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【実感は翌朝】手放すことで見えた価値観の違い

朝起きると、いつもと少しだけ違う景色の部屋。

昨日、リサイクルショップでいくつかの家具を買い取ってもらったからである。
宣言通り、私は本当に手放した。
初めての経験だったが、案外あっさりだった。

万年完成しない部屋について、これまで定期的に波がやってきて落ち込んできたが、その度に、まず部屋を決めて取り掛かろう、と夫が言ってくれた。
全くその通りである。

それで、何度目かわからない落ち込みの末、まず寝室を本当に改造することにした。

人間そう簡単に変わらないと思っていたけど、実は日々変わっている。
生活スタイルも、好みも、自分自身も。

前好きだったものが嫌いになったわけじゃない。
ただ、今の自分とは少し合わなくなったりする。

手放す時なのかもしれない。

ようやく決心して、すると今まで私を縛っていたのは何だったのかと思うくらい、思い切り良く行動できた。

日曜日の午後、ずっと同じ位置にあって取れなかった埃も綺麗にふきとり、ディカプリオ(愛車の名前)に積んで、お店に行った。
大きな一歩。



私は視覚的に満たされてはじめて快適だと感じる。
色が好き、素材の質感が良い、この曲線の技術が良い、柄が美しい、といった具合に。
デザインに魅了されると多少の不便や出費に目を瞑ってしまう。
そしていつも身軽さを考えている。
出かける時の荷物は最小限。
服は、軽くて暖かいダウンジャケットと、サラッと羽織れるウールのコートが1着ずつあればいい。

夫は逆で、完全に機能を見ている。
クッションは触り心地が滑らかか、ベッドは包み込まれる様に柔らかか、ソファは寝そべることができる長さか、部屋は効率よく温まるか、ウォッシュレットはついているか、等々。
そしていつも備えることを考えている。
だから荷物がとにかく多い。
補充の洗剤がなくなる前に、補充の補充をいくつも買い足さないと気が済まない。
ダウンも、コートも、靴も、クローゼットに入りきらないほど、たくさんの種類を持っている。


私たちは、全然違う。
だけど、ソファに並んで座り、YouTubeで同じモノマネを見て、何度もケラケラ笑う。
そういうところが、面白い。


デザイン重視故の私の落ち込みは、夫にはわかるまい。
それなのに、重い家具を一緒に運び出し、付き添ってくれて本当に感謝する。

ウォールナットとポプラがどう違うか、
チークとニレがどう違うか、
そんなことは考えたこともないだろう。
それでいい。
そのままでいてほしい。

私の足りないところを補ってもらい、私も足りないところを補いたい。
価値観の違い、って別れの言葉に使われがちだけれど、むしろこういう時にこそ使える良い言葉だと思う。


さて、私は模様替えのことで頭がいっぱい。

夫に付き合ってもらい、少しずつ進めていこう。


イラストは、私が愛してやまないCH88(スモークドオーク)である。

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