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【地歴学習Tips#03】層になった地歴を見よう


地面の下には何があるのだろう?

私が今住んでいる街には、玉川用水から引いた田無用水路跡にレンガで蓋をした遊歩道があります。自動車の往来が多い古くからの街道と並行していて、移動の道という役割を大いに果たしつつ、車の往来を気にせず歩けて空気も良い、小学生からお年寄りまでが使う生活道路として活躍しています。

1696年頃につくられ1964年頃に蓋がされた田無用水路
市政施行20周年事業として遊歩道化され、田無神社にビオトープが再現されている

『〇〇〇〇の道』と名前がついているこの道の下に、江戸時代から田畑を潤す水路が走っていたことを、小さなお子さんは知らずに歩いています。学校に上がったら、習うのかもしれません。

『足元の下には何があったのかな?』と疑問に思うことが地歴を考える最初の一歩になります。目に見えている地上には、学校や友人関係や生活がありますが、その下(過去)に何があったかを考えることは、自分が今単体でここに存在しているのではないということを実感させてくれます。

”レイヤー”にして考えよう

コンピューターを使う時、ソフトウエアやシステムに、”レイヤー”という考え方があります。『層になっている』『階層』のことを”レイヤー”と言います。ミルフィーユのように層になったお菓子のような感覚です。

地歴も層になっています。遠足シリーズでは、地歴が複雑に重なっている4つの都市をガイドブックにしています。郷土とこの4都市の地歴はどこかでつながっています。どこで、何でつながっているかは、地歴をレイヤーにして考えてみるとわかりやすくなります。

豊臣秀吉は、天下統一すると数十年の間に精力的に土木工事をしました。『天正の地割』という京都での工事では、応仁の乱などで衰退した寺社仏閣を合理的に大胆に寺町通り沿いに移動させました。京都の修学旅行では気をつけてみてください。

御池通にある寺町通の看板

こうした史実があると、今隣り合っている建物でも、時代や建立された理由が違うことがあります。ていねいに見て行かないと分からない場合は、○○時代とざっくりしたことでなく、年号を目安にし、災害や合戦の前後・あるなしなどを見ながら関係を考えると解りやすくなります。

修学先と自分の住む町を関係づけよう

地元と、修学旅行や遠足や校外学習の行き先の関係が分かると、その時代と自分たちとの繋がりを感じることができます。

そんなコースづくりを、グループでしてみてはいかがでしょうか。そして何か分かったことは、他の学年にもシェアしてあげて下さい。

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