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朝ドラ 字の教え方

「こうや、この一本が、千代、あんたやな!」

この台詞は、至極のセリフ。脚本家は誰?

八津弘幸さん。

千代役の毎田暖乃(子役)さんの迫真の演技に朝ドラで泣かされました。周りの役者さん達も息を飲んだんとちゃうん?

千代の台詞がすごかった!

「ウチはほんまにひとりや・・・ もうどこにも帰るところがありません! お願いします !ここに置いてやってください!もうここしかあれへんのです。ウチ を助けてください! 届けものもきちんと届けます !口答えもしません!せやさかい・・・」

千代は、前日のお使いを時間通りに果たすことができず、「岡安」の女将シズにクビを言い渡され、帰る場所のない千代でしたがそのことは誰にも言わず、次の朝、一人出て行きます。その後、そのことを知ったシズの母ハナ達が千代を見つけて、千代を「岡安」に連れ戻します。千代は、シズに隠していた身の上話を話した後、シズに向かって涙ながらにあの台詞を言うのです。そして、遂に「岡安」のおちょやんと認められます。

読み書きのできない千代は、天海一座座長の息子一平に読み書きの手解きを受け、結露した汚れた4枚のガラスに「父」「母」「家」「弟」と「岡安」を去る前に書き残していきました。

それを見たシズが「家」の字が間違えていることを指摘します。八画目のはらいが一本足りません。「岡安」の主人、宗助が正しい「家」の字を書いて言う台詞が、そう、あの至極のセリフです。

これ書いた人、偉くない?

字を教えながら情操教育をやるなんて!脚本家がこの人なら、この先もこの「おちょやん」を見てみたいと心底思いました。

(See you)