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一過性の幻です。高校生の頃のiPhoneのメモにあったおはなしを中心に載せています
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#フィクション

塩母

僕の母は父を殺そうとしている。
腎臓病で。
僕は知っている、なぜ母が父の弁当箱に直接ご飯を詰めないでおにぎりにしてから詰めるのかを、
答えは塩むすびという名目で塩を投与することができるからだ。
ちなみにそのおにぎりにする為の米も塩を入れて炊いてある。我が母の抜かりない殺意に恐怖すら通り越しむしろ尊敬の念すら覚える
そこまでして殺したいくらいならいっそのこと離婚でもしてしまえばいいと思うのだ。
僕も

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嘘の話

イライラすることがあって泣きながら自転車を漕いでいた。
いい歳した人間が白昼堂々泣きながら自転車漕ぐとか恥ずかしいのでなるべく明るい信号は避けたかった
心の中ではずっと「死ねハゲ」と叫び散らしていた。心の外で声に出して叫びたかった
そんな時信号待ちで声をかけられた
「〇〇ちゃん」
「死ねハゲ!!!!」
親戚だった