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10年経ってわかったこと。ダウン症のある子との毎日はたぶんすごく普通

そういえば私、ポジティブなことを全然書いていないよ、と反省。ダウン症のある子との毎日の楽しさ?というか日常?みたいなものを書いてみたいと思う。

我が家の長男は今年、10歳になる。この10年はたぶんすごく普通の毎日の積み重ねだった。

長男はたぶん、とても育てやすい子どもだ。真面目で優しくおとなしい。そんなに頑固でもないし、チョロチョロもしない。強烈に慎重派なので危ないこともあまりしない。二人目が産まれたのは長男8歳の時だったので、私にとっての育児は長らくこれ↑が普通だった。

外出するとどこへ行っても大概「おとなしくしていられてえらいね」と褒められ驚かれた。当時は「そこが懸案事項なのだ」とモヤモヤ悩んだりもしたけれど、もうそれは個性なのでそれはそれとするのが妥当だと今は思う。

おいしいもの大好きなパパは、じいじやばあばとの食事となると張り切って結構大人向けのお店を予約してしまいがちだったけれど、長男は一歳前から外食時に騒いで困るとか、食べ散らかして汚いとかはあまりなかったと思う。彼もまたおいしいもの大好きで、外食時はここぞとばかりにモリモリと食べた。それを見ると、私の作るごはんは渋々食べてる感が否めなくて母はソワソワした。

長男は、教えられたことは意に染まなければ実行しないが、自分の興味があることは自ら真似て身につけるタイプなので、三歳の時には特段教えてないのに箸も割と普通に使えていた。

教えてはいないけれど彼が趣味的に習得したことはいっぱいある。家事全般とか、文字もそうだと思う。興味があることは早い。

3歳くらいで掃除機をかけるようになって、洗濯物をたたみ出した。4歳くらいで皿洗いをするようになって、ほうきで掃き掃除を楽しむようになった。5歳くらいで一緒に料理をするようになって、現在も「ネコの手」とつぶやきながらキュウリを切ってくれる。好きな切り方はワイルドなぶつぎり。

文字も3歳くらいからスマホのアプリのなぞりがきで遊ぶようになって、4歳の時にはひらがなはほぼ読めていた。

7歳の時には、妊娠中の私をいたわって、頼まなくても家族全員分の布団を敷いてくれるジェントルマンに成長。しかも家族の誰が敷くよりもきれいに布団を整えてくれた。血液型は調べてなかったけど、絶対A型だろ、と思った。偏見。

基本おとなしいので飛行機、長距離電車、海外旅行、美術館、普通は小さい子どもを連れて行くのを躊躇してしまう場所でも難なく楽しめた。4歳にして、スイス氷河特急八時間、なんていう長旅もこなした。今考えるとよく行くって決めたな親(私だけど)。もちろん長旅はそれなりに不安があったし躊躇もしたけれど、結果、長男は旅先でよく食べよく眠り元気に過ごせるタイプだった。

8歳の年に弟が生まれて環境が変化し、プンプンしたり、取り乱したり、それはそれでいろいろあるのだけれど、四年生現在、平常時は弟も大好きだしパパもママも大好きな甘えん坊さんだ。

家では大好きなドラえもんやクレヨンしんちゃんをNetflixで見たり、どうぶつの森の世界で母がDIYで地道に稼いだ貯金で爆買いしたり、マリオカートでクッパを蹴散らしたりしている。放課後デイでも大好きな職員さんにデレデレし、学校でも大好きなお友達とじゃれ合うのを楽しみに生きている。彼は毎日すごく楽しそうだ。私は、長男が楽しく毎日を過ごせていることがありがたいしうれしいし幸せだ。

いや、不安はある。たとえば将来、あるいは現在にも。人生だもの、それは当然。

それでも、空から自分を見下ろすと(死んでいるわけではない。俯瞰で、ってことね)、長男も長男を取り巻く私たち家族も、今ちゃんと幸せそうだ。

誤解があるといけないので一応言っておくと、別にうちの子は「できる」タイプではない。ダウン症のある子の中でもごくごく平均的な子どもだと思う。できないことももちろんたくさんある。

ダウン症のある子との毎日をこうして書き連ねてみたけれど、どうだろう?すごく普通じゃないですか?

10年前の私は隙あらば涙が出た。たとえば長男昼寝中、夜の就寝後。長男がニコニコしてくれて「かわいいなぁ」と思った直後「こんなにかわいいのにどうして」と思う自分と、その思考への自己嫌悪。それから漠然とした、でも、すっごくでっかい、不安。

10年前の私には響かないかもしれないけど、あの頃の私に、10年後、すっごく普通だよ、と教えてあげたい。

あれ?ポジティブな内容になっているかな?なってなくない?あぁすみません、、、

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