見出し画像

ベタだけど、本当は好きなこと

あらゆる創作における
練習と上達の基本的心構えとして
ベタを恐れるな」というのがあります。

これがなかなか厄介で、
意外とできないのです。

自己理解にも同様に起きてます。
こっちも厄介です。

実は順番は逆なのでは
ふと考えることがあります。

まずは自己理解において
「自分にベタな趣味があることを
 受け入れていない」から

アウトプットの段階においても
その心理がより深いのレイヤーから
働いてしまい、ベタを避けたくさせる
という説を唱えてみます。

「話題やトレンドに自然と興味が向く」
タイプは、あまりこういう拗らせ方を
しない印象です。
メジャーで人気なことがだいたい好きだと
ベタを恐れるようになりづらい
です。

なぜなら「みんながいい」というものが
好きな自分として、
友達や知人と会話のとっかかりが見つかりやすく
会話の場に入れる体験で
自分の感じ方はOK」という感覚を学習します。

一方、どちらかというと
大衆の話題やトレンドではなく
ややズレた興味関心を持っているタイプ
「ベタを恐れる」ようになりやすいです。

大きいところで、
「他と違う」「ズレている」「理解されない」を
繰り返し確認できてしまうと、

よりコアに、よりマイノリティになろうとします。
「大衆が好む浅いところの逆を行く」
「もっともっと尖ったものを」
「もっと本質的で、コアで、通の領域へ」

ところが、たぶんどんな人であれ
興味関心を持ちうる
森羅万象の要素の120%が、
流れに逆らっているわけではありません

逆も同じで、トレンドマスターや
ミーハーと自認している人も、
何かの分野でストイックで奇妙な趣味を
突き詰めていることがあります。

ただ変な話ですが、
「大部分においてメジャーから外れている」という気持ちの人と違って
主流派だけどマイナー領域への関心を隠れ持つ人の方が
まあ自分はどっちも好きみたいだしいいんじゃない?」と
すんなり受け入れられます。

いちいち考えません。
マイナーだから、メジャーだから、
「好きになっていいかどうか」なんて

が、「メインストリームから外れてるんだ自分は」と
思っていると、ベタな要素を極端に嫌悪し
シャットアウトする節
があります。

この場合、「外れていなければ」という気持ちが
実際の感性や好みまで覆い隠して、
混乱させてしまう
ことがあるようです。

「本当に気に入らない・興味ない」ベタ要素と
「意外と好きだけど、好きかもと
 気づくチャンスを自分が奪っている」ベタ要素の
違いが分からなくなると、

インプットもアウトプットも
自分さえ疲れて楽しめなくなるような
偏りが出てきます。

ここにもう一つ罠があるとしたら、
今度は「ベタを恐れていちゃアカン!」と思って
また気持ちを押し殺してひたすら
本当に自分の感性興味と合わないものを
流し込み続けていると、やはりバランスが崩れます。

全くピンとこないもの
理屈的な理解ができますが、
感覚的な理解まで至らないことがほとんどです。
しかし、前者だけできる状態と両方できる状態とでは、
天と地くらいの違いはあります。

自分の好みと完全に切り離して
前者だけで創作できる天才型も
多くいるように見えるのですが、
多くの人はやはり
感覚的理解→理屈的理解→深まる感覚→深まる方法論→ループ
のほうがサイクルが良い感じに回る気がします。

これ描いて死ね』の漫研結成直後の
先生の指導法のところを初めて読んだとき、
思わず唸ってしまいました。

一切の方法論やお作法をまずは一作目を描かせて
本人達が実感した躓きや問題に対してだけ
適切な理論学習を促すという一見当たり前のやり方です。

明らかに筋の通ったやり方ではあるものの、
(先生はさすが作家出身で分かってるなって……
 しかも教え上手……すばら)
現実の中ではこのルートを運良く通ることが
できたという人は、極めて恵まれています。

深層的な感覚に基づく理論でないと
機能しない領域のことなのに、
感覚開発を優先するのではなく、
お作法や禁止事項(経済効果や成功の見込みも含めて)を
先行させざるを得ない
やり方が強いられている環境が多いです。

やむを得ないのですが、
その前の感覚養成段階がその人において十分じゃないと
やっぱり最終的にわけが分からなくなって
力が潰れることがあると感じます。

逆に言えば、
早めに自主的に心の赴くまま純粋に
感覚養成を自分でできた人が
それだけ有利です。

そういう人の方が
感覚発見→アウトプット→理論学習→感覚強化 のサイクルも
自分で回し出すので
結果的に上達も早く、
一般的には「才能がある」と見られています。

いろいろお作法押しつけられて詰め込んで
自分が禁止している「好きなベタ」があるかもしれない場合

今自分を持っている持ち物や好きなコンテンツリストを
棚卸ししてみるところからやってみると良いかもしれません。

「これをそこそこ集めてきて大事に取ってあるけど、
 本当でいうとまだ気持ちはある?」を自分に聞いてみて
 本音を知るための断捨離をしてみると、

いろいろと収穫を得ます。
リアル整理整頓も一緒にできて嬉しいですし。

人は変化するし、
最初は精査の判断精度も高くないことがあり、
例えば悩んだ末捨てたものが何年もあとに
ふと思い出して「やっぱいるやん!」と
また取り入れることもありますが、

本音と感性の精査を丁寧に積み上げたものが
自分を裏切らない糧になります。

お読みくださりありがとうございました☘️🌈 初めての方、あなたに出会えて嬉しく思います。フォロワーの方、いつも見守ってくださってありがとうございます。 共感できるところや、心の琴線に触れるところがありましたら、ぜひ応援の気持ちを届けてください。心が温まります❤️🌟