見出し画像

冷えてはいけない患者の、猛暑日のおたのしみ

「冷たい」という言語は、人によって違った表現になる。
患者は「ちべたい」と表すことが多い。
方言かなと思ってGoogle先生に訊いてみたら、
京都も大阪も「ひやこい」と指導された。

とにかく。
患者は冷えやすい体質に加え、
副作用の骨髄抑制により白血球が少なく、
すぐに腹をこわすのが日常だ。
ちべたいもの、ひやこいものは
なるべく避ける生活をしている。

毎日、腹巻きは欠かせない。
腹巻きは冬より夏なんですよ、奥さん!
なるべく白湯を飲むようにしているし
なまものを食べるときは、細心の注意を払う。

先日、ナース問診のときに言われたもんね。
「この季節、マスクはもういいから
とにかく食べるものに気を付けてくださいよ」

しかし。腸が冷えたとしても
体感としては、そうとう暑い日々だ。
毎日のように気温35℃を超えておるわけですよ。
食べたいよぉ。ひやこいのん欲しいよぉぉ。

かき氷にアイスクリーム
そうめんに冷やし中華
冷製パスタにざるそば
やみつききゅうりに茄子の冷やし鉢
ももにメロン
スイカに無花果
ビールに枝豆‥
(けっきょく行きつくところはここか)

日本には、なんと美しい食文化があることでしょう!

先日、炎天下を歩き回って。
患者はひやこいものを求めていた。
今日もバッチリ腹巻きとソックスでキメてきた。
外の温度計は36℃を超えている。

地元のスタバが珍しく空いていた。
吸い寄せられるよね。
エアコンのよく効いた屋内で、大阪でいうところの
「冷珈(レイコー←アイスコーヒーの意)」を飲むのが、
正しい夏の過ごし方というものだ。

いつもなら
「ソイラテ、あったかいのん、いちばんちっちゃいサイズ」
が定番の患者も、このときばかりは
思い切ってみる。

「ダークモカチップクリームフラペチーノ、ください!」

フラペチーノっていうものは、
とびきり冷たい上に、カロリーが高い。
これまでどんなに歩き回ったか知らないが、
そんなことは「なかったこと」にして
ついでに「今日は1日ゴロゴロしてたよね」
ってことにされちゃうくらいの破壊力をもつ。

時間をかけて、慎重にフラペチーノをいただいた。
もちろん、文句なしに美味しかった。
途中で溶けちゃったけど、悔いはない。

その日も翌日も、腹は壊れていない。
なんだなんだ、いけるじゃない?

調子にのった患者は、
今日ノンアルコールビールを買ってきた。
これをキンキンに冷やして飲んでやる♪

「猛暑日は、ひやこいものを食べてもいいこと」
手帳に、大きく書いておいた。

ことしは、猛暑日が楽しみだね。