼみ)危うし つく底の
             深さも見えず 不況や春闘

○九州の日光なるも 祖(そ)を祀る
            有田に在りぬ 陶山神社

○青春を 綴る如きも ペダル踏む
            高一生の 桜並木(はななみき)や背
     


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