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スタンド・バイ・マイ・ダーリン (進捗報告)

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こちらは、僕が今書き続けている中編予定の小説「スタンド・バイ・マイ・ダーリン」の進捗状況をまとめたマガジンです。 お試し版もあるので読んでみてください。退屈はさせませんから。 最…
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スタンド・バイ・マイ・ダーリン

スタンド・バイ・マイ・ダーリン



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【彼女と東京】
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1.

 修羅場を起こすつもりは、毛程もなかった。

 瞼を擦りながら見上げる部屋の天井はどこまでも白く、染みが一つも見当たらない。ローテーブルの上には、昨晩、口を付けて飲みきれなかった三五〇ミリリットルの缶酎ハイが放置され、東の空から差し込む光を受けている。
 カヤが充電コードをたぐり寄せ、ロック画面を開くと通知が来ていた。連絡は酔いつぶれたカヤを部屋に置いて

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Stand ; By (Demo ver.)

Stand ; By (Demo ver.)



第一話 ; 「夢の中へ」

「友達って百人もいらないよね。だって、百人もいたら、どこかにご飯へ行こうってなった時、全然決まらないでしょ」
 左手に持つアイスバーは空から降り注ぐ日光に照らされ、ソーダ味の滴が表面に浮かんでいる。滴はアイスバーの表面を滑り、握っている手に滴り落ちた。
「駅前でスマホ見ながらグルメサイトの星の数とかさ、口コミとか見てさ、あの時間って本当にいらないよね。で、結局さ、

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