平々凡々な(?)魅力~埼玉県北本市~

消滅するんじゃないかと、言われている。
悪まで「可能性」であるけども、「消滅可能性都市の1つに挙げられている」電子百科事典に記される。
昭和46年(1971年)。
<太陽の塔>がシンボルだった大阪万博の翌年に、市となりデビューした
ココ、埼玉県の北本市。県内地図で見ると狭いけど、実の所は案外、拡(ひろ)い。だだっ広いのだろうか?その割に人口も多くはあるまい。
65,622人と配布された「広報 きたもと」(2023年4月号)とある。約6万5千人だ。

令和3年(2021年)に市制50周年を迎えてから既に3年。
農産物=トマト。
名物=桜(石戸蒲ザクラが、殊に有名)。
観光=グリコの工場(通称・グリコピア。20年ぐらい前に建設された)。
チョイとした自慢=ゴミ袋の類いが安い。が、どうした事か、拘わる自治体での評判が宜しくない。
「合併しましょ」
「そうしましょ」
曰くが一般的であろう。けど、振られてばかり。トホホの巻きが暗い過去の市でもある。心的外傷(トラウマ)を抱えている。
財政的に、どうもイマイチ。
「合併?北本と?大してメリットもないじゃん!」
「う~ん。どうだかねぇ~っ」
幾らラブ・コールを送ろうにも、相手が乘らない。お手々を繋いで「そうしましょ」とはならない。繋ぐ前に出された手を、何故か引っ込まれてしまうのである。話が出ては、立ち消える。余りに立ち消えてばかりいるので、今や声を出す気力もない。
電車関係でもだ。
東京方面へ通勤・通学する人も多いに係わらず、未だに電車は各駅停車しか停まらない。高崎線で上野迄、約50分。途中、途中に点在する駅に何か起こればその分、遅延。
「停めましょうよ、快速電車を」
「新しく駅を造る、ってのはどうですかね?」
何回か提案をしては、、、、。後は推して知って頂きたい。悲しみの駅・JR北本。トラウマを抱える市・北本市とでも呼べそうだ。

けど、わたしは好きだ。
今迄、住んだどんな所よりも、気に入っている。
以前は、千葉市真砂(現・美浜区真砂)にいた。全てが進化し過ぎ、最先端を追い求め、常に流行でなければならないような雰囲気が蔓延していて、好きになれなかった。
「海浜ニュータウン」命名されたばかりの頃から、トータルで10年ぐらいの住人だったが、最初から最後迄、疲れを感じていたように思う。
幼年時代の終わりと重なる同稲毛台町(現・稲毛区)も、嫌いじゃないし、高校時代を過ごした愛知県の尾張旭市も、まぁまぁ。けど、「好き」「気に入っている」となるには、今一歩。勿論、わたしが暮らした頃とは各々、変化しているだろうが。出身は、群馬県の桐生市だ。

半分良くて、半分まぁまぁ。「暮らしやすさ」と「平々凡々」。
「平々凡々な暮らしやすさ」が、上記地にはない。
地盤がしっかりしていて、地震が来ても左程揺れず、地域的に何となく災害を逃れる。桶川市や鴻巣市。北本市を挟むようにしてある地域が被害を受けても、北本市は受けないのは、特筆に値しよう。
もう少し駅前をどうにかして欲しい、ファストフード店と本屋、「カインズ」みたいな店が欲しい。郊外にもっと街灯を、等々。
思う所もあるけども、(ちょいと不便だな。でも、まっ、いっか)思える所が北本市の魅力だ。
極端だけしかなく、評価されない昨今の世の中で、そういう魅力を放つ市は珍しかろう。
                            <了>

#この街がすき

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