お笑い留学①2か月で100コント作る体験

昨年コロナにかかってしまい、それから3週間くらい無気力に感じる日々が続いた。なんとか気持ちが立て直したいをしたいと考えた結果、昔から憧れてはいたものも諦めていた芸人を目指してみようと考えるに至った。時間に余裕のある生活をしている最近。せっかくならとことんやったろうとお笑いの家庭教師のようなサービスに応募をしてみることにした。その先生は、元フワちゃんの相方、2度別のコンビでキングオブコント準決勝進出、300組以上の芸人のネタ制作に携わる等などの凄腕ネタ作家の芝山大輔さん。そんな人からたっぷり時間を頂き、2か月間おもしろくなるための伴走をしてもらった。おかげさまでおもしろい人と紹介してもらえる程度には成長できた。全部は話せないけど、紹介できる範囲で教えてもらったことや自分の体験した世界をお伝えできたらと思う。

ギリ紹介できる授業内容

マンツーマンの中で、めちゃたくさんのことを教えてもらった。おかげでつくったコントの数は100以上。まさかこんなに作れるとは思いもしなかった。ひとえに芝山さんのおかげである。ここでは、ギリお伝えできる範囲で一部を紹介できたらと思う。

世の中にはどんなコントのパターンがあるのか?

実例をよく出してもらいながら"おもしろい"に関しての座学があった。特に印象的だったのは、300組以上のコンビのネタ制作に携わった経験から見えてきた幾つかのコントのパターンの授業。目ん玉から鱗の内容だった。大量にコントをつくれた主な理由はここにあると思っていて、自分の考えた設定を、教えてもらったコントのパターンに当てはめることでポップコーンの如く次々とネタが生まれていった。

自分に適う"おもしろさ"とは~キャラの受容が難しい~

自分のキャラに合うおもしろさを発掘してもらった。これがめちゃくちゃ大事で、「どうしてあいつと同じネタをやってもウケないのか?」という長年の謎が解けた時間であった。(中学生の頃、よくパクったネタを披露して滑っていた) 内容としては、以下の内容をもっと詳細にマンツーマンで丁寧に教えてもらった感じだ。

たぶん診断に加えて伴走をしてもらうのが味噌で、というのも自分一人では自分のキャラを受容しきれないことがあるからだ。例えば、自分は芝山さんから(友人からも)単純なボケのコントが向いていると言われた。なんとなく前から自分でも分かっていたことだけど、受験で友達に負けた経験などで染みついた『賢くあらなきゃ病』の影響力が思いのほか強く、つい知的に見えるコントばかりつくってしまった。結果は当然難しすぎるなどして伝わらないものばかりになった。このような失敗を一緒に、短期間で、何度も経験し、FBをもらった。そうすると、ある意味の諦めがつき、自分に適した程度の単純なボケを少しずつ作れるようになっていった。

自分にとっておきのスタイルで伴走をしてもらった

教える人に合わせて伴走の仕方を変えているとのことだった。自分の場合は、0→1が得意とのことだったので、とにかくコントの数を出して、そのうち可能性のあるものをブラッシュアップをしていくスタイルでやっていただいた。(可能性があるとされたものの多くは、自分が恥ずかしくて出せる物じゃないと思うもので意外だった) 
また、教えてもらいたい内容の提案にたくさん応えてもらった。例えば、言葉遊びで笑いを取りたいと考えていた時には、その芸風が得意な芸人の方を教えてもらったり、お笑いの戦略を考えたい時には、自分に合う笑わせたいターゲットが誰かを一緒に考えてもらったりした。
さらには、モチベーションも上げてくれた。内容は同じタイプの人がいたら効果半減するかもなので伏せるけど、結果的には食事中、移動中、夢の中までお笑いのことを考える程に、生き方「芸人」に無我夢中になった。特に終盤はネタが尽きて気持ちが沈んだ時に支えていただいて、ここはマンツーマンマンならではだなと感じた。

人生初のお笑い漬けをやってみて

大きな収穫は2つあった。
1つ目は、前述の通り、自分のキャラを受け入れ運用し始めるようになったこと。「ウケない」を繰り返し、諦める所を諦め、自分のキャラに合わない方向を目指す、いわゆる「憧れる」をやめることができた。
少し余談だが、そもそも「お笑い」という枠組み自体が自己受容に向いていると思う。第一に、ユーモアは心理学の世界で成熟した防衛機制として位置づけられているらしく、確かに自分の認めたくない部分を、キャラの魅力としてどのようにおもしろに仕立て上げるかと考える。第二に、お笑いを極めた先には「モテる」とか「人気者になる」とか、幼少期から代々伝わる最強の動機付けが見え隠れする。だから、痛みを伴う自己受容を乗り越えられるパワーがある。自分からは売れている芸人さんが人格者に見えているのだが、これはお笑いの力なのかもしれない。
2つ目は、思いやり上手になったこと。当然と言えば当然だが、爆笑を取るには、めちゃくちゃ人の気持ちを考えないといけない。その言葉から連想されるものに感情的にノイズになるものはないか。一瞬で察することができる程度に言葉を省けているか。安心して笑うことができるような導線を引けているか。今まで自分が考えたことのない枠組みで人の気持ち・感情を捉えるようになった。
どちらも人間関係において、めちゃくちゃ大事なスキルだと思う。人間関係構築スキルは人生においてスーパー上位に入る重要要素だけど、きっとめちゃ大事なものを学び取れたと思う。

これからのこと

5月からLush musicという事務所でお笑い部門が立ち上がるとのこと。講師の1人が今回お世話になった芝山さんだ。自分でもビックリだけど、まさかもまさか、そこに入る決断をしている。こんな人生があるとは思いもしなかった。大学生の頃に首を傾げた「人生は小説よりも奇なり」という言葉、やっと首を縦に振って受け止められるようになった。いろいろと不安もあるけど、ハマってしまった自分が止められない。このまま全力疾走で駆け抜けていく。

お笑い留学のアナザーストーリー!大喜利を極めた1か月

今回は、コント制作をメインにお笑いについて書いてみたが、後半の1か月は大喜利もガチガチに頑張った。結果として「大喜利茶屋」という猛者の集まる場所で、ある枠において1位を取ることができた。その時に何をしたのか?という話もできたらと思う。




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