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フスイ
2019年8月24日 22:00
<最低>『正直ならいいってもんじゃねえんだ。わかるか?』……?『嘘吐きはな。優しいから、嘘を吐くんだよ。相手の笑顔の裏で、自分が何倍も傷付くことを受け入れられるのが、本当の嘘吐きなんだ。相手のために嘘を吐くか、自分のために嘘を重ねるかの違いだ。自分のために嘘を吐き続ける奴は、ただの自分勝手だ』……、……『そうだなぁ。勿論、嘘を吐くのは、本当は良くないことだ。嘘を吐かないでみ
2019年8月22日 20:32
<魔眼>「そうだったんだぁ~……それで不安になって、お店まで来ちゃったの?」ほえ~という表情で、Aさんは言った。驚いているようにも、呆れているようにも見えた。部屋に入るなり、来訪の理由を話し、非礼を詫びた。自分の思考がぐちゃぐちゃになり、言い知れぬ不安を感じ、急な来店に繋がったことの説明をした。本来なら、およそ2ヶ月ぶりの上京ともなれば、「新しい門出を祝って!」のように、あくまで
2019年8月20日 21:46
<選択>「ベッドにする? それとも、マットにする?」事の用意を始めた矢先、Aさんはそう尋ねてきた。これには困った。ここでいう「マット」というのは、専用のローションとエアマット(ゴムボートのような物、と考えてもらって差し支えない)を用いた、和風俗特有のサービスである。始祖は川崎、堀之内のソープ嬢とされており、今から約50年も前(!)に開発された技術体系だという。詳細は割愛させていただく
2019年8月17日 16:24
<無音>10月。一度も店に行かず過ごしたのは、実に10ヶ月ぶりだった。肉体的にも精神的にも、とても楽だったのは、なんとも皮肉な話だ。登楼がいかに自分の心身をすり減らしていたのか、窺い知れるというものである。とは言え、世話になった女性達の写メ日記については、ちょこちょこと拝見していた。元気でやっているかどうかが気になったし、注目度が上がりやすいよう、ランキング等の投票には協力していたからだ。
2019年8月13日 21:20
<潮時>9月末の休日。いつものように、重たい体を引き摺りながら、店へ向かっていた。それにしても、この日の重さは格別だった。理由は単純明快だ。決別を宣言するためである。2度と、店に来ることはないと。きっかけは、思わぬ形で訪れた。贖罪を理由に、今後も通い続けるのは責務ではないか、と考えていたところを、別の事情で、それができなくなった。かねてより交流があった女性の1人と、正式に交際が
2019年8月11日 21:22
<冷笑>約束を取り付けてから数日、何度かLINEのやり取りを繰り返した後。一通の連絡で、状況は一変した。「この間は思わず外で会う、なんて言っちゃいましたけど、すみません。やっぱり、お店に来られないなんて辛すぎます」――さもありなん、である。当然、落ち込んだ。だが、彼女の気持ちはおおいにわかった。ロングタイムで入るものの、行為はスローで摩擦・消耗が少なく、そのくせ月辺りで入る回
2019年8月10日 22:21
<慕情>彼女は一言で言うと、「つくる」のが下手な人だった。「繕う」、と言ってもよいかもしれない。再訪は、素直に喜ばれた。聞けば、どこの店でも多かれ少なかれ、本指名が取れるとコンパニオンの取り分は増えるらしい。面識があり、尚且つ清潔で、体を乱暴に扱わない客は、安心感も大きいのだと言う。逆に、短時間で何度も”致して”来る客は、非常に負担が大きいそうだ。いなそうにも機嫌を損ねたり、暴言を吐いて
2019年8月9日 21:21
<課題>4月に入った。だいぶ場慣れし、安心して店やコンパニオンを選べるようになってきた一方で、”修練”に関しては行き詰まりを感じ始めていたのがこの頃だった。理由はいくつかある。1つ目は、前戯に時間をかければかけるほど、自分自身のボルテージが下がってしまうこと。これにより、指や舌の修練はともかく、ピストン動作の改善が叶わないのだ。不発のまま店を去ったケースは、少なくない状況がこれに当たる
2019年8月7日 23:41
<系譜>自分がソープ通いを始めて、3ヶ月ほどが過ぎた。この頃になると、ようやく初対面の女性と相対しても、どんな流れで接客がスタートするのか、どこで自分の事情を切り出せばよいのか、相手の反応にどう切り返していくか……諸々の機微が、少しずつ掴めてくるものだ。以下は初期に自分がお世話になった方々と、行為の是非を記録したものだ。◎は大成功、○は成功、△は青息吐息、☓は不発だった時の記録である。
2019年8月5日 23:55
<洗礼>こうして始めた、吉原のソープ通い。しかしその道程は、決して順風満帆ではなかった。当たり前である。本来なら「気持ち良くなるため」「己の快楽に忠実になるため」に向かう場所に、「見当違いな贖罪のため」「修練のため」に向かうのだ。共通していることは、どちらも結局は自己満足であることと、金を払って体を重ねることだけである。下戸で喘息持ち、しかもそれなりに厳格な家庭で育てられた自分
2019年8月4日 09:16
<遊郭>端的に言えば、吉原に救いを求めた一番の原因は、「教えを請うのであれば、やはりその道のプロだろう」という発想だった。信頼であり、安心である。今こうして振り返ってみると、何とも滑稽で呆れてしまうのだが、当時の自分にとっては、極めて当たり前な思考だった。とは言え、これまで一度も風俗の利用経験が無い人間が、飛び込みで店に向かうのは、いかにも敷居が高過ぎる。半日ほどかけて調べてみる
2019年8月2日 23:54
※このnoteは、筆者の体験してきたことを振り返り、今の自分から見た考察も加えながら、諸々書き綴ったものです。内容はあくまでも筆者個人のものであるため、中には偏った見方や、正しくない認識が混入している場合があります。それでも、「少しでも吉原のことを、性風俗の世界について理解してもらう上で、参考になれば」と考え、執筆を始めました。同時に、コンパニオンに対する評価であったり、客が望むことであったりにつ