見出し画像

図書館で借りたミニマリスト本がなかなかだったのでレビュー「お気楽ひとり暮らし。」




図書館のミニマリスト本は魔界

お久しぶりのミニマリストインフルエンサー批評になります。
私は未だにインフルエンサーたちのSNSを確認したり、定期的にミニマリスト本を読んだりしています。
心理学の本とか生き方系の本はトラウマにぶち当たって辛い時もあるんですが(一回寝込んだ)、
ミニマリスト本は薄い•分かりやすい•写真が多い•種類が豊富(図書館にもいっぱいある)•鬱を引き起こしにくいの5拍子なので、鬱病の私がスマホから離れたいときに便利です。

とにかくお金がないので図書館で借りまくる私ですが、図書館で借りるという事は必然的に「出版直後ではない」本の率が高いです。(直後の場合は在庫があってもかなり順番待ちするので)
ただミニマリスト本は当たり外れが激しいし、なんならハズレの方が多いので、個人的には即買ってメルカリで捌く用意をしておくか、読み放題で見るか、図書館で借りるかをお勧めします。ミニマリスト本ほどいきなり定価で買って(特に返品不可の電子書籍は注意)後悔するジャンルはないとめちゃくちゃ読み漁ってる私が保証します。

ミニマリスト本は移り変わりがかなり激しく(やたらミニマリストインフルエンサーがいるので)、本屋さんでは新刊をちょこっと置くか、有名なミニマリスト本(もう僕たちにモノは必要ないとか手ぶらで生きるとかミニマル主義あたりかな)以外はすぐに流れていきます。
それでも固定ファンのあるミニマリストなら本はネットで売れるので検索すると上位に現れるのですが、そうでない(評判がよくなかった、著者が活動をやめてしまった)ミニマリスト本というのは1-2年で忘れられていきます。
でもそんな本を検索しやすく手軽に読めてしまう場所がある。それが図書館です。
最初「図書館にある本は審査されてるでしょ」とか思ってましたが、よほど過激でない限りはリクエストされたとんでもない本も混ざっていたりします(自分語りが凄まじいなと思い筆者を調べるとアム◯ェイでやらかした人だったという本が本棚にスンッと置いてあったりします)。

今回の図書「お気楽ひとり暮らし。」

著者はyorikoさんです。

※リンクはちょっと説明の都合上後で貼ります。

近所の図書館で借りました

ミニマリストあるある「独身•非正規•女子力低い」の三拍子です。
ミニマリストに憧れてなりました!というよりは三拍子によりミニマリストにならざるを得なかった系の人が多いです。(私も近しいけど)

筆者の事は全く知らず、2020年発行のため「その時はフォロワーが多かったのかな」くらいに考え読み始めました。がしかしAmazonレビュー大荒れのなかなかな本だったのでご紹介します。

個人的違和感を覚えるポエマーな「はじめに」

10年付き合った彼氏と別れ、36歳独身派遣社員になり「人生終わった感が漂います」という所から小さな幸せを見出せるようになり「薔薇色の人生はやってこなくとも、かすみ草の人生はそだてられるはず。」(「」内は原文そのまま)というところから本は始まります。

薔薇色とかかすみ草とか文章で使った事ないなぁ、随分とまぁポエマーだなぁと。
そしてこの「結婚」というワードは何度も何度も本の中で出てくるので、かなり筆者は気にしていたのだと思います。

でも、ミニマリスト本はある種のスピリチュアル本に近い所もあるので「こういうタイプもいるかな」と考えておりました。

SNSを承認欲求で使うと病むぞ

読み進めたチャプター1のとこにて次のような記載があります。

承認欲求やコミュニケーションで悩んでいる人がいたら、「SNSで発信してみると世界が広がるよ。試してみて」と伝えたいです。

p23より引用

これを読み(そんなことしたらものすごく拗らせそうだけど大丈夫?若者それでよく病んでるけど?SNSで承認欲求を求めない方がいいと思うけど…)と私は思いました。
確かに筆者は上手く行った(受け入れてもらいフォロワーを稼げた)人だけど、みんなが上手くいくわけでもなく、なんならコミュケーションで悩んでいる人がSNSやって上手くいくのか?ある種のSNSでの対応を身につけないとダメだし、(SNSでもダメだ、もうおしまいだ)にもなりうる訳で。そして2020年発行なので、その頃SNS興味ある人はもうやってるだろとも。(疎い人なら余計に簡単に承認欲求のためにやらない方がいいと思う)。


チャプター4 不要なおしゃれでの気になった点

もういらない という所にて、髪型やメイクやジェルネイルというおしゃれについて

「モテそうだからやってみたかったんだ」ということ(笑)。

お気楽ひとり暮らし。p95より

誰かのためにやるおしゃれは、そろそろ必要ないかなぁと思うのです。

上記と引用同じ

と記載されておりました。

うーん。
ちなみに私は現在ありがたい事に彼氏が居るのですが、所謂男性向けを意識してるオシャレを手放すという時は「異性と出会うのを諦めた」時と「素を受け入れてくれる男性(夫、彼氏)がいる」場合の2パターンに別れるかと思うのです。

