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映画レビュー(日本映画)

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日本映画のレビューをまとめました。
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記事一覧

映画『花腐し』荒井晴彦~幻想と幽霊と性と女~

画像(C)2023「花腐し」製作委員会 男二人が過去の女を思い出しながら語り合ういじましい映画…

ヒデヨシ
3日前
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黒沢清のセルフリメイク『蛇の道』~引きずられる男たちの終わりなき反復~

(C)2024 CINEFRANCE STUDIOS - KADOKAWA CORPORATION - TARANTULA 自身の作品をフランスでリ…

ヒデヨシ
6日前
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『違国日記』瀬田なつき~距離感と柔らかな空気感が気持ちいい~

画像(C)2024 ヤマシタトモコ・祥伝社/「違国日記」製作委員会 居心地のいい映画だった。いつ…

ヒデヨシ
5日前
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映画『すべての夜を思いだす』~行き交う人々、踊り出す身体~

画像(C)2022 PFFパートナーズ(ぴあ、ホリプロ、日活)/一般社団法人PFF 多摩ニュータウン…

ヒデヨシ
3週間前
3

映画「美人が婚活してみたら」レビュー

『勝手にふるえてろ』が面白かった大九明子監督の同じような女性の生き方をめぐる映画。漫画原…

ヒデヨシ
4年前

映画「糸」レビュー

瀬々敬久監督が王道のすれ違い恋愛映画を撮った。これまで不穏な空気が漂う人間の孤独や暴力を…

ヒデヨシ
3年前

黒沢清「回路」レビュー

未見だった2001年の黒沢清のホラー映画であり、終末映画でもある「回路」を見た。これは黒沢清がのちに撮った「トウキョウソナタ」(2008年)の原型がある。前半はまさにホラー映画だ。インターネットが始まったころ、ネット回線につながるまでの電話回線の音が懐かしい。パソコンの画面のネット回線とつながった不気味な映像。部屋、人影。一人一人が孤独であり、ネットで繋がっているようで繋がってなどいない世界の孤立感が浮き彫りにされていく。死の世界、幽霊たちと繋がる回路がインターネットで結ばれ

「スパイの妻」レビュー

黒沢清の新作をさっそく観てきた。2020年第77回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を獲…

ヒデヨシ
3年前
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「空に住む」青山真治

青山真治のとらえどころのない映画だ。高層マンションに住む若い女性が愛猫と暮らす物語。恋愛…

ヒデヨシ
3年前

「花束みたいな恋をした」が共感できるワケ

坂元裕二脚本ということで観に行った。監督は土井裕泰。最近も野木亜紀子と組んで「罪の声」を…

ヒデヨシ
3年前
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映画「街の上で」レビュー 下北沢の街が主役

下北沢は若者たちの文化の街だ。サブカルの聖地とも言われる。昔からある演劇のメッカ、小劇場…

ヒデヨシ
3年前

映画「ドライブ・マイ・カー」における<死を弔い、受容する旅>

まぎれもない濱口竜介の映画だ。物語が何重にも詰め込まれており、それと身体の力、声の力が強…

ヒデヨシ
2年前
9

細野晴臣ドキュメンタリー「NO SMOKING」

私が敬愛する細野晴臣のドキュメンタリー。これまでNHKなど特番で放送されたものを、細野晴臣…

ヒデヨシ
2年前
3

映画「浅田家!」レビュー 写真に閉じ込められた幸福の記憶

家族写真を見ると優しい気分になるのはなぜだろう。そこには幸せの瞬間が閉じ込められているからだ。幸せな時じゃないと写真など撮らない。喧嘩したり気まずい雰囲気の時など、写真は撮らない。写真で写し出されるのは、いつだって幸せな瞬間なのだ。 写真界の芥川賞と言われる木村伊兵衛写真賞を受賞した浅田政志の「浅田家!」の仮装家族写真は、話題になったのでよく覚えている。木村伊兵衛写真賞で話題になったのは、梅佳代以来か?様々な仮装をした家族の写真は、クスッと笑えて幸福な気分にさせてくれるもの