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笑える文章の書き方❗️伝授します。

こんにちは、モンスターエンジン西森洋一です。

41歳のよしもとの漫才師です。 毎日書いた日記を本にして出版したりもしています。

二冊とも、笑える文章というものだけを突き詰めたものになっています。 毎日四年間、日記を書き、それを一ヶ月ごとに『日記朗読ライブ』というライブで披露し、ようやく笑って貰えるようになりました。

その実践の中で培った、ノウハウを紹介したいと思います。

原文

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「キャッチボールの誘い方」

最近……四歳息子は、キャッチボールに、ハマりまくっている。
家での遊びは、リビングでやる、僕とのキャッチボールばかりだ。

流行り度合いは、ほぼ「タピオカ」。

この間も、朝七時ちょうどに、1階の僕の部屋のドアが、ゆっくりと開いた。
僕は、寝ていた。 
少しだけ開いたドアの隙間から、先生が顔をニュっと出し、、
「パパ〜、キャッチボールしよ、、」

仕事をしている、普通の成人男性は、平日の朝七時から、キャッチボールなど、したくない。 
僕は夜型の仕事をしている。 
なので僕にとっての午前七時は、普通のサラリーマンでいうところの、午前四時に相当する。

一応、クソ丁寧に断る。
「まだ朝七時やで、パパは、こんな早い時間から、キャッチボールはせえへん、、パパ今、寝てるから、、また後でやろ!」

先生は……旅館の女将さん、みたいに、ゆっくりドアを閉めて、二階へ上がっていった。

いくらか経ち、またドアが開く。 先生登場。 時計を見ると、七時40分。
また、ドアの隙間から、シャイニングしている。

「もう、キャッチボール出来る?」 

これをオッサンが、低い声で言ったら、ホラーだ。

『だから、こんな朝からは、せえへんって』
「後でするって、言うたやん、まだ七時やん」

ジャック・ニコルソンからすれば、40分も待ったんだから、と言いたいのであろう。

疲れる。 毎日こんな、感じだ。 

キャッチボールに付き合うのは、中々に大変で、、
リビングでやるのだが、目線をそらせないので、テレビを観ながらなどは出来ない。
それに、専念するしかない。 これが大変。

毎度、嫌がる僕に、息子は、、
「キャッチボールやろう!」と、初めはストレートに、頼んできていた。 
しかし、頻繁に僕が断るものだから、少しづつ言い方が、変わってきた。

そのうちに、「キャッチボール、、やりたいなぁ、、」 になった。

その次の段階では、、
「なんか〜、アックンな、、キャッチボールがなぁ、、やりたくなってきたなぁ、、」 となってきた。

本人的には、喋りだしの「なんか〜」が味噌なのだと思う。

徐々に徐々に、遠回しな回りくどい、言い方になってきている。

今日の夜、、息子、ムスメ、僕の3人で、銭湯へ行った。

ゆっくり銭湯を堪能し、帰ることに。 脱衣所で、それぞれ服を着ていた。

服を着ながら、先生が、帰宅してから、キャッチボールをしたい旨を伝えてきた。

今までの、どの誘い方よりも遠まわしで、かつ工夫がなされていた。 

先生が、ゆっくりと口を開く。

「パパ〜、、帰ったら、いよいよ、キャッチボールが始まるなぁ」

もう、、全くの他人事の、言い回し。 
そういう催し物が、自分とは全く関係の無いところで、開催されるという、言い方。

「僕は知らんで、僕は知らんけど、そういうのが行われるみたいやで!」 という言い方。

なんと工夫を凝らしてきたことか、、、
ほんで「いよいよ」なんて言葉、どこで仕入れてきたんや! 

子供は、目的の為には、手段を選ばない。


おやすみなさい。
〜〜〜〜〜〜〜〜

これが原文です。

面白くなかった、という方はここでお別れです。   

ここから、この文章の解説をしていきます。  かなり深いところまで解説します。

笑えない文章ばかりを読む羽目になって疲弊しているあなたへ。 誰かに書いて貰わなくても、自らで書けるようになります。 





キャッチボールの誘い方が変だった、というだけの話し。 僕は毎日、なにか事が起こると、スマホにメモをとります。

この日だと

「息子、、いよいよキャッチボールが始まるなぁ」

の文だけです。 ここから情報を足していき、清書します。

一番大事なのは「まず書く」ということです。

いきなり書いてみましょう。 自分が面白いと思った事柄や、面白くなるのではという事柄をまず書く。 それにつきます。

そして、徐々に時間をかけて直していけばいいのです。 一発勝負などしなくていいのです。

僕は、どの日の日記も、平均三回書きなおしています。

では「キャッチボールの誘い方」の一回目の文章を、見ていきましょう。

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