だって例え出会いの場や紹介を受けようとも「ほぼすっぴんシンプルな服装アクセほぼなし」というのはよほど美人か若い人でない限り恋愛対象にしてもらえないのが現実です。(紹介婚活イベントマッチングアプリでかなり会ってきた私調べ)

もちろん筆者はスキンケアや少量の化粧品、ワンピース3着、数点のイヤリング、ブランドバッグはあるのですが(この時点で表紙に書いてある女子力0ではないと思う)、まぁかすみ草と言っているし、今は恋愛モードではなく結婚もする予定はないのだろうなと。

で、私は

親友ダムスへの昨晩のLINE

ダムスへLINEを送り寝ました。

大荒れのコメント欄&Amazonレビュー


報告動画に荒れるYouTubeコメント欄

翌朝、そういえばこの人聞いたことないけど今活動辞めてるのかな?YouTube見てみようと検索した所


2年前で更新が止まっていた

あれ、最後の動画2人映ってるけど?

個人ページ内のおすすめ動画で再生数が1番高いご報告


で、報告動画で「私事ですが結婚しました」と。
えーなんだ。じゃあ独身とか今はもう違うのねとおもってお祝いで溢れてるだろうコメント欄を見た所めちゃくちゃに荒れてました。

まぁ、独身生活系の人が結婚したらジャンルがかなり変わってしまうしなぁ、でもなんでここまで荒れてるんだ?というと

•おひとりさま売りだったのに突然結婚報告されたので裏切られた気持ちになった
•他人への配慮が足りない
•本を出版して4ヶ月で結婚

同じ境遇の方がファン(登録者)だったのにそれを裏切る形になった模様。
伝え方がプライベート売りのvlog系YouTuberがいきなり結婚だとまぁ、批判はされやすいだろうとは思いますが、そんなことより

noteでかなりやらかしたらしい(現在は削除されてる。結婚が勝ち組、幸せ、僻まないで、でも動画は見てね的な印象を受ける内容を書いた模様)


評価が時期により二分化されるAmazonレビュー


そして、本のAmazonリンクがこちら

評価がこちら。

星1つが星4つより多い

どういう事かというと、評価の高いレビューは出版直後によるもので、星1つは先程の結婚報告後によるものでした。

↑役に立ったが多い元ファンの方によるレビュー

↑noteの引用があるレビュー


と、とにかくファンの方がレビュー追記をしてショックを受けているような状態でした。
「つまんない!」「内容がイマイチ」「ミニマリストの参考にならなかった」というレビューがありがちなミニマリスト本ですが、それよりもファンの方のショックな声が多かったのが印象的です。

確かに先程書いたチャプター4のおしゃれについての所は、すでに結婚を意識する相手がいる状態かどうかでかなり意味合いが違うよなと。

で、(半分まで読んだ私はこの先どう読み進めればいいんだ?)と思いつつも突っ込みながら見ていきます。読み終えてから検索した方が良かったな。

チャプター6 毎月いくら貯金すれば老後は安心?人生設計は大事です

35歳から60歳までの25年間に、毎月5万6,000円ずつ貯金をすれば、なんとか生きていけそうだということがわかってきました。
月に5万6,000円の貯金なら、60歳までなんとか頑張れそうな気がしますよね。

お気楽ひとり暮らし。p127

一人暮らしで家賃(43000円)光熱費(10000円)生活費払う派遣社員(手取り18-20万円、住民税は自己負担(p145))がボーナスなくてそんなに毎月貯金できるかよ!!!
なんとか頑張れる?これ読んでる人は大体私みたいに非正規だったり一人暮らしだったりすると思うけど???

でも、その後を読むと
•派遣のお給料から2万円(銀行預金へ)
•YouTubeなど副業の収入から3-5万円(投資信託へ)
とあったので、実質毎月2万円なんですね。なんだ。
そしてYouTubeの収益について、

初めて収益が出たのが7月。そのときの金額が4万円でした。

p147

月によって変動がありますが、平均すると月15万円程度でしょうか。本当に有難いです。

p147

とのこと。
やりくりしてるタイプのYouTuberでここまで収益を明らかにしてくれる人なかなかいないのでそこはすごいなと思いました。でも確かにこれくらい儲かったら「節約生活」売りできないもんなぁと。

結局毎月いくら稼いでるんだ?と計算すると
毎月の派遣収入が最低額の18万円としても収益が平均15万円なので、毎月33万円。年に396万円。まぁ、そこから住民税とかあるにしても一人暮らしにしたら充分
裕福じゃねぇか!

