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『夜に星を放つ』を読みました。

先日、高瀬隼子さんの『おいしいごはんが食べられますように』を買いに行きました。
すると本屋さんの入り口付近に小さな台が設置され、いかにも“今一番のおすすめですよ!”という感じで高瀬隼子さんと窪美澄さんの本が並べられていました。
天邪鬼なので滅多にそういうところでこういう買い方はしないのですが、まんまと本屋さんの思う壺にはまりました。
そのタイトルと表紙に惹かれて窪美澄さんの『夜に星を放つ』も一緒に購入してきました。

五つの短編から成る『夜に星を放つ』
そこを通り過ぎてきた年代だからか、窪美澄さんと歳が近いからなのか、30代の主人公も10代の主人公もそれぞれにその感覚がすーっと私の心に馴染みました。

“真珠星スピカ”は、はじまりに幽霊という言葉が出てきたので「あぁ、そっち系か」と、現実離れした世界の話なんだなと思いながら読み始めました。

交通事故、損傷、顔に白い布。
先日なぜだかふと思い出していた昔の記憶と重なる言葉が並び、ドキッとしました。
私はその白い布に触れなかったけれど、それを外していたらという想像が頭の中に浮かび、ベッドでドキドキしていたのでした。
そんなタイミングでこの本を手にしたことが何か意味があるようも思えて、読みながらまたドキドキしました。
誰かが亡くなっても、みんな生きていく。気持ちの整理ができなくても残された人には日常が続いてゆく。
揚げたてコロッケ、ビール、ウスターソース…真珠のピアス。
イオンのフードコートで読みながら、あやうく泣きそうでした。

見えても見えなくても、感じなくても、幽霊って、やっぱりいると思うな。

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