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【唯一続いていること】出会って13年目の夫との仲⑩〜友達以上?〜

この記事では、飽き性な私が唯一続いている夫との仲について、出会った頃の出来事と感情(13年前の記憶)を言葉にしてみています。

なんと、飽き性な私が、こつこつ書き始めた【唯一続いていること】の連載が、10回目になった。
パチパチ(拍手)。

前回のあらすじ

自問自答の末、私は彼への恋心を認め、彼といる時間は本当の自分になることを決めた。


友達以上? 

季節は夏になった。

彼と始めた「新しいこと」は、紆余曲折あったが徐々に形になっていった。


私たちは変わらず友達だった。
なのに、時折、もう友達以上な気もした。


当たり前のように約束して2人で作戦会議。

ある時は疲れたら気分転換に街を歩き、
通りかかったお店が気になって、中を覗き、私はイヤリングを買う。

またある時はアミューズメントパークに入って少し遊ぶ。

食べ物は、2人でシェア。

アイデアが軌道に乗らなければ、また夜まで歩く。
展望台に登って都会の夜景を眺める。

私は、いくら歩いても全然疲れなかった。

なんのきっかけか忘れてしまったけれど、何かをお祝いしようという話になり、海辺のレストランに入ったことがあった。
薄暗くなっていく都会の海岸線が見え、いつもより少しデートっぽかった。

ウニの冷製パスタを生まれて初めて食べた私は、美味しさに感動した。


予定なんて立てずに大体成り行きで、全然デートっぽくないのに。
なのに、もう友達以上な気がする。



この時期の、私の大胆エピソードがある。

立ち寄ったアミューズメントパークの館内を順路に沿って進むと、目の前に相性診断マシーンが現れた。
ベタだけど、2人で並んで手を繋ぎ、ボタンを押すというもの。

もう隣に立っていたから、あとは手を繋いでボタンを押すだけだった。
彼がすぐに手を出してこなかったので(文字通りの意味でもありそうでない意味でもある)、
私が彼の手をとって繋いでみた。

私があの時見惚れた手。
温かくて柔らかくて、驚くほど滑らかだった。

数秒だったけれど、よくわかった。

この人とは手を繋いでいられる。

診断結果は覚えていない笑。



なんだか、思い返してみると私だけが積極的に見えるが、そうでもない。
素直になれるチャンスが、タイミングよくやってきただけだった。
そういうのも、大事。



ある時、彼と一緒に入った店で買ったイヤリングをつけてみた。

「着けてきたんだ」

と彼が言い、
耳元で揺れるチャームに少しだけ触れた。

別れ際の駅でだった。

どちらが誘うともなく、付き合おうという話もなく。
なのに、時折、もう友達以上な気がした。


つづく

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