黒沢清「回路」レビュー
未見だった2001年の黒沢清のホラー映画であり、終末映画でもある「回路」を見た。これは黒沢清がのちに撮った「トウキョウソナタ」(2008年)の原型がある。前半はまさにホラー映画だ。インターネットが始まったころ、ネット回線につながるまでの電話回線の音が懐かしい。パソコンの画面のネット回線とつながった不気味な映像。部屋、人影。一人一人が孤独であり、ネットで繋がっているようで繋がってなどいない世界の孤立感が浮き彫りにされていく。死の世界、幽霊たちと繋がる回路がインターネットで結ばれ