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名物の食べ方 パート1ドイツ


忘れられない食べ物は色々あるが、特にその国の名物の本場の味ってあるのかな?と尋ねられたら、それはやはり素朴な食べ方だと思う。

 
フランクフルトからブリュッセルに向う構内の屋台で、お昼用にホットドックを買ったことがあった。
慌てて精算して車両に乗り込んだ。娘との二人旅。
自分のコンパートメントを探してドアを開けると、既に二人の乗客が座っていて、私の方を向くといい匂いの素振りをした。私はそれまで手に持ったホットドッグのことを忘れていたが、はっと気付いてうなずいた。
凄ーくいい匂いがしていたのだ。
6人掛けに4人だけだったが、私たちはお互いに簡単な自己紹介をしあった。
一人は白髪の上品な感じのご婦人、孫に会いに行く途中という。
一人は若い男性の水兵さん。真っ白なセーラー服が素敵だった。水兵さんって普段も制服なんだ!と思った。

私たちも本当に日本から二人だけで来たのか?と繰り返して聞かれた。
当時はまだ、日本人が海外に気楽に出掛ける時代でなかった。
トーマス・クック時刻表を虎の巻に、旅をしていた私たち。
楽しく話しているうちに、そろそろランチタイム。ご婦人が即してくれた。
遠慮なく紙袋を開けると、そこには驚くほどの長いソーセージがパンの間に入っていた。両側からはみ出したソーセージはパンの3倍。これこそフランクフルトソーセージだった。そのホットドッグの美味しいこと、美味しいこと!想像を超えた。
昨夜のホテルのレストランで、ドイツはソーセージが本場とあって、色々な物をオーダーして楽しんだが、比べようがないほどだった。
やはり素を食べるのが1番なんだと感動した。
その時の極旨は、今でも忘れない。
一緒の時間を過ごしたご婦人の笑顔と水兵さんと共に・・・
可能ならもう一度、トライしたいなぁ〜


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