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Creative management

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「正解の見えない時代」「AIが多くの仕事を担う時代」ライフスタイルやビジネスにアート×デザイン思考を取り入れることが注目を浴びています。ロジカル思考>デザイン思考>アート思考を横…
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2020年3月の記事一覧

【クリエイティブなミィーテングを作る「わかりません」は禁止のルール】

アート思考のセミナーでは「わかりません・知りません」を言わないルールのワークショップがあります。逆に言えば妄想や捏造を許諾するということです。 私たちは日常で「わかっていること」と「わかっていないといけないこと」に囲まれて生きています。でも、実は世界のほとんどが「わからないこと」だらけです。 「今日は新規事業の企画会議です。皆さん自由に新しいアイデアを提案してください」突然こんな会議が始まったらどうでしょう?面白いアイデアが参加者全員からドンドン出てくる会社はすばらしいです

【思春期(1980年代)からのアート思考】

自分はアート思考という言葉に出会うまで、アーティストとサラリーマンという、ライフワーク(内発的動機の無償の行為)とライスワーク(外発的動機の報酬)を切り離して生活していました。もしくは行ったり来たりしながら、どちら付かずな感じで、これはなかなか息苦しいものでした。 ある時はアーティスト的な創造性、あるときはビジネスマン的な理論と説得力をもってやりこなしてきたおかげでクリエイティブな仕事に携わり、大企業や国のイノベーションの現場にも立ち会うことができました。そのバランスが、ア

【コロナと資本主義とアートと哲学】

 コロナウィルスの名前の由来は太陽コロナだそうで、皮肉な事に、世界がその小さな太陽によって世界的な岩戸籠りとなった。 バリ島の踊りの師匠コンピャンは言った「太陽は唯一無二で世界を平等に照らす。なのに、日本ではタイヨウ、アメリカではサン、バリではマタハリ、、1つではない」(これは言葉を表しているのではなくイデオロギーや貧富の差や、差別を意味している)皮肉な事に今世界が恐れる太陽は世界の共通言語になっている。 太陽の下に平等に感染する。ある意味極めて高度な民主主義ともいえる出

【「余白」と「問い」のアート思考】

説明的ではなく不明な余白がある事で「問い」が生まれ、そこに心が入り込む余地が生まれる。現代アートに触れる事は「正解がない」事に慣れる行為でもある。 モノの時代には、生産性、効率性を重視して、とにかく生産すれば必要なモノ、便利なモノは一方向的に売れる時代でありました。何故なら、それらのモノが普及していなかったからです。1980年代、三種の神器と言われた洗濯機、冷蔵庫、テレビは、ほぼ100%家庭に行き渡り、モノの時代は終わった。作れば売れる時代が終わります。 その次に、利潤を追

【本木雅弘というデザイン思考】

本木さんの「プロフェッショナル」が面白かった。コンプレックスが凄い人だ。希林さんと裕也さんすら自分の演出にしていたとは、、役者であり自己演出家。自己肯定感が低いからこそ自分を作り続ける。でも実は客にどう見られてるか?ではない、自分が自分にどう見られてるかを圧倒的に気にして生きている。 「プロフェッショナルとはプロフェッショナルを疑い続けること」 16歳から芸能人をやっていたら無理もないでしょう。自分と自分を見る自分。ここまで乖離する事は普通の人にはなかなか理解でき

【さて、芸術とは何か?】

京都芸術大学で講義をして3年、アート思考のセミナーをはじめて1年半、ストリートアカデミーだけで100回の講義を超えました。他も入れるとのべ1500人以上の人前で芸術について話してきました。 人前で芸術を語る事に抵抗がありました。実際、どれだけの芸術家を知っているか?どれだけの作品を鑑賞したか?と言われたら、趣味の域を出るものではなく芸術家の名前をあげろと言われても大した数は出てきません。芸術が教養だとしたら、自分は芸術については全くの無教養です。言えるとしたら広く浅く気にな

【持続可能な町を市民がデザインする。逗子アートフェスティバル】

廃業したパチンコ店ニューマツヤの跡地で「大地の芸術祭」他でもインスタレーションを展開する逗子在住の現代美術家 松澤有子さんが手がけた空間インスタレーション作品です。この映像はダンサーChiiさんが演出・出演した「 ぼくたちのうたがきこえますか2019 ー やどかりのみた空」でのパフォーマンス" iN tO tHE mOon LigHt " です。 この空間作品は何もないパチンコ屋の廃屋で、子供から高齢者までのべ1000人の逗子市民が参加して創られました。補助金などなくてもこ

【資本主義の崩壊と進化論と縄文】

「資本主義の終わりを想像するより世界の終わりを想像する方が簡単だ」(グレデリック・ジェイムソン) 資本主義のオルタナティブは存在しない、とまで言われています。私たちは資本主義という環境に依存してい発展してきましたが、経済ジャーナリストのポール・メイソンは1800年以降、50年周期で起きる景気の循環をあらわす「コンドラチェフの波」に異変が起きていると指摘しています。 AIの急速な進化で起きるはずの第5の波が起きていないのです。進化した情報技術の社会においては資本主義が共存で