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何もしない人間は、なんだって好きになれない



若干苦労して生きていくのはいいことだ。
波乱のある道を歩むことはよいことなのだ。



幸福というのはおそらくいつも、
ある種の不安、ある種の情念、
すなわちわれわれを自分自身に対して目覚めさせるような、苦痛の切っ先を前提にしている。



ふつうは現実の富よりも想像力によって大きな富が得られるものである。

なぜかというと、
現実の富が得られると、人はそれですべてが終わったと思い込み、
その場に座り込んで、もう求めることをしなくなるからである。




富には二種類ある。

手に入れると座り込んでしまうような富はわれわれを退屈させる。

われわれの好む富というのは、更にその次の計画や仕事を求める富である。


なぜなら、われわれの気に入るのは見えない力であるから。
休息している力ではなくて、行動している力だから。


何もしない人間は、なんだって好きになれないのだ。


困難なものがわれわれは好きなのだ。


だから、行く道に何か障害があるたびごとに、血が湧き、炎が燃えあがる。



何の苦労もなく得られたオリンピックのメダルなど
誰が欲しがるだろうか。



だれ一人欲しがる者はいない。




Alain,1998


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