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花火、弾けて。

君と花火を見るにはうってつけの場所だった。

景色を遮るものはない。花火が上がってから消えるまでの全ての瞬間を見逃すことなどできないほどに。

あぁ、どうか、儚く消えないで。


君と花火を見るには不相応な場所だった。

声を遮るものはない。君が私の言葉の一語一句の全てを聞き逃すことなどできないほどに。

あぁ、どうか、かき消されていて。


ここから見る花火は、いとも容易く弾けるシャボン玉のよう。

また、弾けた。


私の心も同時に、弾けた。

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