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カラクリ湖に行く(前編)


2019年のお盆休みに新疆ウイグル自治区に行ってきた。ウイグル自治区郊外の湖に行った話。


ウイグルの町並みを楽しみ、ウイグル嬢に振られたっぽくなった後、待望の高山湖であるカラクリ湖に向かった。


カラクリ湖は「カラコルムハイウェイ」と呼ばれる新疆ウイグル治区西部からキルギスを繋ぐ山岳道路で国境を横断する舗装道路としては世界最長と言われている。


ぼくは海外の延々と続く道や山に憧れがある。日本ではあまり思わないが、海外で眼前にどこまでも広がる大地・山 、どこまでも続く道を見たとき何とも言えない満たされた気持ちになる。


ユーラシア大陸には壮大な道がたくさんあると近年知った。例えばアジアンハイウェイは日本から韓国・北朝鮮を通り中国〜東南アジア、インド、中東からトルコへと続くロングハイウェイ。


GHT【グレートヒマラヤトレイル】はネパール・インドのヒマラヤ山脈にある山岳道。6000メートル程の高所(ほぼ山)を長々と縦走したり、時には8000メートル近い標高の道を行く。しかし、そこでしか見られない自然や動物、村や人々の暮らしがある。


話が逸れたが、カラコルムハイウェイ沿いにあるカラクリ湖へ行くためツアーに申し込んだ。本当はローカルのバスで行って、湖周辺で民家に一泊して夜空を眺めて帰ってくる予定だった。しかし四川省成都で問題が発生した為、ウイグル滞在時間が短くなり日帰りツアーに妥協した。【四川空港問題について後日書く予定】


ツアーは高かった。団体の日帰りツアーで7000円〜1万円くらい。キルギスとの国境近くまで行く辺鄙なコースだからマイナーだと思っていたが、中国人の観光客を中心に大人気のようだ。どおりで高いわけだ。


日程が限られていたので、仕方なく時間と便利をお金で買うのとにした。


ツアーを申し込むときに言われた。



 店主「中国人グループに、中国語ガイドだけど、
    おけー?」


 自分「おけよーー」



おけーではなかった。自分以外のツアーの参加者は中国人の大先輩たちばかりだった。お年寄りの団体客だ。車内には中国語のアナウンス、中国語のジョーク、中国語のヤジが飛ぶ。


さすがに団体客で集まってると、日本人とのノリや会話の間合いの違いを見せつけられる。ガイドさんの中国ジョークにみんながウケている時に、自分はどんな顔して聞けばいいんだと困惑した。

完全にアウェイだった。
※カラコルムハイウェイでアウェイといっておこう。


でも人間は適応する生き物。そのうち、なんとなく慣れてくる。ぼくもアホなので、何言ってるか分からんけどなんかオモシロくなってきて、だんだん笑えてきた。まあほとんどは窓の外見て自分の世界に入ってたけど。


ずっと窓の外を眺めていると、いったい自分はどこにいるんだろうと思えてくる。砂漠の中の、シルクロードのオアシス交易都市に来たかと思えば、近代化していて、ちょっとショックを受けた。


だけど、今度は違った意味で裏切られる。禿げた山がどこまでも連なっていて、荒涼としている。日本の山にはない感じ。そしてそこをもっともっと超えればキルギスとか〇〇スタンとか中東に出れると思うと余計にふしぎだ。


途中で休憩した。ガイドの兄ちゃんが休憩所で、ご飯のところまで誘導してくれた。ガイドの兄ちゃんはウイグル系か中東か北方系の顔をしている。もう一人だけ若い女の子がいた。聞いてみるとガイドの兄ちゃんの妹で、ガイドの勉強の為ついてきらしい。3人でごはんを食べた。話せなくてもなんか楽しい雰囲気。いい人に恵まれた。

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↑牛肉麺ならぬヤク麺。道の駅的なところにて。

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↑こんなとこまで来たんだなぁと思わせるような 異国情緒あふれる絵画。



そこから少し行くといよいよ近づいてきた感がある。

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ここまで来るのに関所もあった。その度にパスポートだして、毎回ガイドの兄ちゃんが提出しに行ってくれて、申し訳なかった。

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 ー続ーー

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