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【語感】エヴァの初号機が「壱号機」じゃないのは、きっと語感の問題である。

語感フェチのシンガーソングライター、ナナシナタロウです。

今回は、「エヴァンゲリオン」。

出ました。
今日本中のみなさんの「くち」を気持ちよくしている語感です。

エヴァンゲリオンシリーズは、「語感をかなり重視している作品」だと僕は常々思っています。

そもそも「ウ」に濁点がつけれることすら、この作品で知った気がします。

中学生のころ、
一人で「ヴ、ヴ?」「エバ…エヴァ?」とかやった記憶があります。

それくらい偉大な語感です。


エヴァの作中に溢れる語感の良いコトバたち

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・汎用ヒト型決戦兵器 人造人間 エヴァンゲリオン初号機
・惣流・アスカ・ラングレー大尉
・真希波・マリ・イラストリアス
・アンビリカルケーブル断線
・ATフォールド全開
・シックスナインです!(伊吹マヤ)

今ざっと思い付いただけでも「印象に残っている言葉」がゴロゴロ出てきます。

決して覚えやすくはないハズなんですが、不思議と覚えてしまうものが多い。
これは、「語感の良さ」に他ならないと思います。

製作者側の、「語感」に対するこだわりが感じ取れますね。


エヴァ「初号機」が「壱号機」でないのは、「語感がイマイチ」だから

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今でこそあたり前に「初号機」と呼んでいますが、初めてエヴァ作品を見たときに思いませんでしたか?

「なんで紫のは壱号機じゃないん?」と。
零号機、弍号機、なら壱号機でいいやんと。

理由は簡単です。

「初号機(しょごうき)」の方が「響きが格好いい」からです。

詳細は知りませんが、きっとそのはずです。

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脳内再生してみてください。

「僕は… エヴァンゲリオン初号機パイロットッ、碇シンジですッ!」

「僕ぁ… エヴァンゲリオン壱号機パイロットぉ、碇シンジですぅ!」

こんなん断然、初号機でしょ。シュッとしてるでしょ。

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この一点からしても、「エヴァ作品」がいかに語感にこだわった作品かが感じられますね。


子音の運び的にも断然「初号機」の方がいい(少しマニアック)

一応「子音」の構造も見ていきましょう。

「しょごうき」の場合は、
エヴァンゲリオ「ンしょ」ごうき、と
「n」から「s」へ、スムーズに子音が流れます。

「いちごうき」にしてしまった場合、
エヴァンゲリオ「ンい」ちごうき、と
「n」に続く「i」は母音になってしまいます。

スピード感が失われると思いませんか。

これは、日本語の「ん」という音が、
「後続する子音の影響を受ける音」であることが関連しています。

「ん」の後に「い」が来るということは、
「ん」が「い」の影響を受けること。

母音である「い」って、構造上スピード感が出にくい音なんですね。

※詳しい解説はこのサイトに任せる。
https://ipa-mania.com/japanese-n/#no02-02
「英語びより」日本語「ん」の発音の秘密について


エヴァ四号機が消滅したのは語感がイマイチだから

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エヴァが「語感」にこだわった作品だということは、もうおわかりですね。

では、次に「エヴァ各機体」のナンバリングを見ていきましょう。

※読み上げるとわかりやすいかもしれません。

・エヴァンゲリオン零号機(ぜろごうき)
・エヴァンゲリオン初号機(しょごうき)
・エヴァンゲリオン弍号機(にごうき)
・エヴァンゲリオン参号機(さんごうき)
・エヴァンゲリオン四号機(よんごうき)

…ハイっ! ストップっ!

よんごうきッ!

「エヴァンゲリオンよんごうき」って、
他と比べて語感がイマイチに感じませんか。

これにも理由があります。

音韻学的に「や行」というのは「半母音」という分類になります。
細かいことはさておき、「子音だけど、母音に近い音」になるんですね。

つまり、前述した「いちごうき」と同じように、
「ん」の後に「母音(的なもの)」が来てしまうのです。

エヴァンゲリオ「ンよ」んごうき

この部分でスピード感が出しづらい!

…懸命な読者の皆さんなら、お気づきでしょう。

四号機が、唯一作中で謎の消滅を遂げた機体であることを。
姿すら出てきません。(のちにデザイン自体は追加)

さらに、新劇場版で「マリ」が乗る機体は「5号機」

そうです。
四号機は「語感がイマイチ」だから、
制作陣の手によって葬られた機体なのです!

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A:「エヴァンゲリオン四号機! エヴァンゲリオン四号機! なんか、しっくりこないですね、先輩。」

B:「俺もそう思ってたよ。何か、こう響きがイマイチだよな。…もう、爆発でもして消えたことにする?」

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こういうやりとりがあったはずなのです!


まだシンエヴァ見てないけど、きっと「語感のいい」重要な単語がまた登場するはず。

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今回はここまで。
完全な持論でした。
実は僕、まだシンエヴァ見れてないんですよね。

長年一緒に観に行っている友人と、予定が合うのが少し先なんです。

なので、ネタバレに怯えながら、こういうnoteを書くことで気持ちを誤魔化しているんですね。

ただ一つ言えるのは、
きっと今作でも重要なキーワードとして「語感の良い言葉」が盛り込まれているはずです。

何かみんなが思わずクチにしたくなる言葉が。
そうだと信じています。

何か結構、評判は良さそうな雰囲気だけは感じています。
とても楽しみです。

エヴァに登場する、好きな語感があったらコメントくださいね。

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■この文章を書いた人
ナナシナタロウ
31歳から音楽活動を始めた、少しスロースターターなヒト。よい語感が好き。文章書くのも割と好き。熊本出身、福岡在住の無所属シンガー。LIVEではアコギやエフェクターと弾き語るスタイル。引きこもって創作活動に励む。右利き。

↑バンドの新曲「ブルームーン」ヤシマ作戦がモチーフ。

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