なぜ気候変動か。

気候変動対策について思うこと。まずはこの記事を。とてもよく纏まっているので、ご存じない方にとってもよくわかるものになっているし、詳しい方の頭の整理にもなる。

気候変動=解のある問

なぜビジネスが動いているか。それは解の出ている問だから。それに気付いている人はマーケットとして投資している。そう、もはや、気候変動は起きているかどうか信じる信じないというようなノストラダムス的な話ではない。どれだけの確率で起きていて、どれだけ対策しなければいけないか、その対策をしない場合に何が起こるかまで、ほとんど科学的に解明されている問題だ。もちろんわからないことはたくさんあるのだが、そのわからないことを突き詰めるよりもすでにわかっていることから、かなりの結論が推測可能な状況になっている。IPCCから多くのレポートが出ているので、ウェブサイトに行って確認するのが一番いいと思う。HPには日本語での概要もまとめられているので、そちらでも良い。

もちろん科学というのは反証されるためにある。つまり気候変動が起きていなかった、という確率も幾ばくかはあるわけですね。じゃあ、いくらかの確率で気候変動は嘘ですから、対策をやるという決定にはなりません、とはならないですよね。今日、雨がふりそうだったら傘を持っていく、糖尿病になりそうと言われたら少し食事を制限する。全く同じ論理だと思います。ならなければラッキー、だけどならないようにする。だから、気候変動が科学的に確からしいかどうかについては、究極的には関係なく、なんらか対策を打つべきなんですね。というかそれ以外の選択肢を考える方が難しくなってきていると思います。

https://www.ipcc.ch/sr15/

では、最初の問題に戻り、なぜビジネスが動いているか。上記のとおり、気候変動対策をやることは世界の前提になっている。つまり、そこには、技術のイノベーションや普及などが必要で、そこにはマーケットがある。簡単なものであれば太陽光発電や電気自動車など。もっと言えば農業の革新や土地利用構造の変革、製造業プロセス変革などなど、様々である。ただ、はっきりしているのはどこに向かわないといけないかということです。とにかくCO2をださないやり方を考えないといけない。そのためにはターゲットとなるマーケットはCO2を出している分野なわけです。それをゲイツは網羅的に分析し、投資先を選んでいます。向かうべき未来の実現に必要と考えられる技術に投資しています。すごくクリアな判断基準だと思います。

気候変動対策≠ゴール;気候変動対策=ツール

ゲイツやこれまで述べてきたことからわかる重要なことは気候変動対策を行う、ということはゴールではないということ。ツールである。ということです。

どういうことかというと、誰も気候変動対策そのものを目指して何かやっているわけではないんですね。温度目標を達成する社会を描いて、それに近くものをやっているわけです。その描く未来がいわばドラえもんのような世界で、魅力的なものだから、そこをめざしていて、進んでいるわけです。投資している人は、気候変動という眼鏡をかけて未来を見た時に、実現したいと思える素敵な未来がイメージとして頭に浮かんだのだと思います。

多くの人が理解に苦しみ、失敗するのはこのツールとゴールを取り違えているところにあるのではないでしょうか。ゲイツの記事にもあるように、ゲイツは誰かに消費を我慢するようには言っていない。これまでの生活を続けているんだけど、その交通手段がCO2出さない電気であったり、食べているものがCO2出さないお肉だったりということになります。消費者は基本的にはこれまでと同じような生活をしている、それが便利になり、栄養豊富になり、CO2削減にも役立っている。

一度「気候変動」という眼鏡をかけて、自分なりに数十年後の世界を描いてみてはどうだろうか。目指すべき世界蔵と、そこに至る手段みたいなものが垣間見える気がします。(ほとんどゲイツが答えをいってしまっています)





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