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世界を無視しない大人になっているか?

ある日、夕方のニュース(TBS/Nスタ)をつけていたら「社会人になっても国際協力を続けるには」と言う特集が流れてきました。どう見ても、Nスタの特集としては異色なテーマ。どれぐらいの人が興味あるのかな?と思いつつ、流れてくる映像を見ていました。

そこに出てきたのが、原貫太さん。現役大学4年生。国際協力に一緒に取り組んでいた仲間たちが就職活動していく中、国際協力の道に進もうとしています。

VTRでは、原さんが一緒に活動していた仲間(就活スーツ)に、社会に出たらビジネスをしないといけない、私には国際協力は取り組めない、手伝ってあげることはできるかもしれないけど、と言われたい放題…。(編集で過大にこう見えているだけかもしれないけど)

確かに私の周りを見ても、学生時代に国際協力に取り組んでいても、就職して国際協力から距離ができてしまう人は多く、就職活動をしている頃、周りと話したこともあるトピックです。このことに対して、社会人になっても少しでも関わる方法がある!と熱く伝えているのが彼でした。

そこから気になる存在だったのですが、ちょうど講演会があることを知り、参加してきました。

原貫太氏講演 世界を無視しない大人になるために ~僕がアフリカで見た「本当の」国際支援~

最初は「かっこつけ」の国際協力。
国際協力に関わるきっかけはなんでもいい。


原さん、さぞ意識高い系なのかと思いきや、海外に目を向けたきっかけは、「英文科として英語を使いたかった」というところから。フィリピンのスタディーツアーに参加したのも、就活の話題作りだったそう。意外。

そうして参加したマニラでの支援活動の終わり際、ある一人の物乞いの少女との出会いによって国際協力への意識が変わり、紆余曲折を経て、今は子ども兵問題をテーマとして活動をしています。

今後は就職せず、国際協力団体コンフロントワールドをNPO化し、活動を進めていくそう。

「今現場で必要とされていることのために、今行動を起こす。就職してから?大学院に行ってから?その2年間、3年間の間に現場では困っている人がいて、状況は悪化しているかもしれない。今行動にうつさないといけない。”学生のボランティア”で終わらせるのはもったいない。」

原さんの活動紹介の後は、登壇者3名によるトークセッション。

なぜ国際協力に関わるようになったのか、なぜ日本は就職とともに国際協力から離れる人が多いのか、国際協力との関わり方、「世界を無視しない大人になるためには」といったトピックについて、それぞれの視点から語られていきました。

話を聞く前は、今の大学生は最初から見えてる世界が違うんだろうな…と想像していましたが、蓋を開けてみたら、国際協力に携わるようになったきっかけは就活の話題作りだったり、旅行だったり、少し海外に興味がある学生であれば誰しもが一度は通るような道。

そこから社会課題を自分のテーマとして、ここまで昇華して活動に取り組んでいることが本当にすごいし、原さんが出した言葉がとても印象に残りました。

「苦しみはそれを見た者に責任を負わせる」P・リクール
確かに、どんなきっかけであっても、問題や課題に出会ったからには、そこに責任が生まれるのでは、と思います。国際協力に関わっていた学生も、何かしら感じるものがあったはずなのに、なぜ就職を機に国際協力から離れてしまうのか。国際協力に関わっていた経験のある人であれば、この問いはいつもどこか頭の片隅にあるのではと思います。そこに原さんは切り込んでいこうとしています。

「世界を無視しない大人」になるには

日本における国際協力に関わる方法の少なさ(NGO/NPOの受け皿の少なさ)、職員になったとしても薄給、大学卒業後の経済的な問題がネックになっている現状はすぐには打破できないかもしれないけれど、国際協力への関わりの有無問わず、誰でも「世界を無視しない大人」にはなれるはず。この講演会に参加してそう感じました。

「世界を無視しない」には、世界にある問題を無視しないという意味と、自分の想いや考えを無視しないという二つの意味が込められています。

「一人前になったらやる、と思っているうちに現実や夢が遠くなる。最初から少しずつやりながら、行き来する。学びと実践を繰り返す。」と登壇者のお一人ステファンさんも言っており、本当にその通りだと感じたし、そもそもなんで私は広報を軸にして、NPO/NGOに関わっていこうとしているのか、という初心を思い出す時間になりました。

私自身は学生時代、ケニアだインドだと言っていたわりに、実はボランティアに参加したことなどはなく、ただし「国際協力」はいつもキーワードの一つとして持っており、いろいろな団体の話を聞いたり、イベントに参加したりしていました。

日本ケニア学生会議などでの活動中、ケニアや他のアフリカの国々で活躍する様々な方や団体に出会いました。話を聞いていると、プロジェクトを進める上で、人や資金を集めるためにも「この活動を、活動に対する想いを、もっと多くの人に知ってもらいたい。伝えたい」と思っているのに、プロジェクトに取り組むことで手一杯で、なかなか取り組めていない状況。

だったら、私自身が伝えられる人になりたい、伝えられる人を増やしたいという想いが強くなり、私は広報のプロになってこの部分に取り組もう!といつしか心に決めました。

国際協力にみんながみんな取り組む必要は無いし、国際協力に関わる手段や時期に関する考え方もそれぞれ自由。どこを課題だと思うかも、人それぞれ。私は、国際協力に力を注いでいる人がいるということへの理解不足、そしてそんな彼らに対してマイナスの偏見や誤解が多くある、という課題に出会いました。だから、広報という手段で今後も関わっていきたいと考えています。

最後に、原さんが言っていた、
「世界を無視しない大人」になるための3つのポイント。

①関心を持ち続けること 
②行動を起こすこと 
③周りの人に伝えること

私は世界を無視しない大人になりたい。







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