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第三章。師匠との出会い。

・師匠との出会い

あるテレビ番組をキッカケに知った桶屋さんは
愛知県、西尾市一色町。

代々、この地域で桶づくりを受け継ぐ
「永谷浴槽」さん。

運がいいことに、
地元で近い距離であったため、

すぐに、訪ねてみることに、、、

これまでの「事情」を丁寧に伝え、
やはり、単刀直入に

「仕事を教えてくださいますか?」

五十嵐さんのこともあって、
恐る恐る尋ねると、

永谷さんは、
事情はわかった。

私でよければ、力になろう。

と、
なんと!

快く教えて下さることに。

聞けば、永谷さん

一色町というのは漁師町であったため、
昔から生活に寄り添った「桶作り」は
もちろんのこと!

「太鼓用」の桶も作った経験があるとの事!

こうして途切れかけた
一本の糸が、何かに導かれるようにつながっていきました。

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ただ、五十嵐さんへの憧れ、
挑戦を決してあきらめたわけではありません。

永谷さんのもとで
一から桶修行をさせてもらって、

いつか、

いつの日か、、

五十嵐さんから直接教えてもらえるように
リベンジしよう、、、

そう思っていました。

・いよいよ始まる修行生活。

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永谷さんは当時83才でした。

お年は高齢でしたが、
まーとにかく元気元気!

手だけではなく、
足まで使って、

それはそれは器用に桶を仕上げる様子を見て
こういう「先人の知恵」こそ、
後世に残さなければならない伝統だ!と

私はあらためて確信しました。

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そんな師匠に手取り足取り習いながら
ようやくもって、完成させた桶太鼓、

自分自身の手で手掛けた念願の桶太鼓!


2016年1月のことでした。

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・覚悟と決断


このころ、
五十嵐さんは再びお身体が悪いという事で

特に、腰の状態が良くない、、、

そう聞いていたんですが
再び入院されてしまうとのこと、、、

まだまだ「桶太鼓」を待ってくださっている
お客様がたくさん控えていたので、

もう、待っていられない、、、
この先の注文は全て自分で作る!

そう、私は決意しました。

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「決意」と言えばカッコよく
聞こえるかもしれませんが、

自分でやる!

それ以外の選択肢がまったくなかっただけなんです。

最後に人の背中を押すモノって
きっと、本気の「覚悟」なんでしょうね、、、

できたというよりやるしかなかった。

とにかく、必死でした。

それでも楽しかったです。

桶作りの経験も、
知識も技術も何もなかったですが、

この道を積み重ねれば、
必ず自分たちがめざす「音」へのゴールにつながっている。

その「確信」だけがわたしの心を突き動かしてくれました。


結果的に、
2016年1月からスタートした私の桶作りは、

師匠と共にその年、1年間で何と「100台」もの自作桶を
完成させることになります。

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これで、一筋の『希望の光』が見えてきた!

それは、

少しずつですがそう思った
矢先の突然の出来事でした、、、、

第三章終わり
いよいよ最終章へとつづく、、、

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