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創作おとぎ話 うさかめサイコロジー パーティ篇 <連続3日掲載:中篇>

心理学のエッセンスをちょっと交えた『ウサギとカメ』のお話、続編です。

(前回までのお話) 外向的で活発なウサギは、毎年恒例の誕生日パーティを企画中。今年は山登りでちょっと近しい距離に感じるようになったカメを招待。一方、内向的で物静かなカメはパーティに行くべきかやめるべきを激しく悩んでいた。
 
 
ウサギは毎日が楽しくてしょうがなかった。
誕生日パーティをどうするか考えるだけでもワクワクが止まらなくなるのである。

 
【ワンポイント心理学】
先々に楽しいと思えることを予定に入れ、それを考えるようにすると日々の幸福感があがる。人はポジティブな気分であるときに頭がよく働き、やる気が生じ、結果、様々な物事がうまくいく可能性が高まる。こうした幸せな気分がもたらす心身への効果をハピネス・アドバンテージという。
 
 
そして今日は、パーティに出すお菓子の買い出しにやってきた。
やってきたのは、クッキーを100種類以上もそろえているというお店。
 
「うわー、これはスゴイ!見ているだけで楽しい!」
 
初めのうちは、はしゃいでいたウサギであったが、時間が経つにつれだんだん無口になってきた。
 
「いっぱいありすぎて選べない・・・」

 
【ワンポイント心理学】
選択肢はいっぱいある程いいことのように思えるが、実際はその逆。選ぶために、様々な比較検討が必要となり、脳に大きな負荷がかかってしまう。そしてすべてを吟味しきれないために、検討しなかったものの中にもっといいものがあるのではないかとの思いがよぎり、結局買わずに終わってしまうことから「決定回避の法則」と呼ばれている。
 
 
疲れ切ったウサギが、ふと目をわきにやると、そこには人気ランキング表が。
 
「これだ!」
 
ウサギは再び元気を取り戻し、ランキング表を参考に上位の人気商品をベースに、似たような味・形のものを避け、なんとか買い物を終えることに成功した。
 
 
一方そのころカメはというと・・・。
 
「あー、どうしたらいいんだ」
 
まだ、悩んでいるようです。


(明日につづく)

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