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重すぎて洒落にならない女子の章(SS)


 タイトルが川柳みたいで出オチっぽいんだけど。やり場のないかなしみを創作に昇華してみましょう。

 主文、ショートショート。一分くらいで読めます。

 ⌨️

 いや、創作活動に限らない話なんだ。
 人間ってやりたいのにできないことが増えるほど行動するモチベーションも自信も低下しそう。事の次第によっては大切な青春のチャンスや愛すべき人々との信頼関係まで損なってしまうのではないか?

 率直に言うとこの頃noteが重い。普通に読めないほど重たくなっている。
  Android版のアプリだけがそうなの?
 前はもっと軽快な動作だったのにさ。下書きの保存もまともにできねえ、なんてこった。
 そう、とあるiPhoneユーザーの女子にぼやいてみた。いわば素晴らしい才能を秘めた投稿仲間にだ。

「こっちも重い! 遅い! それな! めちゃ共感! よっしゃアタシにまかせろ、運営さんへの脅迫状みたいな改善リクエストを書いて送り付けてやる。 クレーマーみたいに思われたくはないけどこっちだってこれでもただのお遊びじゃねえんだ! カタキうってやらあ! うおお、燃えてきたっ! 今こそペンを握らずしてなんとするー!」

 結果、その女の子は威力業務妨害の容疑で逮捕されてしまった。
 だからぼくは差し入れを買って留置所まで行かなければならない。

 同情する。無念だ。そしてろくでもない裁判の始まる前に自分がそそのかしたわけじゃなかったという言質を取る必要もあると思う。いくらなんでもそんな罪の片棒はかつげない(いや、そもそもぼくらに罪があるなんて世間に認められたくはない)。

 あまりにも日差しの強い初夏だった。一つの重要な問題が別の重大な問題の撃鉄になりえるという道理を学んだ。共感されやすいことを不用意に言ったり書いたりするのも考えものか。

 ともかく、あくまでも君の情熱は閉ざされちゃいけないんだって、急いで言いに行きたい。ブラウザが次の小説の下書きの保存を拒絶したって消滅させたってもはや問答無用の事態だ、焦って駆け出した。なのに、

「そこのあなた、ちょっといいですか?」

 なぜか職務質問、任意同行までうながされた。ろくに空気を読めなさそうなかわいい顔した女性のお巡りさんに。まさか、そんな恐るべき速さで手配書を回されたのか。

「ちがうんですよお巡りさん。人生の困難とはいったい誰にどう伝われば救われるのだろう、ぼくは、少しそう言いたかっただけで」

「はいはい、泣かないの。ゆっくり署で聴かせていただきますからね」


 おしまい( ≖ᴗ≖​)ニヤ


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