手塚治虫。漫画の神は、誇りの神。

手塚治虫の尊敬人物は、ウォルト・ディズニーであった。ミッキー・マウスの生みの親であり、ディズニー・ランドの考案者であり、完成者。とて、「永遠に完成しない」とウォルトが言うように、「終わりのない遊園地」ではあるけども。

けど、同時に軽視(?)「俺の方が」秘かに思う所もあったらしい。デビューしてから最後の最後まで、手塚は他の同業者程、アシスタントを使わなかった。

「真似て勉強」「模写することにより、云々」。昭和。パソコンなんて想像もつかなかった頃。原作漫画はケント紙・Gペン・墨汁が3大必需品。アニメはセル画に色を塗り、、、が当たり前。先に放映された「なつぞら」が記憶に新しいけど、漫画=作者+アシスタントの分担作業。少し売れると、全てアシスタントの仕事となって、作者はテレビ出演その他で忙しい、が実の所であった。「真似て、、、」甘い言葉でアシスタントを釣りに釣ってる漫画家など幾らでもいた。故・赤塚不二夫がそうだったという。

「トキワ荘」の最初の住人。超売れっ子の漫画家である手塚は、ケント紙に向かう事自体が楽しかった。楽しくて、楽しくて仕方がない。場面によってはアシスタントにして貰う。けど、必ずチェックは自分で行い、不満であれば最悪、自分が修正する。けど、段々ディズニーは設計家(?)ディズニー・ランドの土地関係やら乗り物の配置その他に忙しくなり、とても本業に集中できなくなったのだ。身体が持たない。よって、アシスタントにかなりの割合で任せていた。

「ここが一寸ね。僕はそういう風になりたくない」徹子の部屋で言っていたのを思い出す。漫画の神様・手塚治虫は、誇り。プライドの神様でもあったのだ。


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