見出し画像

揺れる花壇の線香花火

「燃える思い」

これはサルビアの花言葉である。
丈が低く、花は二重構造になっていて暑さに強いサルビアは夏の花壇を彩るのにぴったりな花である。サルビアはセージとも呼ばれ多数の種類があり薬用や鑑賞用として用いられる。そのためのせいか学名は「健康でいるsalveo」に由来するとされている。

学校の花壇や家の庭で夏を彩る花として当然のように植わっていたのがサルビアだった気がする。小学生の頃は元より背が低かったせいか花壇と私の距離は近く、サルビアの真っ赤な花が鮮烈に目に映ったのを覚えている。それもただ真っ赤なのではなく、朱色の混ざった独特の赤色が珍しく感じた。花が火花をちらつかせた線香花火のように集まり細長く伸びる炎のように見えるから「燃える思い」と言う花言葉がつけられたのではないかと勝手に想像してしまうくらいだ。

夏の燃えるような赤を纏うのではなく、少し落ち着いた秋の刹那を思わせるようなサルビアは品があり、たおやかな火を連想させてくれる。情熱的に燃える思いよりも、内面に秘めた燃える思いの方が郷愁を誘い出し、纏わり付くような鬱陶しさから解放してくれるように思える。心の底に溜まった燃える思いをたおやかな感情で鎮火する、そんな9月のはじまりが生きているうちに一回くらいはあってもいいのかもしれない。

#エッセイ
#花言葉
#花
#サルビア
#心
#夏
#9月
#すずらんの想い
#note
#スキしてみて
#ガーデニング
#フラワー
#ガーデン
#秋


この記事が参加している募集

#スキしてみて

527,899件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?