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ディズニーでLB(リミットブレイク)

1、LB(リミットブレイク)をゆるす

 小学6年生になるまで両目ともずっと均等だった息子の視力(裸眼)が、1.0から0.7まで急落した。たしか、去年の春先に分かったことだ。

 得意げにゲロッた原因の1つが、「Youtube攻略動画をいくつも視聴しながらゲームのやり込みプレイをしていた」ことだった。わたしが仕事でうちをあける日がだんだん多くなっていったのもあり、気がゆるんだのだろう。1日1時間なんてルールを、親の居ぬ間もけなげに守る性格ではなかった。いつのまにか、長時間、画面を凝視する習慣がついてしまっていたのだ。

 わたしがこどもの頃は「1.5」という数字がふつうにあった。今の視力検査では「A(1.0以上)B(0.7~0.9)C(0.3~0.6)D(0.2以下)」というランク付けをされる。息子が持ってきた検査結果のメモによるとかぎりなくCに近いBらしい。

 視力低下と約束破り。2つのかなしい事実が判明した日から、息子と話し合い「次の検査で回復の兆しがみえるまでゲームは1日1時間」と、改めて決めた。……が、それでも親の目をぬすんでプレイしてしまう。けっして、すきなアニメや漫画を息子からとりあげたわけではない。OKラインに上乗せしてあそぼうとするのだ。さらに、夜中ふとんの中にもぐってプレイするという本末転倒ぶり。怒りのゲージがたまるんじゃなく、Why?のきもちが強くなった。ウソがバレては「もうしません」のくり返し。信用を失っているよ、というのを切々と話した。

 問い質したら、「ゲームはストレス発散になるから」と。その気持ちは、わからなくもないがキミのやっていることは裏切りの連続なんだよね。意気消沈しながら伝えたのを覚えている。そして、わが家では一時的にゲーム・タブレット類は一切禁止となった。いったん完全になくす。わたしもやらずそれ以外のあそびをすることにした。なお、DQウォークは親子一緒にするさんぽがてらの体力つくりをかねた趣味としてOK(むしろ推奨)していた。

 とまあ、

 よそさまにとってはどうでもよい、わが家の事情を書いたが、つまりそれが「リミット」である。これを、1月4日だけは「ブレイク」していいものとした。なぜかって、ディズニーランドに行くからである。クソ長い行列を何十分も待つあいだ多少のドーピングをしなきゃやってられんだろう、と。ゆるい。こういうときわたしはひじょうにゆるい。そして、前書きが長い。驚くほどでもないだろうがこれは長すぎる。だが、仕方ない。推敲なしの、おもいつきの日記だから。

2、チュロス5種類たべるはずだった

 ディズニーリゾート(ランド&シー)に行くと、やたら露店が目につく。チュロスを買ってしまう。種類が豊富なのに1人1本を手にしてしまって、おなかがいっぱいになる。これを毎度やらかす。

 無念を断ち切るため今回は、「1味1本3人で分けよう、全テイスト制覇するのだ、わーっはっは!」と高笑いしていたのだが、なんと、こんな日に限ってチュロス遭遇率がガクッと落ちて『きなこチュロス』しか買わなかった。小6息子がボソりともらす。「おもってたよりキナコキナコしてない」と……うん、わかる。シュガーシュガーしてるよな。もっとこう、口の中が乾くようなもさもさ感がほしかったよね、きなこフレーバー独特の。

 キッズの表情がくもりだすより先に、ピザを与えておいた。好評だった。

3、シンデレラ城で短歌をよむ

 まさか、シンデレラ城が工事中とはおもわないじゃん。即席で短歌をよみたくもなるじゃん。あいかわらず「5,7,5,7,7」さえ合っていればいいという低スタンスなのがつらい。

 ファミリー・こども向けのアトラクション『空飛ぶダンボ』待合い列からの風景がなんともいえなかった。乗り物ではスマホ・カメラ禁止なので撮影はできなかったが、ダンボに乗って「↑」ボタンで極限まで上昇させたときにみえる外装カバーの城は、ほんとに異様というか異物というか、逆にここでは異世界のモノってかんじがしてすごかった。なんじゃこりゃあああっ、と叫びたいひとはダンボ、ダンボ、ダンボがおすすめである。

4、令和版『ねるとん紅鯨団』

 いつも後回しになりがちだったトゥーンタウンをまわる。

 多少のコスプレは当然でしょ、みたいなディズニー好きが集う写真撮影のメッカみたいな一角があるのに気付いた。それも、女4~8名、男4~8名みたいな(見たかんじ)同性同士のグループがぎゅっとしたなかに点在しており、基本的には他人同士なのでほぼ交わろうとしない。が、観察していると稀にもじもじしながら特攻するヤツがあらわれて「一緒に写りませんかァッ!」とかやっている。ほどよい笑いと緊張感をうむが、なごむ。令和版『ねるとん紅鯨団』がリアルタイムで観れるスポットである。

 小6息子に「なんだナンパする場所か」と、わざと聞こえるようにこぼしておいた。ヒントは、ツイートした写真の近くである。

5、出会い系アプリの連敗話

 「アトラクションの列に並んでいるときにいるうしろのひと」って、概ねじぶんでは選びようがないから困る。たった1度きりの前後関係でおわるのがほとんどだけど、ディズニーで60分だの100分だのをともに過ごす仲で、こっちにはキッズがいるから極力ヘンな話題で盛り上がっていてほしくないな、と願う。まあ、リミットブレイク中の小6息子は目前のゲームにしか意識がなかったろうけど、小3娘は暇つぶしの材料を使わないでわたしとしゃべりながら聞き耳を立てていたはずだし(あのひとは何いってんの?と質問されたりする)。

 きょうは「ディズニーシーをやたらディスってうるさい男性」のほか、「女の扱い方・女との付き合い方について談義する男性たち」などがいた。うーん。神経をよそに集中させていても声が耳に入ってくるので、もうちょいボリューム下げてほしかったなあと心の中でおもっていた。

 ただ、スペースマウンテンでうしろにいた男性は、詳細は省くが、めちゃくちゃピュアでいい子やん……とおもわざるをえない名言を連発していたのでビジュアルやファッション的にどんなひとなのか振り向きたくてたまらなかったが、やめておいた。彼にはどうかしあわせになってほしい。