そして、Amazonレビューにあるように

本の帯

年収200万円って嘘じゃねぇか。
しかもぼっちじゃねぇじゃん。(本の中で人との会話が少ない時はSiriに話しかけるとあって正気か?と思ったけど彼氏の間違いなのかな)
そして結婚発表後のnoteが色々やらかしたところをみるとメンタル弱めもどうなんだろう、ある程度ずうずうしさがある程度はないと「距離はおいても私の動画は見てね」なんて言えないもんな。いやでもメンタルの強い弱いって本当のところないからね(元心理学部より)。

チャプター7 漠然とした不安について考える

ここでは(p168)、
「「結婚したい」というモヤモヤを抱えているなら〜」
という問題の解決に向けてのヒントとして
「1人が不安→家族、友達と暮らす、コミュニティに参加する」
という感情分析&図式(p169)が載っています。

これは同感した読者が読んだ後結婚されたら裏切られた感強いだろうなぁと。
というか何でわざわざ結婚を例に出したのか
「収入」「部屋が狭い」とかでも成り立つし、やっぱり頭の中は「結婚」が占めていたんだろうな。

だったらいっそ「結婚したい」
というモヤモヤに対して
「人間関係を増やす、出会いの場に行く」
という結婚へ向けた道も出しているのなら(あぁそちらに行ったのだな)と思えるけれど、それは書いてないんですよね。可能性があるなら逃げ道(と言っていいかわからないけれど)を作っておいてもいいのに。

「おわりに」(最終章)(すごい)

あとびっくりしたというか、1番違和感を感じたのがここ。
最後まで読んだ読者にお願いがありますとして(読んでくれてありがとうだけじゃなくてお願いが入ってくることにまずびっくりしたけれど)、
あなたの呪いを一つ捨ててください。」とあるんですね。
で、その後の文を1番抜粋すると、

仕事•結婚•出産など女性が敏感に感じやすいライフステージの変化が訪れる時期。今まで生きてきた思考のクセや、身近な人の環境の変化、世間の目によって、メンタルはいとも簡単にやられちゃいます。

36年間なんにもなかった私は、ずっと何者かにならなければいけないと呪いをかけていました。爪痕を残そうと必死に生きてきましたが、どんどんしんどくなるばかりでした。

もしあなたも、そんなふうに思っていたら、すぐにやめてほしいな。

p189-190より引用

最後の方は
「ただ生きるってそれだけですごい、もうそれだけですごい。」
とまた謎のポエムが始まっており、綺麗事大嫌いな私には????という感じでした。
そしておわりの章というのは(特に読者に向けて)感謝を述べる方が多いのですが、この章を読んだ感想が(なんかめちゃくちゃ上から目線だな)という。終わりを読んでそう感じたのは生まれて初めてかもしれない。
文中にあった「〜しましょう」「〜してください」というのは、よほど立場のある人若しくは年配の方でないと受け入れ難いし(だとしても威圧的であるとは思われるので初の本ならやめた方が無難)、
「なんの取り柄もない派遣OLが〜」とそ言っていた人が書く文章ではないなと思いました。

そして、あっでもこの後結婚する人なのかと考えるとより悩みます。それはレビュー荒れるよなぁと。
YouTuberになってコーヒー売ったりオフ会開いたり本出して挙句結婚って、まだ呪われてたんじゃん…。やめられてないじゃん…。

私的感想まとめ

おわりの章もパンチありましたが、もう一つびっくりしたのが、本の中のコラムのこちら。

某高級カフェでフラペチーノをキメ込んだ日曜の昼下がり、テラス席で読書をする贅沢な時間。こんなひとり時間を満喫できるなんてわたしはなんて恵まれてるのでしょう。八百万の神様に「ありがとう🖤🖤🖤」と叫びたい気持ちでいっぱいです。

p100より引用

えっ何言ってんだこいつ
と。「でも帰りにサドルに鳥のフンが落ちてました」というオチなのだけど、最初は「散財時代の話」「夢オチ」かなと思ったので、そうじゃないのか、これはただの本音なのかと。
もちろん頻度や額も知らないし、どこでお金を使うのかなんて個人の自由だけど、わざわざ1人読書のために高級店に行ってフラペチーノを頼んでテラス席を選ぶというのは、結局お金をある程度稼いでキラキラした生活がしたいのだな、かすみ草なめんなと思いました。(あとハートは何なのだろう)

個人的には違和感が強かったので、本のサブタイトルでだしている「独身、非正規、女子力ゼロ」はやめといた方が良かったんじゃないかと。
「ミニマリスト」「自炊」だけでもある程度再生数はとれるので、
10年付き合った彼氏に振られた派遣30半ばだけど絶対結婚する!副業もバリバリやって稼ぎまくるわ!
というありのまま方向で良かったんじゃないかなと。共感される層はかなり変わってくるけど、応援してくれる人や婚活中で勇気もらえる人とかもいるんじゃなかろうかと。そういうタイプのミニマリストはあまりいないので(大体みんな自称HSP友達少ない人付き合い苦手恋人いないのパターン)、差別化にはなるんじゃないかと。

と、真面目に考えてみたけれど、まぁ不完全な自分や努力してる自分を出すのは筆者だと嫌だったのかもしれない。
だから「1人でも楽しいんですよ」のおひとり様暮らし路線にしたのだろうなぁ。
せっかく収益化十分にできて本も出せて結婚したのにSNS終わりっていうのはなんか勿体無いなというのと、なんだか悲しいなぁと思いました。
まぁでも何かの路線でめちゃくちゃ稼げそうな人ではある。逞しそう。

おわり

この記事が参加している募集

#読書感想文

189,937件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?