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超短編「Barの女の子」

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毎日Barに来ている、とある女性。 彼女の真っ白な言葉。 僕はその言葉をひたすら聞く。 お酒のお共に、いかがでしょうか。
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#短編

「Barの女の子」⑺

「Barの女の子」⑺

ある人が言ったわ。
"僕は夢を叶えてしまったから、生物的な欲を無くしてしまえば別に死んでもいい"と。

そう考えると、夢を叶えても、夢を叶えられなくても、きっと最後は虚しさが残るのかもね。本当の幸せなんて、きっと誰にもわからない。

強いて言うなら、夢を歩んでいる時、その道のりこそが、"本当の幸せ"なのかもね。
だから思い出はいつまでも、輝いて見えるのかも。

それに誰しもが最後は死んでしまう。全

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「Barの女の子」⑹

「Barの女の子」⑹

あなたは何でも聞いてくれるのね。

でも酔っ払った女の発言にしっかりと耳を傾ける必要なんてないわ。

その時の感情がどれほど強くてもね、数時間後にはこれっぽっちも覚えてないんだから。

私の言葉も、生きている中の風景の一つくらいに思ってちょうだい。

真剣に聞いても、あなたの人生を彩りはしないわよ。

でもその風景がいつの日か、ふとした瞬間に思い出すような、少しでもあなたの脳裏に残

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